歴史

第1670回 日本文化と日本神話、そして日本国の基本構造

"> 京都の桜の満開と重なるという幸運のなか、第40回目のフィールドワーク・ワークショップを終了しました。 今回は、事実上の初代天皇とされる第26代継体天皇のことを多角的に捉えてみることがを主題でした。といっても、単なる歴史趣味の範疇で行なっても…

第1669回 目があることで、かえって見失われていることもある。

家の周辺の桜が、かなり満開に近づいてきた。明日と明後日、京都で、フィールドワークとワークショップを行いますが、京都の桜を愛でるのに、ちょうどいい頃合いだと思う。 ワークショップを東京と京都で毎月交互に行なって、今回で40回目、毎回、土日の二日…

第1668回 単純思考の連鎖と、現代の戦争

"> 米情報機関トップ、ジョー・ケント氏が、イランとの戦争に反対して辞任した。 彼は、イランの脅威に関してトランプ大統領を誤解させたのはイスラエルとマスコミだったと批判している。 https://www.cnn.co.jp/usa/35245179.html 「イランが米国に対する差…

第1667回 「時を超える観音——岩倉大雲寺、335年ぶりの秘仏開帳」

今年の1月末に京都のフィールドワーク・ワークショップで案内した京都岩倉の大雲寺。 この寺の十一面観世音菩薩立像は、長らく絶対秘仏でしたが、現在、335年ぶりにご開帳されています。(令和7年10月17日―令和8年4月17日) 古書によれば、この像は聖武天皇…

第1666回 「布の裏側をなぞる――AIの時代に歴史の実質を問う」

はじめに――「実質」が問われる時代へ AIは、単に便利なツールではなく、社会の土台そのものを入れ替え、人間の役割そのものを問い直す存在だと言われます。 既存の知識を詰め込むだけの義務教育や、就職のために大学へ進学するという発想は、完全に時代遅れ…

第1664回 歴史を動かす陰の力

歴史の表舞台に立つのは、常に「王」や「将軍」だ。しかし、王が権力を掌握したり持続させるためには、必ずその背後に、実務的な力を持つ集団組織が必要になる。軍事力だけで広大な地域を統治することは、いつの時代も不可能に近い。 国家や大企業のトップが…

第1662回 古代の捉え直しと、現代日本の課題。

古代史に関心を持つ人々の間で、「海人族(あまぞく)」や「安曇(あずみ)氏は海人族である」といった主張がよくなされます。 また「出雲族」についても同様です。島根県にいた出雲族がヤマト王権と対立していた、あるいは一族が集団で関東などの各地へ移動…

第1661回 蛇行剣の謎と、メディアの情報操作

昨夜、さきほど書いたように志村さんの番組に感銘を受け、その余韻を引きずりながら、NHKの知人から追加情報をもらっていた蛇行剣に関する番組も観た。こちらは、ひどい内容だった。 「歴史探偵」という番組は、きちんとしたドキュメンタリーではなく、適当…

第1658回 武蔵国に刻まれた「摂理」の設計図:渡来の知性と聖域の配置

前回の記事で、古代の東京圏、すなわち武蔵国の構造について述べましたが、この武蔵国おける精神的な要の不思議な配置について、付け加えます。 武蔵国には、一の宮から六の宮まで、六つの代表的な神社があり、それらをひとまとめにしている総社が、現代の大…

第1657回 宗教的調和と、物流インフラが整えた古代武蔵国

熊野神社古墳(東京都府中市) 前回の二つの記事では、相模川沿いの南北断層に連なる古代聖域について述べました。 歴史を紐解くと、663年の白村江の戦い以降、滅亡した高句麗から多くの人々が相模川西岸の大磯へと移住しました。その後、律令体制が整備され…

第1656回 相模川流域に刻まれた古代の記憶

相模川東岸からの眺め 前回の記事では、神奈川県の寒川神社が全国唯一の「八方除(はっぽうよけ)」の守護神を祀る背景について触れました。 寒川神社が鎮座する場所は、相模湾から内陸部へと続く巨大なエネルギーの通り道で、北アメリカプレートとフィリピ…

第1655回 大地の割れ目で、自らの立ち位置を確認する古来からの祈り。

"> "> (寒川神社) 宇宙秩序と自己の内省:八方除の真価 神奈川県寒川町にある相模国一之宮、寒川神社は、全国唯一の八方除の守護神を祀る神社として知られています。 寒川神社の八方除けは、一般的には、四方八方からの災い(凶事)を防ぐための祈祷と捉え…

