2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
私が子供の頃もそうだが、日本の歴史教育は、本当につまらないものになっている。「鳴くよウグイス平安京」と、何年に何が起こったかと、権力者や優れた業績を残した人の名を覚えることが重要視され、教科書に載っていることを正確に覚えて書けるかどうかを…
近年、テレビメディアやSNSの影響からなのか、人々は、わかるかわからないか、共感できるかできないか、という単純な線を引きたがる傾向が強い。 しかし、わかることや簡単に共感できることというのは、自分の経験の中で処理できることにすぎず、重要なこと…
山添村 縄文時代早期の遺物が多く出土した大川遺跡の目の前の名張川。 最近、山の中に分け入って、激しく急流が流れるところを訪れることが多いのだが、そういう場所の近くに見晴らしの良い高台があり、そこに縄文人が住んでいたと知ると、縄文の人たちの世…
今回のコロナウイルス騒動で、強く感じた違和感。「命は何よりも大事」という時の”命”とは一体何を指しているのかということ。 生命尊重という言葉を使っていると、現代社会においては、まず誰からも非難されることはなく、腹の中で何を考えていようが、良心…
東京が日本の中心になって、日本の歴史が見えにくくなってしまったことは間違いないだろう。 しかし、400年前まで東京は辺境の地だったわけで、時代環境が変われば、辺境だった地域が中心になる可能性もある。 その場合、インフラの変化は大きな意味を持…
奈良県宇陀郡曽爾村、済浄坊の滝 神話に事実が厳密に書かれているわけではない。神話は、大切なものを次世代に伝えていくために創り出された物語だ。 神話は、その多くが口承によるものだったため、人間の記憶に頼らざるを得ず、人から人へと伝えていくうち…
山添村 神野山 鍋倉渓。真っ黒で重く硬い「角閃石斑れい岩」の巨岩が谷を埋め尽くす。 1995年から本格的に発掘が進められてきたトルコのギョペクリ・テペ遺跡が、放射性炭素年代測定によって12000年も前のものであることが証明された。 この地の神殿は、繊細…
曽爾村で出会った辰砂(硫化水銀) 私はこれまでの人生で、野生の狐が原野を飛び回っているのを見たことがない。 鹿とか猿なら、日本の聖域を探求中に色々なところで見ることがあるが、狐だけは見たことがなく、子供の頃からの記憶を辿っても思い浮かばない…
赤目四十八滝 【布曳滝】 修験道の祖とされるのは、役小角(634年-701年)であり、空海(774-835)より100年ほど前の時代を生きたとされる。役小角は、聖徳太子や蘇我氏の時代から大化の改新や白村江の戦いなどを経て天智天皇の時代となり、壬申の乱に勝利し…
室生龍穴神社 奥宮 古代中国で、牛は神聖な生物だった。牛に対する崇拝は、「物」という漢字にも現れている。物とは万物のこと。万物は牛から始まった。ゆえに牛が偏となっている。 また、古代において、祭祀の時に不可欠だったのが牛で、牛は生贄だった。犠…