2014-01-01から1年間の記事一覧

生命力について考える

「京都21世紀教育想像フォーラム 日本の未来と人づくり」と題し、グローバル時代に対応する為にどのように生きるかを考えるシンポジウムの内容が、今朝の京都新聞で大きくページを割かれて伝えられていた。京都に限らず、随分と前から日本のあちこちで、こ…

祈りの大地

(撮影:石川梵 2011年3月12日 白煙をあげる福島第一原発) 写真家、石川梵さんの文章だけの本『祈りの大地』が発行された。2、3日前に、大阪写真月間で行なわれた鬼海弘雄さんのトークを聞き、写真というものは写真家の生き様が反映されるものであ…

写真の新しさ!?

一昨日、大阪ビジュアルアーツに来て鬼海弘雄さんの話を聞いた人の多くは、きっといい話を聞いたなあと、しみじみとした手応えを感じて帰っていったのではないかと思う。写真の技術的な話を期待してきた人は、ちょっとあてが外れたかもしれないけれど・・・。…

消費社会と写真

(撮影:木村肇 風の旅人 復刊第4号 「死の力」より) ポートフォリオレビューで自分の写真を見せに来て、わざわざ、「他人の影響を受けたくないので、人の写真はあまり見ないようにしています」と言う人がいる。文章表現を志している人で、こういう発言を…

自己と自己を超えるもののあいだ

(写真は、桑原史成さん撮影。風の旅人 復刊第4号 「死の力」より) 風の旅人の復刊第3号で、志村ふくみさんをインタビューした時、”のさり”という言葉が出て来た。3.11の震災後すぐの頃は、多難な状況のなかで、日本人の心が一つになりかけていた。しかし…

”のさり”と、”悶え神”

石牟礼道子さん(撮影:佐伯剛) 生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く死に死に死に死んで死の終りに冥し (空海『秘蔵宝鑰』) まもなく発行される風の旅人の復刊第4号(第48号)<2014年6月1日発行>のテーマ、「死の力〜来し方、行く末 Memento m…

死の力

<写真> 風の旅人 復刊第4号(テーマ:死の力〜来し方、行く末)より 撮影/池谷友秀 風の旅人 復刊第4号の編集のピークと、京都への引っ越しが重なって、落ち着かない日が続いたが、あっという間に,次号の発行日が目の前に迫っている。 次号のテーマ、…

憲法解釈の変更が、10年後、20年後に支配的な力を持つかもしれない。

今、ベトナムと中国の対立が深まっている。その緊張は、現在の日本と中国との対立よりも深刻なものだろう。日本国内においては、ベトナムのように、反中国のデモで人が殺されるほどの騒動には発展してはいないのだから。 昔から、敵の敵は味方であるが、10…

今、起こっていることが、将来を決めていく。

今日の新聞には、今後の社会変化に大きく関与しているのではないかと思われる記事が幾つかでていた。 連日、ニュースになっている集団的自衛権のことは言うまでもないが、TPPにおける「国有企業改革」のことが、とても気になる。TPPの話題は、コメや麦、牛、…

内山英明さんが亡くなった。内山さんの地下世界の仕事は、地上で永遠に生き続ける。

(この写真は、風の旅人 第25号で紹介した内山ワールドのごく一部) 昨日、写真家の内山英明さんが、脳出血で亡くなった。ショックだ。内山さんの不在という事実を突きつけられ、大きな喪失感を感じる。昨年末に、荻窪でトークショーをした時は元気だった…

死が無ければ、生も無い

周到に準備を重ねてやっていても、あと一歩のところでうまくいかなかったり、努力が報われそうもないと諦め開きなおっていると、土壇場で好転したりすることがある。そういう時、よく思い浮かべるのが、アフリカのサバンナで肉食獣が草食獣を襲う時のこと。…

日本がおかしくなっている理由の一つ

今、世間を騒がせている細胞のことに限らず、科学の研究分野で、研究を続けるためには予算が必要だから、とうぜん、その予算の取り合いが起こる。しかし、その予算を配分してくれる立場にいる人間が、本質的に何が大事かをわかっていないお役所の人であると…

悪意があるかどうかではなく、畏れがあるかどうか。

なんとか細胞のことで世間が騒いでいる。権威ある雑誌に掲載された論文に捏造がある、いやそうではなく単なる未熟者のミスであると。「この研究が人々の役に立つようにという思いで研究しており、画像データを変えたのは、より見やすいもの、わかりやすい方…

