2019-01-01から1年間の記事一覧

第1047回 日本の古層 〜相反するものを調和させる歴史文化〜(4)

明石海峡 私は、兵庫県明石市で生まれ育った。家の近くの古墳周辺を探検したり、明石原人の発掘場所で地面をさぐってみたり、子供ながらに秘められた歴史には興味があった。 また、源氏物語の中で、明石が大事な舞台になっていることは知っていた。にもかか…

第1046回 広河隆一氏の性的暴行事件について(4)

広河隆一氏が、月刊雑誌に、今回のセクハラ事件に対して「手記」を書いて掲載している。 このタイミングで、手記を書く方も書く方だが、掲載する方の神経も理解できない。 手記を書くのは構わない。しかし、ふつう、手記というのは、事件がなんらかの結論に…

第1045回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化(3)

京都の南、宇治は、『源氏物語』の「宇治十帖」の舞台で、平安時代、貴族の別荘が営まれていた。宇治平等院の地は、9世紀末頃、光源氏のモデルともいわれる源融の別荘だったものが宇多天皇に渡り、その後、紫式部が仕えた藤原道長の別荘「宇治殿」となった後…

第1044回 日本の古層 〜相反するものを調和させる歴史文化〜(2)

古代からの聖地、ヤマトの三輪山の麓にある巨大な前方後円墳。箸墓古墳(古墳時代初期、3世紀末から4世紀初頭) 第125代天皇の譲位の日が近づいている。 地上の権力者が誰になろうが関係なく、古代から連綿と続いてきた天皇制という日本特有の権威システ…

第1043回 日本の古層〜相対するものを調和させる歴史文化〜(1)

梅宮大社 天気の良い暖かな日が続くので、桂川の東岸にある梅宮大社に梅を見に行く。この神社は、同じ松尾エリアの松尾大社ほど有名ではないが、立派な名神大社だ。 かつては桂川のすぐ近くまで広大な神域を誇り、川をはさんで西の松尾大社と並び立っていた…

第1042回 能面に伝わる人類のタマシイ

ニューヨークに活動の起点を置く写真家、井津建郎さんが京都に来て、数日間、一緒に過ごすことになった。 井津さんは、7、8年ほどかけて一つのテーマをじっくりと追っているが、現在のテーマは、日本の能面。彼が撮った能面の凄みのある写真を見せてもらい…

第1041回 病老死を遠ざけたいという、現代の屈折した病

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201902/0012086861.shtml 2019年2月22日の神戸新聞の記事によると、望ましい最期の場所を余命の短い患者らに提供する施設「看取(みと)りの家」が神戸市須磨区で計画されていることに対し、近隣住民らが反対運動…

第1040回 日本の古代史につながる身体感覚

ひさしぶりに、京都の家の近くにある温泉に入り、ぐっすりと眠り込んだ。 一昨日、和歌山の日前宮を訪れた時、和歌山市内に、関西最強と言われる花山温泉があった。関西最強とされるのは、その含有成分の多さで、温泉水に溶存物質が1000mg/kg以上含まれてい…

第1039回 広河隆一氏の性的暴行について(3)

昨日、広河隆一氏の性暴力について2度目の記事を書いたところ、それを読んだ女性から、メールでメッセージをいただきました。 彼女が書いていることは、このたびの事件における一つの大事な側面であると感じ、すぐに返事を書き送ったところ、それに対する返…

第1038回 広河隆一氏の性暴力について ⑵

年末に週間文春の記事が出て時に文章を書いたが、今日、彼に対するあらたな告発の記事が、文春に掲載された。 今日発売の週間文春において、広河隆一氏の、前回の記事よりもさらに悪質な性暴力の記事。前回の記事を読んで、それまで自分の中だけに抱え込んで…

第1037回 天と地と人間を貫く不可思議な力!?

昨日の夜、突然、若い友人が電話してきた。 彼は、世間では心の病気とされる症状があり、とても感度が高く、繊細なセンサーを持っていて、そのため、現代社会では非常に生きづらい状態で生きている。しかし、幸いなことに、彼は、自分の状況を客観視する眼差…

第1036年 とても残念な日本の精神的光景。

とても残念な日本の精神的光景。 桂川の河川敷には広大なグランドと、草原の広がりがある。正月休みということもあり、草原の上で凧揚げを楽しむ親子がいたり、キャッチボールをする父と子、また、正月休暇で、ミニサッカーの娯楽を楽しむ大人がいた。 それ…