第1075回 日本の古層(20)  古代日本の先進地域、京丹後(2)。

(1)の続き 古代、現在の丹後、但馬、丹波はタニハと呼ばれ、丹後国と丹波国が分れたのは713年である。 タニハにおける古墳の建造時期を見ると、古墳前期には現在の京丹後が中心であり、4世紀中旬から巨大化している。日本海で3番目に大きな蛭子山古墳(…

第1074回 日本の古層(19)  古代日本の先進地域、京丹後(1)。

京丹後が、古代、日本の最先端地域であったことは考古学的に証明されている。 今から2300年前くらい前、京丹後の峰山の扇谷遺跡、その後、弥栄の奈具岡遺跡において、玉、鉄、ガラスなどの精密な製品が製造されており、当時、このあたりが日本のハイテク…

第1073回 日本の古層(18)  東国に秘められた謎

古代の聖地を実際に訪れると、いつも驚くべき発見をすることになる。 数日前、栃木足利市の名草厳島神社という巨石群を訪れた。その動機は、聖蹟桜ヶ丘にある武蔵国一宮、小野神社の、まったく同経度の真北にあること。そして、名草および厳島という名が気に…

第1072回  風土と人間

大阪のphoto gallery Saiで、写真家の小池英文さんが、「瀬戸内家族」というテーマで撮り続けたきた写真の展覧会を行っています。 小池さんの写真は、風の旅人でも何度か紹介させていただきましたが、この写真展を機会に、私と、小池さんに、ギャラリーの主…

第1071回 日本の古層(18) 異なる世界の和合。聖武天皇の謎の遷都と、空海の時代(2)

さて、前回の記事で、日本で最初の本格的な都市計画に沿って作られた藤原京の位置関係について言及した。 藤原京の建設は、第40代天武天皇による律令国家の成立と重なっており、その位置も含めて、日本という国を一つにまとめるための象徴的な意味合いを備…

第1071回 鬼海弘雄 最新写真集 SHANTI persona in india

https://www.chikumashobo.co.jp/special/persona/shanti/ スマホで、色調その他色々と調整ができて、手軽に撮影ができる時代、プロとアマチュアの差がほとんどわからなくなった時代。もはや、「いい写真だね」という言葉は、褒め言葉でもなんでもなくて、た…

第1070回  日本の古層(17) 異なる世界の和合。聖武天皇の謎の遷都と、空海の時代(1)

前回の記事で、空海の時代(平安時代初期)と、古事記から聖武天皇の時代(奈良時代初期から中期)における2人の県犬養氏(橘氏)のことに言及した。 そして、この二つの異なる時代に重なる不思議なことがあり、そのことについて書いてみたい。 古代史には謎…

第1069回 日本の古層(16) もののあはれ源流 古事記と和邇氏、そして空海の時代(下)

(前回の続き) そして、人間行為が幻にすぎないことを知り尽くしながら、それでも人間的行為を永遠に化することを希求する日本人が創造したものは、”もののあはれ”だけではなかった。 それは、人工と天の摂理を組み合わせることだ。大陸から学んだ陰陽道な…

第1068回 日本の古層(15) もののあはれ源流 古事記と和邇氏、そして空海の時代(上)

亀岡の佐伯郷の稗田野神社。稗田阿礼の生誕の地とされ、稗田阿礼を祀る。近年、この神社のすぐ傍で、大規模な古代都市遺跡や古代寺院遺跡が発見された。 日本の古代を探っていると、何か一つの発見があるたび、そこから新たな謎が生じる。そして、自分は、こ…

第1067回 日本の古層(14)古代ヤマトの東西につらなる金属の神の足跡

大学入学共通テストにおける英語の民間試験の導入について揺れ動いている。グローバル化に対応するために英語力を高めなければならないのだと頭でっかちの文部科学省が考えているようだが、これまでも学校教育のなかで英語を学ぶ時間は、莫大なものだった。…

第1066回 過去と未来の橋渡しになる映像を

亀岡 御霊神社 ピンホールカメラで撮影した日本の古代の聖域の写真を紹介するホームページを一新しました。 ​​ https://kazesaeki.wixsite.com/sacred-world 日本というのは、たぶん世界の中でも実に特殊な国で、一千年以上も前の歴史を探るために、文献の量…

第1065回 日本の古層(13) 白川郷の伝統的家屋ー自然に対する敬虔さが反映された形

雨の白川郷へ。台風が近づいていたので観光客は少ないと思っていたけれど、予想に反して、観光バスが何台も乗り付け、外国人で溢れていた。しかし、ピンホールカメラで長時間露光すると、動いている人は写らないので、昔のような静けさが念写される。 白川郷…

第1064回 表現者の仕事の”速さ”について

(撮影:中野正貴) https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3612.htm 私がこれまで一緒に仕事をした写真家の撮影現場の中で、もっとも”速さ”を感じたのは、中野正貴さんだ。 私は、中野さんと組んで、いつまでも記憶に残る驚くべき速い仕事を実現…

第1063回 時間の流れ

http://www.bitters.co.jp/satantango/ タルベーラ監督の『サタンタンゴ』について、さらに重要なポイントについて、考えてみたい。 7時間を超えるこの映画を構成している僅か150カットの長回しのシーンの一つひとつ。5分を超える長回しの撮影のあいだ、…

第1062回 それぞれの世紀末 

http://www.bitters.co.jp/satantango/ タルベーラ監督の『サタンタンゴ」。7時間18分という驚くべき長さを誇る映画だが、カット数は、わずか150カット。 ハリウッド映画を見習ったような俳優の動きで物語を作り出していくようなタイプの映画は、2時間たら…

第1061回 権力による陰湿な”みせしめ”か?

