白川静さんはすごい

 白川静先生が、文化勲章を受章した。といっても、遅すぎるといった感が強い。
受章が遅くなった理由は、白川さんが立命館大学出身だという意見もあるが、実際は、白川さんの上に立って白川さんの業績を評価できる人間など、この世にいないためだろう。
 小説家の保坂和志さんは、「人類の歴史上、同じ時代に生きたかった人は、プラトンとカントとハイデガー白川静さんで、その白川さんとはまさに同時代を生きており、しかも、『風の旅人』という同じ雑誌誌面に執筆しているのだから、それはとてもすごいことなのだ」と言っていた。 
 
 今年の1月にいったん終了した白川静さんの講演会「文字講話」が、10月より再開された。第二回目は、2005年1月9日。(詳しくは、文字文化研究所 Tel: 075-252-6424まで。)

文字文化研究所

 今年の1月までは、私の記憶によると、2時間の講演と、その後の40分ほどの質疑応答のあいだ、一滴の水も飲まず、喋りっぱなしだった。話は明瞭で、とどこおることなく、何十枚も大きな紙に古代文字を書きながら。しかも、その間、立ちっぱなしで。
 再開された10月の講演会では、体長不良ということで、質疑応答がなかった。水も少し飲んでいた。でもやはり、立ちっぱなし、喋りっぱなし、大きな紙に古代文字を何枚も書き連ねていた。誰がどう見ても、まもなく95歳になる人とは思えない。会場には、いつも500人から600人の聴衆がいるが、講演の内容そのものより、白川さんの生気=霊気を身体いっぱいに浴びるという感じ。
 1月の講演会の時は、毎年恒例の懇親会があって、300名くらいが参加した。懇親会といっても、白川さんは、質疑応答を含めて、3時間近く立ちっぱなしで喋った後のこと。
それで、300人が10人一組くらいになって、白川さんの記念写真を撮った。きっちりとした集合写真だからプロの写真家が、立ち位置を指示しながら、3回ずつ大きなストロボをたく。合計、30回の大がかりな撮影。しかも、プロの写真家の撮影が終わった後、それぞれが手にしたデジカメなどで、白川さんとのツーショットをせがむ。それをすべて、白川さんは、ニコニコとした顔で応えている。2時間の懇親会の1時間半は、そうした撮影会で費やされて、白川さんは食事もできない。無事に撮影会が終わって、席に戻った白川さんは、残り30分で、バクバクと食事をしていた。
 白川さんという人は本当に凄いなあと、あらためて感じたのでした。
 白川さんの凄いところは、いろいろな人が書いていますね。

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