2014-01-01から1年間の記事一覧

もっと知っておきたいこと、もっと知っておくべきこと

あまり民放のテレビやラジオを視聴しないけれど、今日、夕食を食べながらNHKラジオを聞いていたら、「先ほど、冬至を迎えた今日と言うところを、夏至を迎えた今日とお伝えしました。お詫び致します。」と神妙な声で言うので、思わず笑ってしまった。お中元と…

息子の家庭内暴力が酷く、息子を殺してしまった父親のこと。

息子の家庭内暴力が酷く、息子を殺してしまった父親。http://www.asahi.com/articles/ASGD35DWNGD3UTIL02M.html?iref=comtop_rnavi_arank_nr01 この事件のことを知って、何ともいいようのない重い気持ちになった。自分の意見を述べるのは非常に難しい事件だ…

ビッグデータの時代と、風の旅人

2003年4月に風の旅人を創刊した時、社会にビッグデータという言葉はなかった。しかし、インターネットが社会に急速に浸透し、膨大な情報がやりとりされるようになっており、膨大な情報を使いこなすか情報に翻弄されるかによって人生が大きく異なってし…

ビックデータの時代と、小学生なりすましの件について思うこと。

小学生になりすまして今回の衆議院解散に疑問を投げかけるホームページを作った若い人が卑劣だと責められ、安倍首相までがFacebookで、この件を「最も卑劣な行為」と批判した。この程度のことを最も卑劣な行為を責めるのであれば、小渕優子前経産相の不正は…

いのちの文(あや)

京都にいると、目に見えない交差点の中に自分がいるだという気がしてくる。色々なシンクロが起こり、自分の無意識の中にあったものが、一挙に具体的な形となって表出する。 昨日、ここ数ヶ月ほど考えていたことをまとめて、風の旅人の次号(第49号)の企画…

暮らしは、闇(くら)し。

京都を訪れた友人が、「京都は暗いねえ」と呟く。そして、「これでいいよね」と付け加える。京都は、電灯の暗さだけではなく、野外広告の規制によって派手な看板がなくなった。「電気が暗いと、活気に乏しいように見えるねえ」などとバカなことを言う経済界…

消費税の問題と、ひとりひとりの人生

実際に自分で確かめたわけでもないし、正確に事情を把握しているわけでもないのに、教育やメディアの報道が刷り込まれて、そういうものなんだと思い込んでいることがよくある。 たとえば、ここ数日、解散総選挙の気配が漂い、その焦点になりそうな消費税の問…

日本人の魂の故郷 室生寺と土門拳

(撮影/土門拳) 女人高野と呼ばれる室生寺に行ってきた。土門拳が何度も通い続けた室生寺は一度は行ってみたかった。 到着したのが夕暮れ時の閉館前で、紅葉の季節なのに観光客の姿がなく、静けさに包まれていて心穏やかな気持ちになった。 空海は、身体は…

20世紀から21世紀、「ドブ河」の時代から、「波」の時代へ?

(撮影/森永純) 「私を深く感動させる写真、私の人生を変えてしまう写真は数少ない。森永純の写真はその二つを併せ持っていた。」 ユージン・スミス??の続き そのユージンスミスが、21世紀になってようやく完成した森永純さんの第2作目である「波」の写…

20世紀から21世紀、「ドブ河」の時代から、「波」の時代へ?

(撮影/森永純)「私を深く感動させる写真、私の人生を変えてしまう写真は数少ない。森永純の写真はその二つを併せ持っていた。」 ユージン・スミス ユージンスミスは、森永純さんが撮ったドブ側の写真を見た瞬間、そこに原爆を象徴する何かを見て、号泣し…

20世紀から21世紀、「ドブ河」の時代から、「波」の時代へ?

(撮影/森永純)「私を深く感動させる写真、私の人生を変えてしまう写真は数少ない。森永純の写真はその二つを併せ持っていた。」 ユージン・スミス 先日、東京に出た際、森永純さんが、生死の境を彷徨う大病後、週に三回通って透析を受けている病院に行っ…

道徳教育よりも大事なこと

今朝の新聞で、学校教育において道徳教育を強化することが書かれていた。しかし、子供は大人を見て育つのであり、道徳においては、子供の前に大人が改めなければならないことはたくさんある。 テレビなどにおいても、人を物のように扱ったり、人をバカにした…

森永純さんの写真の命

写真集「WAVE〜All things change」より 森永純さんの写真集「WAVE〜All things change」が出来上がり、ようやく納品することができた。 3年か4年前の初夏だったと思うけれど、森永さんの「ドブ河」の写真に衝撃を受けていた田口ランディさんが、森永さん…

ニヒリズムと生命力

第3回 風天塾を開催します。テーマ:ニヒリズムと生命力10月19日(日) 午後1時半開場 2時開演場所: IMPACT HUB KYOTO(虚白院) 〒602-0898 京都市上京区相国寺門前町682 電話:075-417-0115★佐伯啓思(社会経済学)×村瀬雅俊(生命基礎理論)×佐伯…

デジタル力を包含するアナログの力?

2000年以降の著しいデジタル化競争の中で、あまりにもユニークな経営を行なっているのは富士フィルムだ。 近年、富士フィルムが発表するデジタルカメラにおいても、その方面に詳しい人はよく知っていると思うが、その特長は、デジタル技術を駆使しながら…

デジタル力を包含するアナログの力?

