2010-01-01から1年間の記事一覧

子供の個性、現代アートの自家中毒

私は、個人的に、小3の息子が作った「漁船」が好きで、毎日、アート作品のように鑑賞している。のこぎりやトンカチを使って黙々と作ったもの。 子供の作ったものは、下手なアートよりも、見ていて飽きない。 なんか独特。ウチの子に限らず、子供の動きとい…

不思議な子供心

佐伯研志郎作 昨日、突然知らせがあったのだけど、小学校三年生の息子の絵が、世界児童絵画展で、各学校の先生が選んで応募された作品10万点からの選考されて、文部科学大臣賞をとったそうな。 内閣総理大臣賞1名、文部科学大臣賞5名らしい。日本だけで…

映像の文法と文体について

一昨日、荻窪のカフェギャラリー六次元で、映画監督の小栗康平さんがトークをすることになったので、見に行った。六次元のトークは観客も一体化したものなので、私も色々話しをさせていただいた。 このトークのなかで、とりわけ映像教育のことに関して、小栗…

絶望しない生き方

今朝、永田町駅にスーツ姿の若者が数多くいて、その中に一人、バングラデシュかどこか彫の深い顔立ちのアジア系の若者が混ざっていた。 日本の大学卒業者の就職率が低下し、今回、補正予算案として政府は、新卒者の就職支援などの雇用対策や介護や医療といっ…

「アタマでっかち」と、時間が止まった社会

「頭でっかち」が、時間を止めてしまっている。そう感じることが、たびたびある。社会も、会社もそう。 例えば、新しいことを始めようとして現状分析をすることは、現代では当たり前の行為になっている。世の中で何が流行っているか、他の会社がどんなことを…

抽象性と普遍性

コウ様 勇気づけられるコメント、有難うございます。ココロザシとかスタンスという立派なものではありません。現在、何でもありの様相を呈している世の中で、自分自身が何のために手を動かしたりアタマを使ったりするのか、と考える時、”何でもあり”にバタバ…

THE WORLD ITSELF

「風の旅人」第41号、「WORLD ITSELF〜永劫への旅」が、10月2日頃から書店店頭に並びます。今回の特集は、写真家においては、東松照明さん、川田喜久治さん、水越武さん、野町和嘉さんらの巨匠に並び立つように、若い世代を代表する岡原功祐さん、エリッ…

パパタラフマラの舞台と身体と、現代社会

昨夜、パパ・タラフマラ新作公演「スウィフトスウィーツ」を、調布のせんがわ劇場で見た。→http://www.pappa-tara.com よくもまあ、このように隅々まで混沌としていて、隅々まで丁寧に配慮した世界を作り上げるものだと、本当に感心する。まさに、完璧なるナ…

細江英公さんとの対談の前に、細江さんの写真について。

9月23日、銀座のリコーフォトギャラリーで、細江英公さんと対談を行う。http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/workshop/index.html 同時に、ギャラリーでは細江さんの新作が展示されている。テーマは、細江さんが、この数年撮影したロダンの彫刻作品で、風…

出版業界とか文学業界とか・・・

今朝、電車の中吊り広告に、「歌手と二足のわらじを履く美人芥川賞作家誕生!」(川上未映子の文庫本用の宣伝。でも彼女が芥川賞をとったのはだいぶ前の筈)とキャッチコピーがあった。歌手も美人も文学には関係ないことだと思うが、売るためには、なりふり…

風の旅人 バックナンバーフェア開催

渋谷の東急文化村の7階に新しくジュンク堂&丸善という巨大な書店ができました。http://www.junkudo.co.jp/tenpo/shop-MJshibuya.html そのエスカレーターをあがってすぐの目立つ場所で、「風の旅人」のフェアが行われています。編集長である佐伯と、編集者…

芥川賞作品『乙女の密告』への違和感と懸念

アンネ・フランクと現代社会を交錯させる小説、「乙女の密告」。これが芥川賞を受賞した。一言で言うなら「味気ない」ものだった。だから、二度読もうという気にはならない。しかし、この作品が芥川賞を受賞するところに、現在の日本のインテリが陥っている…

昭和藝能東西

本橋成一さんの新写真集「昭和藝能東西」(発行/オフィスエム)を見る。民衆のなかに伝えられてきた神楽をはじめ、大衆演劇、紙芝居、チンドン屋、小人プロレス+女子プロレス、キャバレー等など、昭和の頃まで日本各地で大切にされていた藝能を一冊の写真…

人生も、既製品からパターンメードの時代へ

東京ビッグサイトのデジタルブックフェアで、一般向けの新しい書籍端末が見られるのかと期待していたが、アンドロイドを搭載した企業向けのタブロイド型端末を見ただけだった。その端末は、企業のニーズに合わせて、仕様を変えるのだという。 アンドロイドOS…

メディア、表現など・・・(後編)

ユーラシア旅行社の元社員が、8年ほど前に退職して独立して、イラスト+文章の作家になった。そして、手紙と、本を送ってくれた。「とまこ」という名で頑張っている。http://www.tomako.tv/その第一冊目を世の中に出す際、50社以上の出版社にアプローチし…

