2007-01-01から1年間の記事一覧

国家と責任

薬害C型肝炎集団訴訟において、福田首相の政治的決断によって、薬害肝炎の被害者に補償する「一律救済法案」と、再発防止のための「肝炎対策基本法案」の成立が目指されることになった。 その際、この薬害における「国の責任」を明記することを被害者は求め…

介護現場のこと

今朝の新聞の一面に大きく、「介護養成校入学13%減」、「低い待遇、景気回復で流出」「コムスンで拍車も」というタイトルが踊り、第10面でも「学生の介護離れ」「見返り少ない」「待遇改善、待ったなし」というコピーと関連記事が掲載されていた。 こう…

嬉しいこと

今日、とても嬉しいことがあった。 ある書店から、「風の旅人」の27号、28号と最新号の29号の三冊をそれぞれ75冊ずつ、一人のお客さんから注文を受けたと連絡があった。 注文してくれた人は、ある会社の社長さんだそうで、「風の旅人」を三冊ずつ7…

現代社会の土壌

目黒美術館で行われている写真やアートなどの若手作家の展覧会を見る。 この展示でもそうだが、昨今の若手アーティストたちに対して、学芸員などが、「知性と感性が感じられる」という誉め言葉をよく使う。品が良くて、すっきりと整えられたものを、そのよう…

これからについて

第25号〜第30号(2008年2月発行)まで、大竹伸郎さんに表紙を制作していただき、「われらの時代」というテーマで、号を重ねてきました。 第31号(2008年4月発行)からは、望月通陽さんに表紙を制作していただき、「永遠の現在」というテーマで、…

罪と罰

ここ数日のニュースで、どうしても納得いかないことがある。 「 肝炎リスト放置 現職3幹部、厳重注意 歴代幹部は不問」2007年12月04日 血液製剤でC型肝炎に感染した疑いがある患者418人のリストが5年間放置された問題で、厚生労働省は3日、当初は「な…

小栗康平監督の「埋もれ木」を見て

昨日、立教大学で映像/身体/心理の統合を学ぶ現代心理学部の一般講座で行われた小栗康平監督の「埋もれ木」の上映会と、鼎談を見に行く。 これだけ立派な上映設備があり、学生は恵まれていると思うが、残念ながら参加している学生は30名ほどで、学部全体…

LIFE PRINCIPLE 〜有為自然〜

「風の旅人」第29号、”LIFE PRINCIPLE 有為自然 ”が、そろそろ書店に並びます。 生命の原理は、一つの公式を全てに当てはめるのではなく、そこにしかないものを、そこにしかないものと組みあわせ、その時ならではの微妙な条件を重ねながら陰…

国の財政と、メディアの伝え方

国の財政が厳しく、社会保障や公共サービスが難しくなるので消費税引き上げの議論があるとテレビが伝える。 また、今朝の新聞では、社会保障費を2200億円圧縮するために、診療報酬の引き上げを願う日本医師会と、国庫補助を減らして健康保険組合に肩代わ…

「われらの時代」から「永遠の現在」へ

来年の4月以降の企画を考えて、立ち止まっていて、少し揺らぎながら進みはじめた。 2月に出る30号で、「われらの時代」というテーマは終わり、大竹伸朗さんの表紙も終わる。 4月の31号から、「永遠の現在」というテーマで、望月通陽さんの表紙になる…

しっかりとした子供!?

幼稚園の年長の息子が、来春から入学する予定の公立小学校の親子面談を受けた。 公立小学校だから、お受験用の面接ではなく、小学校側の情報収集のためだ。 「幼稚園では、友達はたくさんいるのかな?」と先生は問う。 息子は、先生の方を見ず、横にいる母親…

不気味な動き

自民党と民主党の大連立構想をお膳立てしたのは、読売新聞グループの渡辺恒男会長や、日本テレビ取締役会議長で日本民間放送連盟名誉会長の氏家斉一郎らしい。ともに81歳の、新聞、テレビ界の出世競争でのしあがった権力者だ。 民主党党首の小沢一郎は、大…

20世紀という時代

今、「風の旅人」の第30号(2008年2月1日発行)のデザイン打ち合わせの前の、写真のキャプション書きなど、最終の詰めを行っている。 この号で「われらの時代」という大テーマは終わり、大竹伸朗さんに制作していただいている表紙も最後になる。 第…

人はなにを学ぶのか

やりたいようにやれる立場にいても、やりたいようにやる、というのが、なかなか難しい。何をどのようにやりたいのか、自分でもよくわからない。 自分のやりたいことは、とても漠然としている。何が欲しいとか、誰に認められたいとか、そういう類のことではな…

就職のミスマッチ!?

一昨日の新聞で、「就職のミスマッチを減らせ!!」と、大学が独自に卒業生の早期退職を防止するため行っている工夫のことが紹介されていた。 記事によると、入社3年以内に退職する大学新卒者は35.7%(2003年卒)で、一年以内に退職する人も、ずっ…

世の中の価値観って?

