自然

第946回 散るからこそ知る有り難み

昨日の春の嵐で、桜はかなり散ってしまったけれど、緑は、一段と濃くなった。これからが春の本番。心の辛さは残り続けているけれど、だからこそ、あの頃の何でもないような日々が、とても幸福な日々だったということがよくわかる。 辛さを経験しなければ、気…

 第939回 生命は、瘤だらけ。

日々、当たり前のように生きているけれど、生きて存在していること自体が、いったいどういうことなんだろうと不思議でならない。生命のこの精巧さ、強靱さ、脆弱さ。生命がこのように存在させられているのは、一体どういう理由があるのだろうか。 ダーウィン…

第910回 大神島から見る日本

宮古島から大神島へと旅をしてきた。 話には聞いていたが、宮古島周辺の浜辺や海の美しさは感動的だった。小笠原は行ったことがないが、これまで訪れた日本の島々の中で最も美しかった。タヒチのボラボラ島やバリ島、ニューカレドニアやバヌアツやコモド島や…

第904回 不易流行(続き)

「何事のおわしますをば知らねども かたじけなさに涙こぼるる」(西行) 伊勢神宮は変化を拒んでいない。持統天皇4年(690年)より1300年もの長きにわたり、20年ごとに建て替えられて、その姿を一新する。 伊勢神宮を造る木に防腐剤など使用してい…

第903回 不易流行

「不易流行」に関する講演会があると誘われ、次号の風の旅人のテーマ「時の文(あや)」とも関連があると思い参加したが、特に新たな視点が得られたわけではなかった。しかし、この種の講演会や対談で新たな視点を得られることは稀であり、そうでなくても話…

第901回 自然と美意識〜自然から学び、人間力を磨く

第4回 風天塾開催「自然と美意識〜自然から学び、人間力を磨く」日時: 2015年4月24日(金) 開始:午後7時〜 開場は午後6時30分〜場所: IMPACT HUB KYOTO(虚白院)→ 〒602-0898 京都市上京区相国寺門前町682 電話:075-417-0115 語り手:今森…

第896回 ポーズ(佇まい)とトーンから本質を推し量る力

切り絵は、自然の中を散策することとよく似ています。目の前に現れる感動を、つねに求めている自分がいるからです。ー今森光彦 現在販売中の風の旅人 復刊第5号(第49号) いのちの文(あや)で里山の写真を特集している今森光彦さんが、写真ではなく切り…

第895回 自然に還るのではなく、自然から学び、人間力を磨く。

風の旅人の復刊第5号、鬼海弘雄さんのページの印刷がうまくいかず、刷り直しになってしまったけれど、カラーページを含め、他のページはきれいに仕上がっている。 グラビア雑誌というのは、写真の印刷が命だから最後の印刷が山場だ。ここでうまくいかないと…

第894回 自然の間合い

庭に植えたコブシの花が咲いた。頼りない枝振りだったので咲かないと思っていた。三日くらい前に、蕾が少し膨らんでいたので、もしかしたらと少し期待してはいたけれど、昨日と今日、急に暖かくなって一挙に花が開いていたので驚いた。花を咲かせるタイミン…

いのちの文(あや)

京都にいると、目に見えない交差点の中に自分がいるだという気がしてくる。色々なシンクロが起こり、自分の無意識の中にあったものが、一挙に具体的な形となって表出する。 昨日、ここ数ヶ月ほど考えていたことをまとめて、風の旅人の次号(第49号)の企画…

森永純さんの写真の命

写真集「WAVE〜All things change」より 森永純さんの写真集「WAVE〜All things change」が出来上がり、ようやく納品することができた。 3年か4年前の初夏だったと思うけれど、森永さんの「ドブ河」の写真に衝撃を受けていた田口ランディさんが、森永さん…

ニヒリズムと生命力

第3回 風天塾を開催します。テーマ:ニヒリズムと生命力10月19日(日) 午後1時半開場 2時開演場所: IMPACT HUB KYOTO(虚白院) 〒602-0898 京都市上京区相国寺門前町682 電話:075-417-0115★佐伯啓思(社会経済学)×村瀬雅俊(生命基礎理論)×佐伯…

即興とは何か? 原始感覚とは何か?

今年も、長野県の信濃大町郊外の木崎湖で行なわれた原始感覚美術祭に参加してきた。 この美術祭の特長は、美術制作者達が、この湖の畔に寝泊まりしながら、この地の空気を吸い、水を飲み、この地で食べ、眠り、星空を眺め、集い、語らい、そうして自分の中に…

今、学ぶべきことは何か?

8月30日(土)、京都で第二回の風天塾を開催する。http://www.kazetabi.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/テーマは、学びとは何か? 〜カオスと科学、芸術〜 学びとは何か?というお題になっているが、自分の本音としては、「今、学ぶべきことは…

第2回 風天塾開催 学びとは何か?〜カオスと科学、芸術〜

日時: 2014年8月30日(土) 開場:午後5時〜 開演:午後5時30分〜午後8時30分*今回は、第1回に比べて、後ろの時間に余裕がありますので、懇親会形式で、延長線を行なう予定です。場所: IMPACT HUB KYOTO(虚白院) 〒602-0898 京都市上京区…

進化とは何か!??