メディア、表現等、価値決定の仕組みの転換について

スマートフォンで本を読むのは難しいと思っていたが、試しに青空文庫をダウンロードしてみると意外と読めることがわかった。むしろ、こちらの方が読みやすいものもある。例えば、先日、寺田寅彦の文庫を買って読みはじめたのだが、老眼が始まった目には活字…

電子書籍化に向けて

アップルのipadが社会的に注目を浴び、それに対抗するGoogleのOSを積んだタブロイド型の端末が中国で1万円ほどの価格で売り出された。秋には、Googleをはじめ、電子書籍のプラットフォームをめぐる攻防が、いっそう激しくなると言われて…

不器用の器用

先週末、大きなカルチャーショックを受けた。写真家の志鎌猛という人がいる。写真を初めてまだ8年ほどだが、森の写真を大型カメラで撮ってプラチナプリント等で発表している。日本ではあまり注目されていないが、海外のギャラリーで個展をすると、ギャラリ…

FIND THE ROOT

池袋のジュンク堂で、「風の旅人」(創刊号〜40号まで)のフェアが開催されています。 実際に足を運んでみて、自分でもびっくりしました。こんなに広大なスペースを、風の旅人一色にしていただけるなんて!。ジュンク堂様、ありがとうございます! それに…

本屋という空間が、新たな認識の起点になる。

6月11日(金)〜7月10日(土)まで、一ヶ月にわたって、池袋のジュンク堂の一階、レジ横の大きな壁面スペースで、「風の旅人」のキャンペーンが行われる。テーマは、「心を旅する、心と旅する」。 創刊号から最新刊の第40号までがズラリと展示され、…

Ipadと、その後

昨日、初めてIpadに触れた。コンピューターのように説明書がなくてもすんなりと使え、起動がウインドウズなどに比べて圧倒的に速いことに驚かされる。使うかどうかわからない複雑なソフトを詰め込んで重くなり、かつ必要なソフトを得るためには高いお金…

鳩山首相の辞任と、日本人のメンタリティ

鳩山首相の辞任の引き金となった普天間問題。新聞やテレビが連日のように大きな声で騒ぎ立てていたが、それよりも遥かに重要な、「機密費」がメディアに流れていたという大問題を隠すためにメディアが仕掛けた陽動作戦に、まんまとやられてしまった。 やられ…

二つの時間/境の旅 について

風の旅人 第40号(6月1日発行)が、そろそろ書店に出始めます。 オンラインショップでも購入頂けます。 http://kazetabi.shop-pro.jp/?pid=21163417 今回の特集テーマは、二つの時間/境の旅 です。 東洋と西洋、北と南、現代社会の内外、日本の過去と現…

”自分のもの”と言えるようになるまで

アフリカ大陸からユーラシア大陸を経て南北アメリカ大陸を縦断する人類拡散の旅を、人力だけで逆から辿り、グレートジャーニーの旅人として良く知られている関野吉晴さんが、新しい冒険を始めている。 それは、日本人がどこから来たかを検証する旅だ。関野さ…

この国の当たり前

昨年の4月、鹿児島県の食肉加工工場を取材した。その工場では、最新のロボットで豚と鳥肉が解体されていた。生きたまま工場に運び込まれた鳥が、鮮度を保つ保つために冷蔵状態を維持されたまま、ロボットに首を落とされ、羽をむしられ、胸と腿に切断され、…

自家撞着の時代

「超訳ニーチェ」という本が売れているらしい。ニーチェの言葉の中から、処世に向いた言葉だけを都合よく抜きだして編集して、ニーチェを知らない人も、わかりやすくニーチェの言葉に触れるようにしたものだ。 “あなたの知らなかったニーチェ。今に響く孤高…

野町和嘉さんの、タッシリナジェール古代壁画を見て

現在、新宿のコニカミノルタプラザで野町和嘉さんの写真展が開かれている。 http://konicaminolta.jp/plaza/schedule/2010april/sahara/index.htmlhttp://www.kazetabi.com/bn/04.html ←風の旅人 第4号でも紹介しました。アルジェリアのサハラ砂漠の奥地、…

共星の里と、表現について

福岡県朝倉市黒川にある「共星の里」という素晴らしい場所がある。http://www.adsccat.co.jp/hakata/journal/asakura/a.html 100年ほど前に作られた小学校の廃校が決まった時、建物を残して地域活性化のために活用するプランの公募があり、柳和暢さんとい…

パパタラフマラの稽古を見て感じたことなど

昨日、パパタラフマラの稽古を見るために両国まで行き、その後、演出家の小池博史さんと、夜遅くまで話し込んだ。 話は、いろいろな局面に広がったが、その軸には常に二つのことがあった。「わかる、わからない」と、「新しい、古い」ということだ。 パパタ…

諏訪の御柱祭と、森村泰昌さんの表現に通じるもの

諏訪の御柱祭と、現在、恵比寿の写真美術館で開催中の森村泰昌展。一見まったく違うもののように見えるが、私のなかで一つに結ばれているものがある。森村さんの作品は、写真や絵画の作品の中の登場人物になりきるところに特徴があり、そのユニークさばかり…