昨夜会った人に、「風の旅人」のように文字がいっぱいの雑誌って、売れるんですか?と言われた。「風の旅人」は、150ページのうち、写真が90ページほどで、通常の雑誌よりも写真が多い筈なのだが、文字が多い雑誌と受け止める人もいるようだ。 また、文…

「風の旅人」編集部 社員・アルバイト募集

このページの情報は、常時、修正を行っております。 *下記の内容は、「風の旅人」第30号(2008年2月1日発行)誌面での人材募集告知に合わせて、2/5に内容を更新しています。 「風の旅人」は、第31号(2008年4月1日発行)から、新たな企…

ボクシングと、宗教団体のこと。

昨日、編集部のビルのベランダの向かいにあるオフィスのテレビの前に人が集まっていた。なんだろうと思って目を凝らすと、亀田選手の父親の顔が大きく写っていたので、どやら謝罪会見のようだ。そして今朝、新聞の第一面と社会面とスポーツ面に写真付きで昨…

視覚と身体と写真

とある写真展で、写真家と思想家のトークがあった。 この写真家の撮影スタンスは、「できるだけ実際の目に見えるように、プリントの上に風景を再現すること」だと言う。極力、自分の気配を消し、自分の思い入れや意識を入れずに、自然体で・・・。 その写真…

でもまあ、しかたない (現成公案)

昨日、私が書いたエントリーの道元への言及の部分について、 「道元の和歌は「現成公案」と読み取るべきでしょう。御一考を。」という御指摘をいただいた。 率直に述べさせていただくと、道元が生きていたら、こういう言葉に触れた瞬間、「何もわかっちゃあ…

さびしさが、うまみになる表現

大阪のシンポジウムの後、京都に滞在した。 10月の連休のため、京都駅前や市内は観光客でいっぱいだったが、私が訪れた洛北あたりは観光客も少なく、落ち着いた空気が漂っていた。 比叡山に登ることが目的だったのだが、叡山鉄道で乗る電車を間違えてしま…

いのちを見つめて

先週末から関西へ行く。大阪芸大で開催された日本写真芸術学会主催のシンポジウムにおいて、写真家の野町和嘉さん→http://www.nomachi.com/と小林正典さん→http://www.kmopa.com/kobayashi/kobayashi.htmと、三人で鼎談を行った。 野町さんは、イスラム、チ…

有即無

「風の旅人」第28号、”FINE EXISTENCE 有即無 ”が、そろそろ書店に並び始めました。 http://www.kazetabi.com/ 「富士山」であれ、「東京」であれ、同じ「単語」を聞いても、人それぞれの記憶によって、思い浮かべる光景は異なります。どんな…

しみじみとうまく、しみじみとさみしい

「しみじみとうまいことと、しみじみとさみしいことは、なにかどこかでとても低通している。」 と、昨日、田口ランディさんが自分の日記に書いているのを見て、まさに自分もそう感じていたところなので、驚いた。面白いもので、以前にも何度かそういうシンク…

ミャンマーおよび報道について

つい最近、マグナムの写真家たちに関する記録映画を見る機会があった。 マグナムは、世界最高の写真家集団と認識されているが、過去のキャパやブレッソンが活躍していた頃と比べて、その影響力や役割が失われつつある現状のなかで、一生懸命に「マグナム」の…

出会いと表現

昨日は、介護施設のデイサービスの取材の後、時間があったので恵比寿の写真美術館に行く。写真美術館の友の会(年2千円)だと、地下一階と三階の企画展が無料になる。二階で行われている有料の中堅写真家特集、鈴木理策さんの雪とか森の写真は、何とも感じ…

人材募集

「風の旅人」を制作し、世に広めていくスタッフ(社員、アルバイト)を募集します。 <アルバイト時給> 最初900円、仕事に慣れた頃から1000円。 勤務時間 10時〜18時 交通費 月15,000円まで支給。 <社員> 条件などは、話し合いのうえ。 …

津軽と石と芸術と、生命

偶然だけど、津軽に関係する印象的な出来事が立て続けにあった。 一つは、現在、南青山のラットホールギャラリー→http://www.ratholegallery.com/exhibition.htmlで開催されている小島一郎展だ。 40歳で夭折したこの写真家は生前、一冊しか写真集を残して…

生物として働くこと

いろいろ考えているうち、「生物」と「無生物」を分ける一番大きなポイントは「相補性」ではないかという気がしてきた。 生物は、ジクソーパズルのように、形の違うピースが、互いに欠けた部分を補い合うことで成立している。それが平面ではなく、時間と空間…

現代社会の「生」の在り方について

昨日自分で書いた「生物」と「無生物」のことについて考えていると、現代社会の状況が何となく自分で腑に落ちるような気になった。 現代社会は、物をたくさん作り、消費し、スケジュールを埋めてたくさんの人と会って忙しく時間を消費したり、お稽古事をやっ…