「あいちトリエンナーレ2019」が、複雑なことになっている。 文化庁は愛知県に対し、あいちトリエンナーレ全体に対する補助金を交付しないと発表した。 問題となっている「表現の不自由展」は、全体予算、展示面積でもごく一部しか使っていないのだけれど、…

第1060回 逆境と生命力

人の苦悩には二つのタイプがあって、一つは、自分次第というもの。そしてもう一つは、自分の意思や努力ではどうにもならないもの。自分自身の病は、とても辛いことだが、その辛さを、どう受け止めて耐えるかは自分次第。しかし、愛する者の病は、祈ることで…

第1059回 言論の自由と、世間の問題

今の時代は、どんな人でもそれぞれ色々な意見を言える時代で、それはそれで大切なことであり、幸せな時代なのだろうと思う。ただ、言論の自由というのは、自分の暮らしに大きく関わってくることに関して、必死の思いで訴えるという局面において、その自由が…

第1058回 今、認知症やそれ以外の理由で徘徊や失踪の恐れのある人を介護している人に、お伝えしたいことがあります。

今、認知症やそれ以外の理由で徘徊や失踪の恐れのある人を介護している人に、お伝えしたいことがあります。 背中とか、どこか明確なところに、名前と保護者の電話番号を目立つように書いてください。 というのは、現在、タクシードライバーの中には、経験が…

第1057回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(12)

伊勢神宮の宇治橋と、京都宇治の宇治橋、長岡京が造営された向日山、亀岡の稗田野神社は、冬至の日に太陽が上るライン上にある。比叡山の麓の小野郷、山科の小野郷、宇治の朝日山、木津川のそばの椿井大塚山は、同経度(135.816度)の南北ライン上で…

第1056回 選挙の前に考えておきたい日本のこと。

ふだんから考えていなければならないことだけど、選挙の前は、やはり、ふだんは忘れていることでも、色々と考えざるを得ない。自分の一票が政治を動かすなんて、組織票が圧倒的な力を持つ小選挙区制の中では考えにくいけれど、自分がどういう世の中に生きて…

第1055回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(11)

縦に伸びるラインは、北から、小野郷の岩戸落葉神社、神護寺と高山寺、嵯峨野の天龍寺、長岡の走田神社、大山崎の離宮八幡宮、交野の星田妙見宮、生駒山、二上山の大津皇墓、葛城山。東の縦のラインは、山科の小野郷と宇治上神社。西の縦のラインは、多田銀…

第1054回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(10)

ブラックホールの観測や生命が存在するかもしれない惑星を探すことも、莫大なお金を投じる価値のある探求かもしれないが、もっと身近で私たちの暮らしと関係の深いところ、私たちが住んでいる足元のことで、わからないことが無数にある。 それは歴史のことで…

第1053回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(9)

宝塚の清荒神(北緯34.82度)から真東に、中山寺、天神神社、加茂遺跡がある。中山寺も天神神社も境内に古墳があるので、かなり古い時代のレイラインである。さらに、清荒神(東経135.35)の真南に平林寺、門戸厄神東光寺がある。門戸厄神東光寺から夏至の日…

第1052回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化(8)

丹後、鬼伝説の大江山の近くに鎮座する皇大神社。伊勢神宮の内宮と外宮に対応するように、豊受大神社が近くに鎮座している。 (日本の古層(6)の続き) 亀岡の佐伯郷にある御霊神社には、吉備津彦命が祀られている。日本の古層(6)の記事で書いたように、…

1051回 日本の古層 相反するものを調和させる歴史文化(7)

和歌山市の日前神宮・国懸神宮は、現在は、一つの境内の中に二つの神社が鎮座し、ともに、伊勢神宮内宮の神宝である八咫鏡と同等のものとされる鏡を御神体としている。この二つの鏡は、アマテラスが岩戸に隠れてしまった時、誘い出すために作られた鏡である…

第1051回 Original Memory

雲ヶ畑で撮ったピンホール写真を和紙に出力して出品しました。 京都の四条烏丸の近く、ターミナルキョウトで、写真、工芸、美術、彫刻などのコラボレーション展示会を行っています。 富士山の写真で有名な大山行男さんをはじめ、各ジャンルで響きあう作品づ…

第1050回 日本の古層 相反するものを調和させる歴史文化(6)

京都太秦の蚕ノ社の三本の鳥居 京都の太秦に鎮座する蚕ノ社には、謎の三本の鳥居がある。蚕ノ社は秦氏と関係が深いので、この三本の鳥居は、秦氏の聖域を指していると考えられている。真北が、秦氏関係の古墳のある双ヶ丘と、鴨川源流の雲ヶ畑、南西の方向が…

第1049回  虚飾の時代の、覚醒の本。 鬼海弘雄最新写真集『PERSONA 最終章』

鬼海弘雄最新写真集『PERSONA 最終章』(筑摩書房)。 写真集の詳しい内容はこちら→http://www.chikumashobo.co.jp/special/persona/ こんなにもおかしくて、こんなにも美しい本が、ほかにあるだろうか。 この本は、美しさがおかしさの旨味を引き出すソース…

第1048回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(5)

紀国(和歌山)は”木国”であり、五十猛神の土地である。五十猛神は、木と船の神なので、船木氏のイメージが重なる。また、紀国は、中央構造線上にあり、水銀の産地である”丹”という地名が多い。五十猛神は、もともと、現在の日前神宮・国懸神宮のところに祀…