2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

表現は、認識に働きかける栄養分

「価値観が違う」という言い方がよくされるけれど、価値観ではなく、「認識が違う」という言い方をした方がわかりやすい。 価値観という言い方をすると、同質のもののあいだの比較というふうに聞こえてしまう。認識の違いならば、そこに質(幅とか深さ)が関…

不確定のままの深遠な対話を展開する場

昨日、京大の村瀬雅俊さんのゼミに参加。この4月に大学生になったばかりの学生達相手に、前もって何の打ち合わせもせずに、いろいろ話をすることになった。 日本の若い人は、高校卒業するくらいまでは、かなり優秀。今日も、みんなしっかりと自分の考えを持…

世界を見る眼を変え、意識を変える写真の力

私が日本で最も尊敬している写真家の一人である鬼海弘雄さんと話していると、「写真が撮れない」という言葉がよく出てくる。 「写真なんてシャッターを押せば写るのだから、写真が撮れないという意味がよくわからない」という人もいるだろう。 写真が撮れな…

生命力について考える

「京都21世紀教育想像フォーラム 日本の未来と人づくり」と題し、グローバル時代に対応する為にどのように生きるかを考えるシンポジウムの内容が、今朝の京都新聞で大きくページを割かれて伝えられていた。京都に限らず、随分と前から日本のあちこちで、こ…

祈りの大地

(撮影:石川梵 2011年3月12日 白煙をあげる福島第一原発) 写真家、石川梵さんの文章だけの本『祈りの大地』が発行された。2、3日前に、大阪写真月間で行なわれた鬼海弘雄さんのトークを聞き、写真というものは写真家の生き様が反映されるものであ…

写真の新しさ!?

一昨日、大阪ビジュアルアーツに来て鬼海弘雄さんの話を聞いた人の多くは、きっといい話を聞いたなあと、しみじみとした手応えを感じて帰っていったのではないかと思う。写真の技術的な話を期待してきた人は、ちょっとあてが外れたかもしれないけれど・・・。…

消費社会と写真

(撮影:木村肇 風の旅人 復刊第4号 「死の力」より) ポートフォリオレビューで自分の写真を見せに来て、わざわざ、「他人の影響を受けたくないので、人の写真はあまり見ないようにしています」と言う人がいる。文章表現を志している人で、こういう発言を…