宇宙に対する認識が、劇的に変わる!?

 欧州宇宙機関が、無人探査機「ロゼッタ」がとらえた小惑星2867「シュテインス」の姿を公開している。
 灰色がかった逆四角錐形で、表面には大きな2つのクレーターや小さな7つのクレーターの連なりが見える。
→  http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2514670/3297935

 「7つのクレーターの連なり」と、情報が右から左へと伝えられ、それを聞く者は、何の疑問もなく、「わかったつもり」になって情報処理をする。
 しかし、この小惑星の直径は、わずか5キロ・メートル弱しかない。約800キロ・メートルまで接近して撮影した今回の画像では、直径約2キロ・メートルのクレーターも見られる。
 従来の説では、クレーターは隕石の衝突でできたことになっている。それ以前、火山の噴火によるものであるという説もあったが、溶岩などの噴出物が見当たらないため、現在では、隕石衝突説が主流になっている。しかし、こんなに小さな小惑星に一つでも隕石がぶつかれば軌道がズレてしまう筈だが、隕石衝突によって、いかにして直線上に7つのクレーターが並ぶことが可能になるのだろう。
 この直線上に並ぶクレーターは、最近の月面探査機「かぐや」のハイビジョンカメラでも、数多く鮮明に写しだされている。
 テレビなどでは、月の地平線の向こうに青い地球が浮かんでいる光景ばかり繰り返して放映され、「この青く豊かな地球環境を守らなければならない」などと、古くさい台詞が添えられていた。青い地球の認識は、1961年に、人類で初めて宇宙飛行に成功したガガーリンが「地球は青かった」という言葉を残しており、今さらという気がする。
 現在のハイビジョンカメラで新たに認識できることは、地球の青さではなく、月面上の不可思議なクレーターの有様なのだ。
 そのことについては、「風の旅人」の第33号(8/1発行)で詳しく紹介している。
 「風の旅人」では、第31号(4/1発行)から、電気の宇宙論を、最新の写真画像を数多く掲載しながら連載しているが、近年になって太陽系内の観測技術が急速に進み、従来の説では説明できない現象を数多く確認することができる。
 最近の宇宙科学を紹介する雑誌や本は、「論理」が中心であり、その「論理」に説得力を持たせるため、イラストが多用されている。
 「論理」は、頭で考え、計算して作り出され、イラストは、その論理を都合良くビジュアル化したものにすぎない。
 「論理」や「説明イラスト」よりも、まず、実際に写真に写っているものを冷静に見ることから始めるべきだろう。
 彗星にしても、写真で見る限り、彗星分野の権威的科学者が主張する「氷が溶けて帯になっている」ようには見えなかった。
 月の底面が真っ平らクレーターも、隕石の衝突した穴には見えなかった。
 現在、太陽系内をたくさんの観測衛星が飛び交い、太陽やその他の惑星、衛星に接近し、精密な画像をとらえている。これからも、今までの説では説明しきれない不可思議な現象を数多く見ることができるだろう。その時、権威的科学者の説明していることを、そのまま鵜呑みにしない方が、よほど良いのではないか。

 現在の権威的科学者は、蛸壺状態のようにテリトリー意識が強く、異なる分野との連携がとても苦手だが、もはや限られた分野のなかの思考だけで、物事の本質が掴めるような時代ではないと思う。

 宇宙に対する認識はこれから劇的に変わっていくことは間違いなく、宇宙論は、これまでのように宇宙物理学者および天文学者素粒子物理学者の頭のなかだけで考えることではなく、電気やプラズマをはじめ、宇宙に存在する他の働きの専門家たちの智慧も当然ながら必要になってくるだろう。