2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

第1144回 邪馬台国とは何か? 日の本、阿蘇山と富士山をつなぐもの。

女王卑弥呼の邪馬台国がどこにあったかというのは、いつになっても多くの人の関心を集める。 邪馬台国があったのは近畿か九州かという議論は、長く続いてきた。 初期ヤマト王権が宮を築いた奈良盆地の纒向にある箸墓古墳は、今でも卑弥呼の古墳だと思ってい…

第1143回 古代は未来への架け橋となりうる。

丹後の竹野の海岸に立つ穴穂部間人と聖徳太子の母子像。 現代社会で他者との競争に明け暮れて生きる私たちは、私たちの意識というものは、自分の言動を管理している自己意識が全てだと思いがちだ。 そして、社会での色々な不安や悩み、他人と比較した優越感…

第1142回 鬼とは何か? という本質的な問い。かぐや姫の背後にあるもの(後半)

中宮寺 木造菩薩半跏像 (中宮寺ホームページより) かぐや姫は、高畑勲監督のジブリ映画で大ヒットして、その映画のサブタイトルが、「姫の犯した罪と罰」だったため、かぐや姫の罪と罰は何ぞやと、この映画を見た人たちで議論になったようだ。 映画の中で…

第1141回 鬼とは何か? という本質的な問い(5) かぐや姫の背景にあるもの(前半)

前回の記事で、第11代垂仁天皇の時に、甚凶醜(いとみにくき)という理由で後宮を出され、その途中、堕国で自殺した竹野媛のことを書いたが、多くの人はマニアックな話だと思うだろう。しかし、この話は、誰もが知っている「かぐや姫」ともつながっている…

第1140回 鬼とは何か?という本質的な問い(4) 桓武天皇と継体天皇と明治維新の不可思議な縁の裏側

鴨川と桂川の合流点。左が桂川、右が鴨川。背後に見える山は、左が比叡山、中央が東山、右が、上醍醐。 歴史はつながっているという当たり前のことを、現代社会において、あまり意識されることはないが、過去においては、歴史のつながりを無視できない時期が…

第1139回 鬼とは何か? という本質的な問い(3)  古代の復活と、6世紀。

6世紀、古墳の規模は小さくなったが、石室は大きくなった。そして、縦穴式から横穴式に変わった。単に、古墳の様式が変わったというのではなく、世界観が変わっている。この6世紀に起きた世界観の変容は、日本文化の本質を考えるうえで、きわめて重要では…

第1138回 鬼とは何か? という本質的な問い(2) 京の都の背後にあるもの

識られざる神霊の支配する世界に入るためには、最も強力な呪的力能によって、身を守ることが必要であった。そのためには、虜囚の首を携えて行くのである。道とは、その俘馘(ふかく)の呪能によって導かれ、うち開かれるところの血路である。 (白川静 道字…

第1137回  鬼とは何か? という本質的な問い(1)

意識的に鬼を追っていたわけでなく、無意識に訪れる場所が、たまたま鬼の聖域であったということが多く、まさにそれは鬼に導かれているかのようだった。 そして、かなり鬼の核心に迫ってきたように思う。 西加茂大将軍神社の立砂 今日、平安京の大極殿の真北…