ソニーが相変わらず厳しい状況に置かれているが、これは”物事の考え方”の転換を示す象徴的な事態ではないかと思う。 ソニーが、2015年3月期の連結純損益予想を下方修正し、2300億円の赤字になるとの見通しを発表し、株式上場後、初の無配となった。…

即興とは何か? 原始感覚とは何か?

今年も、長野県の信濃大町郊外の木崎湖で行なわれた原始感覚美術祭に参加してきた。 この美術祭の特長は、美術制作者達が、この湖の畔に寝泊まりしながら、この地の空気を吸い、水を飲み、この地で食べ、眠り、星空を眺め、集い、語らい、そうして自分の中に…

情報と自分の未来の関係

Facebookのエントリーで、ちょっとした議論があり、議論を通して、情報伝達の意味とか意義を改めて考えることになった。 私がとっている情報提供のポジションは、「正しいことを伝える」という裁定者の立場ではなく、常に、「こんなんでいいの?」「こうなん…

今、学ぶべきことは何か?

8月30日(土)、京都で第二回の風天塾を開催する。http://www.kazetabi.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/テーマは、学びとは何か? 〜カオスと科学、芸術〜 学びとは何か?というお題になっているが、自分の本音としては、「今、学ぶべきことは…

「GDP大幅減」という見出しの背後

新聞にGDP大幅減という見出しが出ている。今年4月の消費税増減に伴う駆け込み需要の反動であると社説は続く。 内閣府が発表した4〜6月期の国内総生産は、実質で前期比1.7%減で、このペースが一年間続くと仮定した年率換算は6.8%減。これは東日本大…

第2回 風天塾開催 学びとは何か?〜カオスと科学、芸術〜

日時: 2014年8月30日(土) 開場:午後5時〜 開演:午後5時30分〜午後8時30分*今回は、第1回に比べて、後ろの時間に余裕がありますので、懇親会形式で、延長線を行なう予定です。場所: IMPACT HUB KYOTO(虚白院) 〒602-0898 京都市上京区…

「すべては発動し、すべては循環する。」森永純さんの新作写真集

(森永純 WAVE〜All things change) 今後、年に一冊ずつ写真集を制作していきたい。 世の中には、簡易な作りの写真集が数多く発行されているが、一生の間、手元に置き、じっくりと何度も見る価値のある写真集を作る必要があると私は考えている。 20世紀は、…

進化とは何か!??

高野山で陶芸活動を続ける友人から、高野山で志村ふくみさんの草木染めの実習と講演があると聞いて出かけた。 草木染めの実習では、高野まき、樅、杉、うわみず桜、キハダなど高野山に生育する植物が使われて、美しい色が生み出されていたが、同じ植物を京都…

進化とは何か!??

この一週間ほどの間に、とても大事な気づきが二つほどあった。 一つ目は、7月20日に建仁寺の両足院で行なった第1回の風天塾。そして、もう一つは、7月23日に高野山で行なわれた志村ふくみさんの草木染めの実習と講演(というより、若い人も交えての対…

子供のことより、大人はどうあるべきかを問い直すことが先決

通信教育大手ベネッセコーポレーションの2000万件を超える顧客情報流出の事件を通して、この国の歪んだ姿がはっきりと浮かび上がった。 子供の住所その他のデータを獲得すれば、幼年期から大学進学まで、子供の成長に合わせて様々な教育支援ソフトその…

”ジャンル”で固定できない物づくり、対話、人間関係

一昨日、京都の御所のすぐ近くにできた町家を利用したイベントスペース、風伝館http://fudenkan.jp/ のオープニングに参加させていただき、この風伝館を運営するアミタホールディングスの会長の熊野英介さんと、奄美諸島沖永良部島に移住して地球村研究室を…

安定性とは何か!?

福島から京北に移住して有機農法に取り組んでいる塩澤靖浩さんに色々教わっています。 先週末、京都郊外の京北で畑仕事に行って、とても印象深いことがあった。 ズッキーニの苗を植えていたのだが、数日前に降った雹(ひょう)によって、かなり打撃を受けた…

表現は、認識に働きかける栄養分

「価値観が違う」という言い方がよくされるけれど、価値観ではなく、「認識が違う」という言い方をした方がわかりやすい。 価値観という言い方をすると、同質のもののあいだの比較というふうに聞こえてしまう。認識の違いならば、そこに質(幅とか深さ)が関…

不確定のままの深遠な対話を展開する場

昨日、京大の村瀬雅俊さんのゼミに参加。この4月に大学生になったばかりの学生達相手に、前もって何の打ち合わせもせずに、いろいろ話をすることになった。 日本の若い人は、高校卒業するくらいまでは、かなり優秀。今日も、みんなしっかりと自分の考えを持…

世界を見る眼を変え、意識を変える写真の力

私が日本で最も尊敬している写真家の一人である鬼海弘雄さんと話していると、「写真が撮れない」という言葉がよく出てくる。 「写真なんてシャッターを押せば写るのだから、写真が撮れないという意味がよくわからない」という人もいるだろう。 写真が撮れな…