2012-01-01から1年間の記事一覧

原始感覚美術祭

長野県大町の木崎湖畔という素晴らしい場所で、原始感覚美術祭2012が開かれます。そのオープニングイベントで、茂木健一郎さんと私でトークをします。 原始感覚美術祭は、頭でっかちの現代アートではなく、身体の潜在的な力を解放する根元的な表現がたく…

かぜたび舎のロゴについて

本日、設立した(株)かぜたび舎のロゴについて・・・・。 2012年12月21日、マヤ暦が終わると言われ、一種の終末観が漂っていますが、マヤの神ククルカン(アステカでは、ケツァルコアトル)は、羽毛ある蛇(ケッツアルが鳥の名前、コアトルが蛇の意…

本日、(株)かぜたび舎を設立しました。

本日、2012年7月23日 (株)かぜたび舎を設立しました。 http://www.kazetabi.jp/ 2003年4月に創刊し、2011年10月の第44号で休刊していた「風の旅人」を復刊させることが、会社設立の第一のビジョンです。 そして第二のビジョンは、風の…

世代を超えて繋がるようなものを

「以前、お話したことがあると思いますが、私の息子夫妻は、現在、岩手県に在住しています。 その息子に、他日、「家内の骨折で我家の庭は雑草でぼうぼう状態!」と嘆息混じりに洩らしたこともあって、この3連休を利用して、態々雑草刈りのため、来宅してく…

恐い話

http://biz-journal.jp/2012/07/post_374.html ニコンが従軍慰安婦の写真展を取り下げようとしたことに関して、良識的な人やメディア関係者などから、ニコンは厳しく非難されている。圧力に屈したとか、報道の自由云々とか。当然だろう。しかし、問題の根は…

ヒッグス粒子とマスコミ報道と、大きな疑問点

ヒッグス粒子が発見されたような報道がなされている。 ITmediaや産経の見出しは、ヒッグス粒子が完全に発見されたかのように伝え、NHK、読売、日経は、「ヒッグス粒子と見られる粒子発見」と少しだけぼかし、朝日は、「ヒッグス粒子発見、年内確定へ」、スポ…

ヒッグス粒子発見の盛り上がりの背後に?

7月4日、欧州原子核研究機構(CERN)が運営する大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で実験を行っている2つの研究チームが、“神の粒子”とも呼ばれるヒッグス粒子を、あるいは、ヒッグス粒子であることが有力な未知の粒子を、それぞれ99%以上の確実さで発見した…

使用済み核燃料の問題を避けた原発再稼働の議論はありえない。

6月22日の東京新聞に掲載された記事が気になっている。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012062202000108.html 現在、原発の再稼働に対して、各地で反対運動が繰り広げられても、野田首相と政府は、「原発無しでは日本の経済が立ち行…

準備中

準備中

大飯原発再稼働は責任問題なのではなく、究極の判断の問題だ。

野田首相の大飯原発再稼働について国民に理解を求める声明が発表され、このことについて内田樹さんが詳しく意見を述べている。 内田さんは、この声明を読み、野田さんを誠実さを欠いた人であると判断し、野田さんに自分達の運命を委ねるわけにはいかないとい…

子供は、未完成ではない。

(撮影/北義昭) 現代人の多くは、完成と未完成で世界を分別し、未完成なものが完全なる状態に到るために、階段を一つずつ上っていくことが成長であると思っている。そして、子供時代は未完成で、完成だとみなされる大人に一歩一歩近づくものだと教えられて…

昨日、スマートフォンで書いたツイートへの反応が多すぎるので、もう少し丁寧に書いておかねば。

昨日、外出中にスマートフォンを使いながら推敲もせずにツイッターで書き連ねたことに対する反応が予想以上に大きく、短絡的なRTをしてくる人が多かったので、もう少し丁寧に書いておこうと思う。 話のきっかけは、大飯原発の再稼働について中三の息子にどう…

これからの表現者?

昨日、写真家の森永純さんと会った。一昨年の夏、生死の境目を彷徨うような大病を患ったが、退院後はリハビリも順調で、まだ歩くのに少し不便そうだが、会うたびに少しずつ元気になっていくようで嬉しい。 森永純さんは、波の写真を30年以上に渡って撮り続…

私たちの人生の中の”夢の島”

1970年代の後半から東京湾の埋め立て地「夢の島」のゴミの集積地で、一人の写真家と一人の舞踏家が壮絶な祈りの行為を繰り返していた。誰かに見てもらうとか、どこかに発表するという意識を持たずに。 その写真家は、2006年3月、癌のために他界した…

?道具が作る人間意識や価値観〜21世紀編

先日のブログで、20世紀の人間社会を、ザ・コダックの発明とフォード式ベルトコンベアで巨視的に俯瞰したが、その論考の真偽を議論するだけなら、それはまさに20世紀的な、世界を分断し、分析する思考特性の癖だろう。ザ・コダックやベルトコンベアは一…

