2005-01-01から1年間の記事一覧

21世紀の芸術家や思想家

アクエリアンさんのコメントを刺激にして、もう少し考えます。 人は誰しも若い頃、宇宙の向こう側はどうなっているのか? 世界とは何か? 人間はなぜ生きているのか? われわれはどこから来て、どこへ行こうとしているのか?といった、根元的で、形而上学的…

心の時代

心をテーマにした雑誌の創刊を告知する新聞広告を見た。その趣旨は以下のようなものだ。 「モノからココロへ。そんな時代を反映。いま話題のトピックや、世の中の気になるテーマを、やさしい心理学で検証する」と。 そして、テレビや雑誌によく出る心理学者…

新しい意識、新しい出来事

アクエリアンさん、真摯なコメントありがとうございます。 がっかりなんて、とんでもないです。アクエリアンさんの仰っていることはよくわかります。私の書いていることがわかりにくいのは書き方が悪いのです。浅田さんの立ち位置と私やアクエリアンさんの立…

出来事の到来と芸術体験

アクエリアンさん、コメントありがとうございます。 何げなく書かれていることですが、深い意味があり、簡単に返答できる内容ではありません。私は自分の考えを自分の言葉でしか書けないので、お返事がダラダラと長くなります。ご了承ください。 アクエリア…

浅田彰氏との「出来事」の総括に変えて

アクエリアンさん、コメント有り難うございます。長くなるのでここに書きます。 私は、批評家ではなく編集者ですから、浅田さんとのやり取りのなかで、自分なりの思いを自分なりの「言葉」を駆使して伝えようとしたことを、雑誌表現を通して実現していくべき…

一夜明けて

12/16の対話、あれは本当に浅田さんだったのだろうか? 免疫学者の安保徹さんの話しではないけれど、思いもかけず強いウイルスが身体の中に入ってきた時に、白血球を出して、熱を出して、ウンウン呻ってウイルスと戦っていた時には、そんなことを考える…

事物と言論の剥離

写真論や美術論を語る時、そこにある「事物」を見て語るのではなく、他の写真論や美術論というテキストを勉強して、その知識の範疇で語られることが多く、その知識の中の「記号」が増幅していくことがある。 しかし、そのテキストを書いた人は、自分に都合の…

写真の終焉!??

杉本博司氏は、「今日の世界で、古代人が見ていたような風景はどこにあるだろうか」という自問から、それは海だと自答し、世界中の海を撮る。 しかし、私は杉本氏のその発想について疑問に思う。人工物の溢れる現代社会で、古代と変わらないだろうと安易に観…

写真の終焉!??

せっかくだから、もう少し杉本博司の写真にこだわってみる。 私が「風の旅人」を立ち上げて、出し続けているのは、まさしく「狭い観念の殻に閉じ込められた現実世界」を打破したいという気持ちがあるからだ。 その為、観念を通して見る世界は世界のごく一部…

美しさは頭の良さ

女子フィギュアスケートの浅田真央ちゃんの演技が圧巻で惹きこまれた。 小学校二年生の息子も随分熱心に見入っており、妻が、「真央ちゃん、可愛い?」と尋ねると、「うん」と答えたので、妻と二人で笑ってしまった。息子は、野球とかサッカーばかりに熱中し…

言うに言われぬ清々しさ

昨晩、前田英樹さん、酒井健さんと、神楽坂の裏通りの石畳の狭い路地の行き止まりにある店で忘年会。前田さんは、「店の入り口がどこにあるかよくわからない。でも、それがいい」と一言。 熱燗を飲みながら話した内容は、かいつまんで言えば、「物にゆく道」…

新聞との付き合い方

12/13付けの朝日新聞の朝刊で、ジェイコム株の取得に関する各証券会社の保有比率がグラフになって、下記のように明記されていた。 モルガン・スタンレーが31.19%、リーマン・ブラザーズが、21.72%、クレディ・スイスが、19.92と。 し…

ミスか陰謀か

書こうかどうか迷ったけれど、やはり書かずにはいられない。こうした憤りを抱えたまま、仕事なんかできない。 今世間を騒がしている「みずほ証券」のジェイコム株誤発注の問題。みずほ証券は、10分ほどの間に、最低でも400億円の損失。 400億円の損…

熟慮断行

旅行業とか出版業とか実態の無いモノを相手にする仕事をしていると、時々、直面する問題がある。 たとえばトラブルを解決しなければならない時など、黒か白か、決められた答えが無いことの方が多い。 旅行の場合、旅行業法とか約款とか、いちおうルールがあ…

近代化のコインと印象派

渋谷の東急文化村で開催されている「スコットランド国立美術館展」を見る。スコットランド絵画とフランス印象派が中心だが、コローの風景画が4,5点とクールベの作品なども展示されて、産業革命後、19世紀風景画の変遷のような趣になっていた。 スコット…

