2017-01-01から1年間の記事一覧

第988回 生死を越えてつながる命の時間

昨年の林忠彦賞を受賞した船尾修さんが、15年以上前、アフリカのピグミーの人々と一緒に暮らしながら撮影した写真の写真展が、大分市のギャラリーおおみちで、2月28日まで開かれています。 風の旅人でも10年くらい前(たしか25号くらい)、シリーズ…

第987回 日本の誤算(後半)

(前半)から続く 一ヶ月前、青森県の六ヶ所村に行った。その時、経済産業省の国家公務員も、元東京電力で、現在は高レベル放射性廃棄物の最終処理場を決めるために作られた原子力発電環境整備機構の社員も一緒だった。六ヶ所村の住民、六ヶ所村の再処理工場…

第986回 日本の誤算(前半)

東芝を擁護する気持ちなんてまったくないけれど、現在起きている出来事が、あまりにも矮小化されて、高見の見物のように語られているように思う。東芝の経営陣の経営センスのなさ、傲慢さ、日本人の働き方の問題など・・・。 確かにその側面もあるかもしれな…

第985回 企業トップの内面は、トップが意識している以上に企業に顕現化する。

今回の東芝のように、企業の不祥事が起こると、この記事のように経営陣の体質という分析がよくなされる。 http://diamond.jp/articles/-/117281?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor 実際に、経営の舵取りをしている人間によって企業…

第984回  自分の利己主義に無自覚な現代日本人  

トランプ大統領が、難民受け入れを禁止する大統領令にサインしたことが大きく取り上げられ、それに対して日本人が、ひどいと言っている。しかし日本はもっとひどい。 このたびのトランプ大統領の行動に対して、フランスやドイツの首脳は明確に非難をしている…

第983回 ユーリー・ノルシュテインの世界は、静かな慈悲の泉

2月3日まで京都シネマで上映中の「アニメーションの神様、その美しき世界」。 http://www.imagica-bs.com/norshteyn/ ユーリー・ノルシュテイン監督の作品は、数年ごとに見てはいるものの、何度見ても、胸に突き刺さるものがある。今回は、デジタルリマス…

第982回  物づくりと、永遠に通じる道。

「草木は人間と同じく自然により創り出された生き物である。染料になる草木は自分の生命を人間のために捧げ、色彩となって人間を悪霊より守ってくれるのであるから、愛をもって取扱うのは勿論のこと、感謝と木霊(こだま)への祈りをもって、染の業に専心する…

第981回 「伝統文化」と、3.11以降の生き方をつなぐために

2017年1月28日(土)を第1回として、源氏物語と日本文化の秘めた力 定期公演・研究会を行います。 https://www.kazetabi.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/ この研究会は、同志社大学創造経済研究センター主催です。文学部ではなく、経済学…

第980回 使用済み核燃料のことから原発問題を考える③

②から続く 福島原発事故は、もしかしたら80年前の満州事変かもしれないと思うことがある。あの時に止めておくべきだったのだという歴史的節目は必ずある。 集団的自衛権など改憲問題も大事だけれど、悲劇は、人々が意識できるような形で起こらない。私たち…

第979回 使用済み核燃料のことから原発問題を考える②

①から続く 原子力規制委員会は1月18日の定例会合で、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)が新規制基準に適合したことを示す審査書を正式決定した。これで安全審査に合格した原発は全国で5原発10基となった。九電は年内の再稼働を目指している。この…

第978回 使用済み核燃料のことから、原発問題を考える①

(使用済み核燃料の再処理行程の模型) 2018年上期から使用済み核燃料の再処理が予定されている青森の六ヶ所村に行ってきた。 原発に賛成か反対かを議論する前に全ての人が考えなければいけないことがある。それは、これまで日本人が溜め込んできた放射…

第977回 競争から共創へ、利己から利他へ⑦ 日本の歴史や伝統!?

山頂に巨石が祀られている六甲の比売神社を訪れた。最近、神社を頻繁に訪れているが、神社の建物そのものより、その場所に長い年月を超えて存在し続けている大木や巨石に心惹かれる。 原生林の中の巨木も素晴らしいが、人間の傍で人間の営みの影響を受けなが…

第976回 競争から共創へ、利己から利他へ⑥ 籠の中の鳥は、いついつ出やる?

(元伊勢 皇大神社) かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀がすべった 後ろの正面だあれ? 今年は酉年。首相も都知事も、大空を飛ぶ鳥のように俯瞰の目で見ながら手を打っていくと、年頭の挨拶で述べていた。 しかし、実際には、鳥…