2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

第961回 無意識の記憶と、人の幸福

久しぶりに高野山を訪れた。高野山では、陶芸家の三星善業さんの窯出しのタイミングと重なり、また三星さんの弟子の和田直樹君が、ちょうど窯焼きの最中で、幸運だった。http://hiraharagama.doorblog.jp/ 和田君は、この前に訪れた時とは違う窯で焼いていた…

第960回 もののあはれを知る二つの東京 (第4回・完)

(第3回から続く) 時は不可逆であり、過ぎたことを悔やんでもどうにもならない。 それが、ものの限界である。しかし、ものの限界を知る時に初めて、ものの価値をリアルに感じられることもある。 ”限りあるもの”との出逢いは偶然であり、二度と同じ形での出…

第959回 もののあはれを知る二つの東京(第3回)

(第2回から続く) 技術革新がどれだけ進もうとも、基本的に、人間と”もの”との関係は昔からそんなに変わっていない。変わっているのは主に観念の部分であり、身体という限りある”もの”とともに在る人間は、これまでも、そしてこれからも、”もの”との関係を…

第958回 ”もののあはれ”を知る二つの東京(第2回)

(第1回から続く) 今年度、「東京」の名がつく二つの大型写真集が刊行された。 一つは、鬼海弘雄さんの「Tokyo View〜東京模様〜」(発行:かぜたび舎)、そしてもう一つが、有元伸也さんの「Tokyo Circulation」(発行:禅フォトギャラリー)だ。 この二…