自然教育園の紅葉

今日の午後、目黒の自然教育園を散歩する。天気があまりよくなかったせいか、ほとんど人と出会わなかった。でも、紅葉は今日あたりがベスト。小道は落葉が敷き詰められ、カエデも真っ赤だった。ムラサキシキブの、小さな球形・紫色の液果が、寒々とした空気…

職業人か、達人か

写真や文章を職業とするというのは、写真や文章で糧を得ていること。その意味では、教師も弁護士もエンジニアも営業マンも何も変わらない。自分の仕事は、職業人として責任をもってやればいい。 しかし、写真とか文章(特に学者とか、一部のライターも)とか…

微妙な綾の違い

表層だけをコピーしたものが出回る。ブランド品のコピーが有名だが、雑誌などにおいて、以前、「サライ」が成功すると、その模倣雑誌が次々に出たし、最近では、「レオン」が成功したと知ると、それとまったく同じコンセプトとテイストで、雑誌が創刊される…

自己都合と相思相愛

写真の売り込みに関して、10/4に下記のことを書いた。 → http://d.hatena.ne.jp/kazetabi/20051004 これを読まずに直接電話してきた場合は、「10/4の編集便りを読んで下さい」と言うことにしている。それに対して、「わかりました」と答えない人は意…

多田富雄さんと生命力

12/3の夜、NHKスペシャルで、脳梗塞で倒れた生命科学者の多田富雄さんのドキュメントがあった。 こういう番組をきっちりと作る余地がこの国に残されているのだと思うと、救いを感じる。毎日の膨大なテレビ番組のなかで、たった一本でもこういう声にな…

人間という自然

人間は自然を破壊することはできない。 これだけ都市化が進み、人工の物ばかりに囲まれていても、自然は死んでいない。たとえ核戦争が起きて、地球が火の海になっても、自然が死ぬことはない。コンクリートだって、放射能だって、自然の一部にすぎないのだか…

私たちの偏った視点

今年の紅葉は、遅かった。庭の桜もようやく色づいた。自然教育園の紅葉は、昨年は今頃が盛りだったが、今年はどうだろう。雨が降っているが、見に行ってこよう。 今年の秋、本橋成一さんのポレポレ座が主催した収穫祭で、落ち葉を掃くのに便利な竹箒を二本買…

風の旅人 第17号

明日、12月1日、風の旅人 第17号が発売されます。 テーマは、LIVING ZERO 〜永遠の現在〜です。 http://www.kazetabi.com/ 「風の旅人」17号LIVING ZERO〜永遠の現在〜発売に伴い、全国の4つの書店でバックナンバーフェアが開催さ…

ほっとけない!って、心からそう思い続けるか?

昨日の夜、会社から帰ってテレビをつけるとニュース23で、「世界の貧困をほっとけない」キャンペーンに関する特集があった。私は、この番組も、ニュースステーションも、朝日新聞も嫌いなのだが、日本のマスコミの傾向や体質がよくわかるので、時々見てい…

自分を大切にする!?

昨日に書いた「実態の無さと実感の無さ」の続きなのだけど、そうなる根本的な原因がどこにあるのか、いろいろ考えてみた。 少し前にこのブログで、最近の学校の国語教育では作品を読んだ時の個人の印象は極力排除され、専門家がその作品をあらかじめ解体して…

バブルの構造

首都圏のマンションの構造の強さを計算する書類の偽造問題が世間を賑わしている。マンション販売会社の下に建設会社がいて、その建設会社が建築設計事務所の建築士に物件の構造計算をさせる。その計算書を、市役所などに代わって建築確認の審査をする民間の…

報道の欺瞞と煽動

帰宅してテレビをつけると、NEWS23で「10代の心象風景」と題して、女性の心理評論家がベラベラと分析し、キャスターが神妙な顔で相づちを打つというお決まりの絵があった。「近頃の10代の傾向は?」というキャスターの問いに、心理評論家は、将来…

虚と実

昨日、帰宅してからテレビのスイッチを付けると、日本テレビで、ホストクラブの番組があった。カクテルグラスをピラミッドのように積みあげ、その上から、一本60万円の高級ブランデーを10本、なみなみと注ぐ。そして、一本30万円もする高級シャンパン…

スタッフ募集

ユーラシア旅行社 出版部では、現在、「風の旅人」の編集・制作と販売、そして、介護会社セントケアのPR誌を二ヶ月に一度、編集制作を行っている。 スタッフは、「風の旅人」とPR誌の編集長である私と、昨年大学を卒業したばかりの2人の女性スタッフ(…

メディアの公共性

今回、楽天のTBS買収騒動で、日本テレビの会長が、「ビジネスモデルが壊れると、コンテンツの質が下がる。それは国民にとっていいことなのかどうか」とコメントしている。 こういうコメントを聞くと、テレビ以外の分野で一生懸命に仕事をしている人たちは…