道具がつくり上げる人間の意識や価値観?。〜20世紀編

テクノロジーの進化が、人間のライフスタイルを変化させるだけでなく、その技術の用い方(道具)が、人間の意識や感性、思考特性に影響を与えることは今さら言うまでもない。 20世紀には、様々な技術が生まれた。人間世界に影響力の強かった技術はたくさん…

波のように考え続けること

”森羅万象は、内も外もない生命流のうねりであり、多種多様な波が絶え間なく揺らぎながら、無限に連続している。生命流のうねりのなかで、それぞれの波が複雑精妙に関係し合い、その時ならではの相が現れ、たちまち消えて、また現れる。この世で見られる一切…

男は辛いよ 蜂の世界(養蜂農家を訪ねる)

YouTube: 養蜂農家立川 YouTube: 蜂に刺された 立川 今日は、立川郊外の養蜂農家を訪ねました。生まれて初めての体験。ものすごい数のミツバチ。一つの巣で数万匹。その中に女王蜂は一匹だけ。働き蜂は、せっせと働いて、わずか35日で死んでしまう。女王蜂…

原発事故で被爆した小さな村を舞台にした美しい表現

本橋成一さんは、土門拳賞受賞の写真家であるとともに、国際的にも評価の高い映画監督だ。 本橋成一さんは、1986年に起こったチェルノブイリ原発の爆発事故で被災した小さな村を舞台にした、美しい映画と、美しい写真を残している。 映像の舞台になった…

原発に関する私の考え方3

原発問題は、賛否の立場に関係なく誰にとっても究極の試金石だとの受け止め方が必要であり実際にそうです。単なる生活のことにとどまらない、思考や心構えや生き方全てに関わる試金石。現在の教育現場にはできない哲学の鍛錬の機会。そうあって初めて、あの…

原発問題に関する私の考え方2

昨年の震災が起こった時、原発がなくなることは間違いないと思った。電力会社じたいが、もはや原発なんかやってられない、という気分になっているだろうと思った。だって、どんなに対策を練ったとしても一度でも事故があると会社が終わってしまうことを、マ…

原発問題に対する私の考え方1

原発全部止まったけれど電気は足りる、だから原発はいらない、という反原発は賛同できない。そもそもオイルショック等の中近東の不安定で、いつ石油の供給がストップするかわからないという危機意識が原発依存を促進させた。電気が足りるから原発はいらない…

生きていることじたいが奇跡と感じられる瞬間

齋藤亮一さんの写真は、生きている場所とか時代に関係ない、人間の普遍的な営みに焦点を当てたものになっている。 たとえば、セバスチャン・サルガドが撮った人間の写真は、善悪の狭間で喘ぎながら究極において”神の審判”に委ねるキリスト教世界の至高の表現…

人間の分別を超えた世界を開示する大いなる遊び。

今日から6月1日まで銀座で広川泰士さんの写真展が開かれる。 http://rcc.recruit.co.jp/co/exhibition/co_tim_201205/co_tim_201205.html「旅の途中〜」と題して、デビューの時から今日に至るまで様々な写真が展示される。私も、風の旅人の誌面で、広川さ…

能登という折り返しポイント

連休のはじめ、能登に行った。能登は、私が20歳の時に、大学を辞めて、海外放浪をしようと決心した場所。 そして、風の旅人の創刊の時、日本海から吹き寄せる強烈な風と雪のなか、上大沢の間垣の村を取材した。 私にとって能登は、最果てのイメージがある…

戦後日本にも、こういう世界が残されていた。

一昨日訪れた能登で漁師の逞しさに触れて思い出したのが、この小関与四郎さんの九十九里浜の写真。小関さん自身も豪快な人だが、彼は、30年以上にわたって九十九里だけを撮り続けている。この写真は、戦後のものであり、ほんの30年ほど遡ると、日本には…

戦後日本の象徴的な写真〜森永純のドブ川

風の旅人 第34号で紹介した森永純さんのドブ川の写真。1964年の東京オリンピックは、高度経済成長の中で、日本が先進国に肩を並べるまでに発展してきたことを象徴するできごとだった。同時に新幹線が開業。首都圏は建設ラッシュにわき、首都高が張り巡…

3.11直前の東京、時代と写真表現の重なり

昨年の3.11の大震災の前に「空即是色」というテーマで第43号の準備をしていた。その内容は、あの大震災を予言するかのように不吉な波や、沈鬱とした東京の街や、水辺で祈る様々な宗教の人々や、生と死が一体となったような自然の光景や、若くして未亡…

報道と芸術のあいだ

吉祥寺美術館で行われた石川梵さんのトークショーを聞いてきた。トークショーの最後に行われた質疑応答で、美大に通っている人が、今回のような震災写真と芸術写真の違いについて質問していた。石川さんの写真が震災地の状況を撮った写真でありながら、単な…

腐らない生き方!?

屋久杉は、千年で一人前。一年ごとの年輪はとても薄い。それは、屋久島の土壌が極めて栄養分に乏しいから。でも、少しずつ少しずつ乏しい養分の環境で自分を成長させていくからこそ強靭な樹木になる。肥料を与えて急成長する木は、中身がスカスカで、すぐに…