狐につままれたような、懐かしく豊かな話。

石牟礼さんのインタビューのテープを書き起しながら、思いもかけず、話がきちんと成立しているので、少し驚いている。石牟礼さんは、高齢のうえ、重度のパーキンソン病で、身体をしっかり保つことも、言葉を発することも、非常な困難を抱えておられる。それ…

希望とか救いとか赦しとか•••

これから熊本に飛ぶ。石牟礼道子さんのお話を伺うために。 石牟礼さんは、ずっと長いあいだ、重い病気にかかられている。現在も、病院に入院中である。そういう石牟礼さんに、会って話をしたい。 現在、制作中の、風の旅人の第48号のテーマ「死の力」に、…

あの震災の記録を継続して行く為の、クラウドファンディング

https://readyfor.jp/projects/enami_photobook01 正直に言うと、このクラウドファンディングに参加すると、3.11の東北大震災の写真集制作の支援の見返りに写真集のカバーに自分の名前が記されるとか、オリジナルの帯がつくといったことに、最初は違和感を感…

様式としてのアナログではなく、存在感のあるアナログ

本橋成一さんの写真展が、品川のキャノンギャラリーで開催されている。http://cweb.canon.jp/gallery/archive/motohashi-ueno/index.html 昨日、そのオープニングパーティに行ってきた。本橋さんは、いまだデジタルカメラを使わず、銀塩写真にこだわり続けて…

帳尻合わせでない、生き方

友人が、東京の家を売ることになった。売り先は、香港人。最近、東京の土地を買う香港や台湾やシンガポールなどの人が増えているらしい。東京オリンピックも関係あるのかもしれない。 そして、手続きを進めていると一つ問題が生じた。香港人が、購入する土地…

老廃物をためこまない生き方

4月中旬に京都に移住することが決まり、30年続けてきた東京での生活に区切りをつけるために、今、色々なものを捨てている。 介護現場の取材に行く事が多いが、年配者の家は、足場の踏み場のないほど物が溢れかえっていることが多い。10年、20年、30…

近未来、仮想マネーと行政の管理、どちらが信頼できる?

ビットコインの問題が世の中を騒がせている。日本のように、何事もお上がお墨付きを与えてくれるから安心と考える人が多い国では、こうした仮想通貨をキナ臭いものと受け止める人が多いだろうが、お上を信じられない国の住人にとっては、自国通貨よりも、よ…

国東半島で思い至った、写真の罪と贖い

2月1日、国東半島で行なわれた修正鬼会の祭りを見て来た。国東の地には、神と仏が複雑に絡み合う独特の宗教文化が今も色濃く残っている。岩盤に掘られた磨崖仏や、今から1300年程前の美しい仏像も数多く残っており、京都や奈良と同じように日本の仏教…

都知事選と、この国の不安な行き先・・

昨日の午後、吉祥寺駅前で田母神候補が都知事選の演説を行なっていた。選挙演説ではよくあるように、話していることがとても極端で過激なのだが、大勢の人達が、時おり笑顔を見せながら耳を傾けていた。 「今、原発を止めたことで4兆円の燃料費がかかってい…

寒々しいアトリエから生まれる、豊かな芸術作品

一昨日、軽い食あたりで体調不良だったものの、田口ランディさん、前田英樹さんとともに、飯能に暮らす若く才能のある彫刻家 土屋仁応君のアトリエに行く。http://yoshimasa-tsuchiya.net/works.html 華やかで清楚で気品のある彫刻を生み出す土屋君は、多く…

逆向きの力を自分に呼び込んで活かす意識

年が明けて、ようやく風の旅人の復刊第3号を手にとって、じっくり見ることができる心境になった。自分で言うのもなんだが、やはり、復刊後に制作した3冊の中で、この号が一番完成度が高いと思う。復刊第1号と第2号は、写真や文章は素晴らしいと思うが、…

非常時における意外な展開の面白さ。

昨日、有楽町付近の大きな火事によって新幹線が止まってしまい、京都駅で足止めをくらってしまった。駅構内には人が溢れ、私が予約していた時間帯の列車の運行停止が次々と決まる。通常の時であれば、列車が動き始めれば、新たに席を予約して、それに乗って…