セバスチャン・サルガド

 現在、書店で「風の旅人」13号が発売されています。この13号では、世界でもっとも注目されている写真家、セバスチャン・サルガドの新作「GENESIS」を日本で初めて発表します。また、作品の何点かは、欧米の雑誌で少しだけ紹介されていますが、巻頭の20ページにわたって大規模に発表されるのは、世界もはじめてのことになります。
 セバスチャン・サルガドは、今まで人間を被写体としてきましたが、新作では、初めて生物と自然を撮影しています。ガラパゴス諸島のイグアナとか、コンゴ共和国のマウンテンゴリラなどです。
 4月10日付けの毎日新聞で、作家の梨木香歩さんが「風の旅人」を紹介してくださり、今回のサルガドの作品と文章について少し言及しています。
 少し恥ずかしいですが、ここに全文を掲載させていただきます。

『風の旅人』(ユーラシア旅行社)の創刊号を見たときの衝撃は忘れられない。どんな雑誌も、創刊号にはとても力を入れるので、大体その一冊で作り手の側の志向性やテイストがほぼ分かるものだが、少し遊びというか、力を抜いた部分も必ず残してあるように思う。自信と余裕を演出、かつ読み手に圧迫感を持たせないためだろう。けれど、この雑誌の創刊号ときたら、もう明日地球が滅んだって悔いはないというぐらいの真っ向からの全力投入、全編に漲る緊張感とストイシズムには、他に類を見ない求心力があった(この雑誌はグラフィックマガジンということになっている。が、そう一言で言い切れるほど単純な雑誌ではない)。
 その雑誌も一三号、セバスチャン・サルガドの名前が目を引く。その写真の被写体に今回人間は写らない。ガラパゴス諸島を中心とする多様な生物種が独特の存在感を帯びて写し出される。彼の寄稿した文章、「『GENESIS』プロジェクトについて」から。
「確実に言えることは、我々が、地球上における命の本質とのつながりを失いつつあることです」。彼は警鐘を鳴らしてはいるが、決して打ちひしがれているわけではない。
「我々の種を地球と結びつける試みとして、私はいま、自然と人類の未だ汚れや傷のない様相を記録するため、この世界を探検するつもりです。」
 深刻な現実を見据えつつも、気負いのない行動の起こし方が何ともいい。
 そして本質を見失わず柔軟に時代を生き抜いて行くこの雑誌の在り方もまた。(梨木香歩)ー毎日新聞4/10よりー

 その13号の発売にあたり、下記のブックストアでサルガドフェアを[4/1〜4/30]開催します。

三省堂神田本店
池袋ジュンク堂書店
青山ブックセンター本店
青山ブックセンター六本木店[4/1〜4/14]
TSUTAYA六本木店[4/1〜4/17]
 このフェアでは、「風の旅人」13号、以前サルガドの写真を掲載した「風の旅人」9号、そして彼の写真集を一緒に置いてあります。

 また、それとは別に、「風の旅人」バックナンバーフェア(1号〜13号)を開催します。
紀伊國屋新宿本店[4/1〜4/30]
紀伊國屋南口店 で開催します。[4/1〜4/30]
紀伊國屋の南口店(高島屋タイムズスクエア6階)の「風の旅人」バックナンバーフェアにおいて、恥ずかしながら、編集長が選ぶ100冊という切り口で、私が選ばせていただいた本も紹介されています。

 話しは変わりますが、 今、「風の旅人」の地方における認知拡大プロジェクトを行っています。関東圏での認知は高まってきましたが、地方ではまだまだです。そのため、関東地方以外に住んでおられる「風の旅人」の読者に、「風の旅人」のバックナンバーの1種類を30冊ほど無料進呈して、それを、感度が高い方?が集まりそうな場所に見本誌として置いていただきたいのです。
 一般の雑誌は、書店に流通させた後、売れ残ったものは断裁処分してしまいますが、「風の旅人」はもったいないので取り置いています。でも、バックナンバーフェアで動く数はしれています。また、関東以外の地方でバックナンバーフェアをやっていただくのは、雑誌と会社の知名度のこともあり、なかなか難しいです。
 「風の旅人」の新刊本に関しては、地方の書店でも置いていますので、バックナンバーの一冊をカフェとかバーとか美容院で認知していただければ、それに関心を持った方が、書店で新刊本を買ったり、バックナンバーを常設しているお店で、気に入ったものを買っていただけるかもしれません。なかなかそう簡単に事が運ぶとは思えませんが、新聞などで広告を打っても、「風の旅人」の内容はうまく伝わりませんので、なんとか別の方法で、認知拡大をはかっていきたいと思います。ぜひとも、ご協力のほど、お願い致します。

 もし、上記の趣旨をご理解いただける方は、
shuppan@eurasia.co.jpに、 お名前、ご住所、電話番号と、まだお持ちでない号を記して、メールをお送りいただけますでしょうか。お持ちでない号から一つを選んで、お送りします。
その際、ひやかしとか悪ふざけを防ぐため、既にお持ちの「風の旅人」の号に掲載されている河合雅雄さんの文章が何ページであるか、2つ以上記していただきますよう、お願い致します。