高野山で陶芸活動を続ける友人から、高野山で志村ふくみさんの草木染めの実習と講演があると聞いて出かけた。 草木染めの実習では、高野まき、樅、杉、うわみず桜、キハダなど高野山に生育する植物が使われて、美しい色が生み出されていたが、同じ植物を京都…

進化とは何か!??

この一週間ほどの間に、とても大事な気づきが二つほどあった。 一つ目は、7月20日に建仁寺の両足院で行なった第1回の風天塾。そして、もう一つは、7月23日に高野山で行なわれた志村ふくみさんの草木染めの実習と講演(というより、若い人も交えての対…

安定性とは何か!?

福島から京北に移住して有機農法に取り組んでいる塩澤靖浩さんに色々教わっています。 先週末、京都郊外の京北で畑仕事に行って、とても印象深いことがあった。 ズッキーニの苗を植えていたのだが、数日前に降った雹(ひょう)によって、かなり打撃を受けた…

生命力について考える

「京都21世紀教育想像フォーラム 日本の未来と人づくり」と題し、グローバル時代に対応する為にどのように生きるかを考えるシンポジウムの内容が、今朝の京都新聞で大きくページを割かれて伝えられていた。京都に限らず、随分と前から日本のあちこちで、こ…

狐につままれたような、懐かしく豊かな話。

石牟礼さんのインタビューのテープを書き起しながら、思いもかけず、話がきちんと成立しているので、少し驚いている。石牟礼さんは、高齢のうえ、重度のパーキンソン病で、身体をしっかり保つことも、言葉を発することも、非常な困難を抱えておられる。それ…

生でもあり死でもあり

風の旅人47号→http://www.kazetabi.jp/ で屋久島の夜の写真を紹介する山下大明さんが、吉祥寺のオフィスに来て、校正を行なった。その時、この写真のように、なぜ、光キノコを写真に撮ると緑色になるのだろうという話になった。屋久島の光キノコは、自らを他…

なぜ今、志村ふくみさんなのか。

昨日、京都の志村ふくみさんの工房で、志村さんと、時間を忘れて、三時間にわたって、熱く熱く話をした。まさに自分にとって奇跡の時間。だって、次号の風の旅人のテーマを、「妣(はは)なる国へ」と決めた時から、インタビューは、石牟礼道子さんか志村さん…

桜の実

我が家の桜は、山桜で、葉と花がほぼ同時に出る。たぶん、染井吉野よりも、花の寿命が短く、あっという間に大量の花びらを降らせる。そしてすぐに、桜しべを降らせる。そして、今年は、三本の木に大量に実がなってしまった。 昨年も一昨年も実がならなかった…

うちくい展

布とか糸には、不思議な魅力があります。 動物のように厚い毛皮のない人間は、布を纏って生活してきました。 布は、昔から人間の身体に一番近いところに存在してきたので、当然ながら、デザインとか風合いとか、人間の身体や心と通い合うものがあると思いま…

自然との付き合い

006さん。こんにちは。 コメントに対するお返事、長くなりますので、こちらに書かせていただきます。 桜は、アメリカシロヒトリなどがつくと、あっという間に葉が食べ尽くされてしまいます。うちの家のすぐ近くに、そういう桜があって、もうその桜は、花…

桜との付き合い

今年の桜は、あっという間に咲いて、あっという間に散ってしまった。 花粉症の期間が、2ヶ月も続き、一年でもっとも気分良く過ごせる筈の時期を憂鬱なものにするのに対し、桜の花の季節の短いこと・・・。 一昨日、「風の旅人」の制作関係者などを招いて、…

植物という未知の扉(修正)

今日、岩槻邦男先生とお会いした。 人間は、真、善、美の概念がある。しかし、動物にはそういう概念はないだろう。 人間は植物を見て美しいと思う。しかし、動物は、まずそう思っていないだろう。 人間は、実利を超えた活動を行うことが出来て、そこに人間な…

文と理の融合

「風の旅人」4月号の茂木健一郎さんの原稿が届いた。小説のような濃密な書き出しから、科学の最先端を走る茂木さんならではの考察が展開され、それが現状分析に終わらず、祈るような思いから未来への展望へとつなげていく。茂木さんはタイトルとしては脳科…

白川静様

白川静様拝啓 「風の旅人」Vol.13 生命系〜30億年の時空〜 の為にご執筆いただいた「自然という語」、早速拝読させていただきました。 自然とは文字の通り“おのづから然るもの”。 視れども見えず、聴けども聞こえない、微妙なる消息。その消息は、う…

神は細部に宿る

中村征夫さんの東京湾と同じく、来年の4月号の「生命系 30億年の時空」の特集で、水越武さんのバイカル湖の写真を紹介する。 その写真をだいたい組み上げることができた。水越さんの写真は、創刊号と第六号で紹介したが、いつもじっくりと見るだけで魂に…