時事

第1246回 「いのちの居場所」について

「未来も過去も、無限に小さくしていくと現在となり、無限に大きくしていくと時の流れそのものになります。ズームインとズームアウトの振り子のような視点は、時間という概念に束縛されずに「わたしたちは現在をどう生きるかと考えるには大事なことだと思い…

第1244回 多くの人は、耳を傾けないだろう話

京都市太秦 蛇塚古墳 おそらく、多くの人は、耳を傾けないだろう話。 しかし、多くの人が、自分には関係ないと思っていても、最後には自分と深く関係してくることがある。 おとといから、長男が彼女と京都観光に来ており、いわゆる名所は既に行ったことがあ…

第1234回 和を以て貴しとすること。

聖徳太子が制定したとされる「十七条憲法」の第一条の冒頭。 「和を以て貴しとし、忤(サカフル)ことは無いように。人には皆、党(タムラ)があり、悟っているものは少ない。よって君父(キミカゾ)に従わない。また、隣の里とも違うだろう。しかし、上と和…

第1233回 古代から人間は同じことを繰り返している。

ロシアとウクライナの戦争が、このまま続けば世界はどうなってしまうのか? 単純化してしまうことに慎重でなければならないと思うけれど、こうした戦争は、けっきょくのところ男性原理が突出した形で現れた結果ではないだろうか。 強い方が偉くて立派だと思…

第1231回 一元化の思考を知の巨人と持ち上げる知の衰退

web.kawade.co.jp ユヴァル・ノア・ハラリ氏のことを、現代における「知の巨人」と持ち上げる論調が多いのだけれど、ベストセラーになっている彼の「サピエンス全史」にしても、とくに新しい視点はなくて、他の誰かが書いているようなことを(膨大なウィキペ…

第1224回 ウクライナとユーゴスラビアの類似

個人的な見解にすぎないけれど、ウクライナというのは、かつてバルカンに存在していたユーゴスラビアという国の状況に、非常に似ているのではないかと思う。 広大な領土の中に、宗教も言語も民族も異なる人々が暮らし、さらに、東側と西側の価値観の違う世界…

第1217回 「土偶を読む」を絶賛する人たちの心理って?

縄文時代のことが気になっている一人として、「土偶を読む」という本がベストセラーになっていると知って立ち読みしたが、あまりにも独断的で、答えを最初に決めてから、それにそった裏付けだけを集めているという姿勢が目に余ったので、どうでもいいと思っ…

第1205回 出版業界の構造変化について

数ヶ月前に、講談社がアマゾンと直接取引を行うことを発表し、業界に驚きが走った。これまでにも講談社発行の本をアマゾンで買うことはできていたので、業界関係者でなければ、さほど驚きとはならないニュースだ。 しかし、これまで講談社をはじめ大手出版社…

第1192回 オリックスの山本投手のトレーニング方法と、いにしえの日本

日本で最も人気スポーツである野球で、最高峰の投手でアメリカ球界も注目しているオリックスの山本投手がこんなことを言っている。 「昔の女の人が米俵を担いでいる写真。担げるの?って思うじゃないですか。コツを知っているから持って運べる。人間にはそれ…

第1180回 映画MINAMATAー正義と真理の隔たり

ここ数日、映画MINAMATAについて、あまりにも無防備に絶賛する人が多すぎるので、私なりに感じる問題点を書いてきたけれど、これを最後とする。 この映画は、「事実に基づくフィクションである」という中途半端な逃げで、悪の集団役としてチッソ株式会社は具…

第1179回 映画「MINAMATA」と、当事者意識の問題。

ユージン・スミスを主人公にした「MINAMATA」の映画に対して、熊本県と水俣市の判断は違っていた。この映画の水俣での上映会において熊本県は後援したが、水俣市は後援を拒否した。熊本県の方が水俣市よりも懐が大きいなどと思う人は、水俣のことについて、…

第1178回 映画「MINAMATA」について、ユージン・スミスは、どう思うだろう?

「私は、男は泣かないということを承知しているが、私は泣いた。同室のものから顔をそむけ、涙と嗚咽を抑えるのに精一杯だった。私を深く感動させる写真、私の人生を変えてしまう写真は数少ない。森永純の写真はその二つを併せ持っていた。」 ユージン・スミ…

第1177回 「MINAMATA」なのか、「OUR MINAMATA DISEASE」なのか。

映画「MINAMATA」の製作に関わり、主演でもあるジョニーデップが、2020年ベルリン映画祭公式記者会見で、こう述べている。 「ユージンスミスとアイリーンスミスの水俣での記念碑的な仕事と、彼らの献身に! 」 MINAMATAという映画は、まず、このジョニーデッ…

第1175回 「MINAMATA」のユージンスミスと、森永純

ジョニーデップが製作・主演の「 MINAMATA」が、京都でも観られる。 この時代に、改めて水俣のことに注目がいくことは、大事なことかもしれない。 しかし、私は、風の旅人の誌面で、ユージンスミスの写真は、日立関係のもの(高度経済成長下の日本人)を編集…

第1167回 東京オリンピックが浮かび上がらせたもの

女子バスケットボールの試合が始まってすぐ、日本の選手たちと、2mを超える選手のいるアメリカチームとの体格差が大人と子供のように違いすぎていたので、50対100くらいの点差で負けても仕方がないと思ったが、75対90と、そんなに差が開かなかった…

