夏の自然教育園

 

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 コメント欄の文字数とかに問題もあったし。

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 今日、息子と白金台の自然教育園に行く。東京のアスファルトの上は、たぶん摂氏40度くらいになっていたと思うが、白金の森の中は陰になっていて、吹き抜ける風も涼しく気持がよかった。ひぐらしアブラゼミとつくつくほうしとミンミンゼミの合唱が混ざり合い、けたたましいほどだったが、その分、普段は気になる首都高速の車の音が気にならなかった。

 息子は団子虫を一生懸命拾っていた。団子虫は、森の掃除屋で、落ちた葉など有機物だけでなく、硬い甲羅を維持するために石やコンクリートを摂取してカルシウムを補うのだそうだ。

 池には、石亀、草亀、アカミミガメがたくさんいた。アカミミガメは、緑亀が成長したもので、もともとこの地に生息していないが、夜店などで買った緑亀が大きくなって家で飼えなくなり、ここに捨てたられたか、逃げ出してきたのだろう。

 アカミミガメは獰猛で、日本古来の亀を駆逐するような勢いで増えていて、白金の森の生態系も壊しかねないと言う。確かに、子供が顔を近づけると、大きな口を開けて威嚇してくる。日本に多く輸入されている緑亀は、アメリカのミシシッピ産らしい。

 アメリカザリガニも、ブラックバスもそうだけど、どうしてアメリカ産の生物が日本に入ってくると、獰猛なまでの力を発揮して、日本の生態系を乱すのだろう。

 アメリカの風土と、生物の生き方に相関関係があるのだろうか。

 ただ、見る限りにおいては、アカミミガメも石亀も草亀も、池のなかでのんびり泳いでいて、とても平和そうに見える。また、アカミミガメの甲羅は模様がはっきりとしていて、とても装飾的な美しさがある。日本古来の石亀のデザインは、まさに侘び寂という感じだ。文化は、その土地で見られる風景や生物の種類や生態などと、根深いところで関係し合っているのだろう。

 種全体では相手に激しいダメージを与えながら、個々のレベルでは、はっきりとそう見えないところが、難しいところなのだ。子供も、アカミミガメの威嚇的な反応をとても興味深く眺めて、楽しそうだった。ブラックバスだって、警戒心がまるでなく、獰猛にルアーに噛みついてくるから、釣り好きにとっては、面白い相手なのだ。

 それにしても、イワナやヤマメにしろ、石亀にしろ、日本産は、どうしてあのように奥ゆかしくて用心深いのだろう。日本産は、奥ゆかしい用心深さのなかに生きる知恵が宿り、それが長い間に洗練されて美の境地まで昇華しているのではないだろうか。