第1523回 あはれが身に染みる秋


 夜行性の虫たちは、LEDライトには集まってこないらしい。

 虫たちの目には紫外線が見えていて、紫外線を目印に飛んでいるらしいが、LEDライトは、紫外線を発していないので、虫たちにとっては無に等しい。
 また、毎年、決まった時期に決まった場所に飛んでいく渡り鳥の目には、磁力線が見えるらしい。
 磁力線にそって飛びながら、特徴のある磁場を発しているところに飛来する。磁鉄鉱など鉱物資源のあるところは、その土地の磁場に影響を与えている。白鳥伝説と鉄資源の関係は、そこからきている。
 人間の目には、紫外線も磁力線も見えないけれど、目に見えないものを想像力で補うことで、何とか生きながらえてきた。
 闇を恐れる人間は、夜でも明るい街を作り出したが、その分、見えないものに対する想像力が、減退している可能性が高い。
 生命としての人間は、その分、頼りない存在になっているような気がする。
 寿命は長くなっているので、自らの存在の頼りなさを思い知らされて生きる時間が、とても長くなっている。
 ひときわ、あはれが身に染みる秋の暮れ。_________
 新刊の「かんながらの道」は、書店での販売は行わず、オンラインだけでの販売となります。
 詳細およびお申し込みは、ホームページから、ご確認ください。よろしく、お願い申し上げます。https://www.kazetabi.jp/
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 また、新刊の内容に合わせて、京都と東京でワークショップを行います。
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<東京>日時:2024年12月14日(土)、12月15日(日) 午後12時半〜午後6時  
場所:かぜたび舎(東京) 東京都日野市高幡不動(最寄駅:京王線 高幡不動駅
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<京都>日時:2024年1月12日(日)、1月13日(月) 午後12時半〜午後6時
場所:かぜたび舎(京都) 京都市西京区嵐山森ノ前町(最寄駅:阪急 松尾大社駅