第1158回 熱海の土石流と、地球環境問題と、エネルギー問題の関係。

このたびの大雨によって起きた熱海伊豆山の土石流災害。 テレビニュースなどでは、数十年前に行われた盛土が原因であるかのような報道が続く。 もともと、熱海地方は、火山性の硬い黒土に覆われているが、高度経済成長時の人口増に対応するため、山間部の土…

第1156回 大坂なおみ選手の矜持と勇気について

大坂なおみ選手の会見拒否のことが話題になっている。 私は、風の旅人の中でも、色々な人のインタビュー記事を何度も掲載した。 インタビューで話を聞いても、相手の真意をきちんと捉えきれているとは限らないので、原稿にした後、必ず、相手に読んでもらい…

第1153回 これからの紙の本や雑誌作りについて。

昨日、出版業の先行きの厳しさという、かなり以前から言われてきたことについて、私なりの考えを書いたけれど、今日、「日本カメラ」を発行している日本カメラ社が会社清算するということを知った。 その理由として、コロナ禍による広告収入の減少云々と、あ…

第1152回 日本企業の因習と先行き

自社発行ではなく、他社発行の出版物でお手伝いしたのだけれど、出版業の先行きは厳しいなあと痛感。二重にも三重の意味でも。 一般的に出版社って、編集制作サイドと営業サイドが分かれていて、編集制作サイドの企画を営業サイドが確認して、発行すべきかど…

第1151回 メディアの役割

オリンピック組織委員会は、文春が報じている280頁に及ぶ内部資料(昨年4月6日付)の内容は、秘密資料であり、それを公開することは、東京2020組織委員会の業務を妨害するものであるとして、抗議している。 https://tokyo2020.org/ja/news/news-20210401-03-…

第1147回 アメリカの横暴と、大統領との関係について思うこと。

バイデン氏が、第46代アメリカ合衆国大統領に就任した。78歳というのが過去最高齢ということは知っていたが、就任式で歩く姿を見て、お年寄りの雰囲気が漂いすぎていて、少し不安になった。年齢に関係なく元気で、頭も冴えて、適切な判断ができる人もいるだ…

第1098回 総括/新型コロナウィルスの教訓。「ソドムとゴモラに追随するな。」

最近になって、感染者の数、死者の数が急激に減ってきて、専門家が脅かしていたような欧米のような事態にはならず、緊急事態宣言の全面的解除の方向に向かっている。 そして、「日本の対応がうまくいっていった理由」が、あれこれ語られたりする。そして、ま…

第1092回 恐怖の正体!?

あいかわらず日本のメディアの情報提供は画一的なままだ。 新型コロナウィルスの騒動が3ヶ月を超え、いろいろな傾向が具体的に見えてきている。そうした具体的な事実を無視して、感染が広がれば致死率の高いウィルスによって、何十万、何百万の死者数が出る…

第1084回 世界の本質?

新型コロナウイルスへの感染防止策として、世界中の産業が停止することで、二酸化炭素や二酸化窒素の排出がなくなり、大気汚染が劇的に改善されている。 大気汚染が世界最悪とされるインドでも、今まで見えなかったヒマラヤ山脈の神々しい姿が現れ、人々が驚…

第1081回 歴史的転換期の中のコロナウィルス騒動

現在起きているコロナウィルス騒動で、専門家が、もしアメリカで何も対策を講じなければ、死亡率が爆発し約1,000万人が死亡するとシミュレーションをしている。アメリカ人の約75%が感染し、4%が死亡した場合、それは1,000万人の死亡、つまり第二次世界大戦…

第1035回 人権派ジャーナリスト広河隆一氏の性的暴行について

まもなく新しい年が始まろうという時、とんでもない事実が発覚した。 人権派として知られるジャーナリストの広河隆一氏が、最低でも7人の女性への性的暴力の責任をとる形で、「DAYS JAPAN」という雑誌を発行する会社の代表取締役を解任されたと発表があった…

第1013回  政治の問題だけでなく、国民の依存体質がどれほどなのか問われる選挙でもある。

10月22日の衆議院選挙。当初は、小池人気に頼るだけの何の実績もない希望の党が、安倍政権を悪者にする戦略で大躍進するのではと期待されたが、野党が一丸となって安倍政権と戦うのではなく、仲間に入れるとか入れないのゴタゴタで、状況が大きく変わること…

第1012回 どの政党が勝つか、よりも大事なこと

選挙の結果がどう転んでも、悲しいかな、ろくなことにならないような気がしてきた。希望の党から出馬の中山成彬元文部科学相が、 首相に望ましい人物として「安倍晋三首相がいい」と、堂々と発言しているようだ。 希望の党が「安倍政権打倒」を掲げているこ…

第1011回 リベラルとは何なのか。

解散総選挙で、日本中が、政治ゲームに染まっている。 これまで何の実績のない小池党首の希望の党に、つい最近まで政権政党だった民進党が、リベラルな政治家を排除するためだと安全保障と改憲の踏み絵を迫られ、選挙に出馬できるかどうかというキャスティン…

第1005回 政治の単純化と、われわれの思考の単純化は相互関係にある。

安倍政権は、これまで、選挙に強いことが強みだったらしい。選挙に強かったから、自民党内でも、安倍一強だったようだ。 安倍政権が選挙に強かったのは、実績でも、実力でもなかった。他に受け皿がなかったこと。そして、他の政党よりも、「経済」に特化した…