第1114回  美意識と人生の選択。

 

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京都郊外、日本一の高さを誇る花脊の三本杉。現存する樹木としては国内最高となる62.3メートル(右端の杉)、残りの二本も、国内第2位と5位。

 

古樹と巨岩と水の流れ。悠久の時間を感じさせるものと、絶えず流転していくもの。古代から日本人の心に受け継がれてきた自然観は人生観につながっている。そして、日本人の美意識も、この自然によって育まれてきた。
 静と動に濁りがないこと。それを日本人は美と感じてきた。日本の自然環境が、そうした美意識を育んできた。
 何を美しいと感じるか?
 人生の進路、人との関係、選挙の投票など、様々な重要な場面で、美のセンサーが重要な鍵を握る。
 そして、美のセンサーを磨くものと、劣化させるものがある。
 美のセンサーを磨くものは、己を謙虚にし、劣化させるものは、虚栄を美と錯覚させる。

 

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名張川龍王の滝。

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古墳で、有名な飛鳥の石舞台古墳のように石室がむき出しになっている。石舞台古墳蘇我馬子の古墳とされ、たくさんの観光客が訪れるが、太秦の蛇塚古墳の石室は全長17.8メートルで、石舞台古墳に匹敵する規模なのだ。そして玄室の底面積の大きささは日本の古墳で四番目の大きさ。そして、石舞台古墳で使われている石材は、わりとどこにでもある花崗岩だが、太秦の蛇塚古墳の石材は、チャートである。

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愛宕山麓、空也の滝。

 

 

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