第1652回 弓・鳥・目をめぐる、時空を超えた魂のフィールドワーク

この10年、私は古代世界を探求し続けていますが、過去の事実を追っているわけではなく、現代人よりも古代人の方が大事にしていたと思われる”魂”を追いかけています。 なので、邪馬台国論争とか、日本人はユダヤ人が起源とか、ペトログラフは古代文字云々とい…

第1646回 日本文化の命とも言える対象への愛

">鉄の記憶を辿る:吉備から津山、そして長船へ ">まがねふく 吉備の中山」――。万葉の昔からそう詠われてきた吉備の国は、鉄をはじめとする鉱物資源と深く関わってきました。私はこの地を巡る旅の終着点として、備前長船日本刀製作所を訪ね、刀工・上田祐定…

第1645回 ”今”の現実を相対化し、俯瞰する眼差し。

">この10年のあいだ、私はずっと古代世界を探求してきましたが、今は「古代と中世の境界」に強い関心があります。 古代世界と、中世以降の近代・現代を隔てるものは何か。 私は、古代世界とは「万物の尺度を人間に置かない世界」であり、中世以降は、しだい…

第1644回 歴史という「異界」に触れ、AI時代の視座を獲得する

"> "> AI技術の加速度的な進化を背景に、「AIが人間の手に負えない存在になるのではないか」という危惧が絶えません。しかしその懸念は、人間の意識や思考特性が今後も「不変」であることを前提としています。 AIの進化に伴い、人間の意識が拡張し、思考のあ…

第1641回 「失われゆく心の原風景」とは!?

12月に椎葉村を訪れたので、昨夜の NHKの椎葉村のドキュメンタリーは、少し楽しみにしていた。 “秘境”の村に1年間の密着取材 宮崎県椎葉村!!などという触れ込みだったからだ。 しかし、内容があまりにも薄っぺらくて、失望した。 季節のめぐりを追いかけ、…

第1636回 人間の分別を超えた世界のリアリティ

田端環状積石遺構(ストーンサークル):東京都町田市 正月に、本作りや写真展を通して自分が表したいものとして、「人間の分別を超えた世界のリアリティ」であり、その理由は、「自分が生老病死の苦に直面した時、最後に残された救いの鍵は、人間の分別を超…

第1635回 AI時代の、自らの存在意義。

現在、AIの影響力が増大していく社会の中で、企業運営において「パーパス」への取り組みが重要視されるようになっている。 パーパスというのは、一言で言うならば「社会的存在意義」や「社会における使命・存在価値」のこと。 「会社は何のために存在してい…

第1633回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(12)

熊本県八代。景行天皇の天皇巡幸地。⼤⿏蔵山古墳群の西2.5kmの龍神社から望む有明海。 日本の古層を探索するうえで、情報知識ではなく、生々しいリアリティを感じとるためには、現地を訪れる必要があります。 たとえば、神話上の舞台となっている土地の風景…

第1632回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(11)

椎葉厳島神社 このたびの南九州の旅における最後のレポート。それは、古代と中世のあいだに架かる精神の橋について。 九州の椎葉村に厳島神社が鎮座している。 平氏残党の追討の命を受けて、この地へやってきた那須大八郎(屋島の合戦で扇を射落とした伝承の…

第1631回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(10)

高千穂峡 神話で描かれる天孫降臨の物語が、いつ、どこを舞台にしたものなのかという問いは、古代最大の謎とされているが、時期や場所の特定以上に大事なことがある。 それは、ニニギの天孫降臨に随行した、アメノコヤネ、フトダマ、アメノウズメ、イシコリ…

第1630回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(9)

十根川神社から東に1kmほどの所にある大久保の大ヒノキ。これも、推定樹齢800年で、那須大八郎が手植えしたとの言い伝えがある。 平家物語のなかの有名なシーン、屋島の合戦において、平氏側の女官が乗った小舟の上の扇の的を那須与一が見事に射たことは、…

第1629回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(8)ー12月7日の日記

椎葉村の向山日添地区の風景。 日本三大秘境の一つと言われる宮崎県の椎葉村の夜神楽を明け方の5時半まで堪能して、少し仮眠をとった後、椎葉村の気になるところを探索してから夕方出発し、一挙に車を走らせ、深夜3時に京都に戻ってきた。 明日、東京に移動…

第1628回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(7)ー12月6日の日記

今日、椎葉に入って、夜は椎葉神楽、翌朝から京都に移動、その翌日に東京に移動と強行軍なので手短に。 霧島から球磨川にそって有明海に面した八代に入って、有明海にそって北上。 八代の鬼の岩屋第1号古墳。 八代の谷川第1号古墳 八代貝塚・大塚古墳。縄…

第1627回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(6)ー12月5日の日記

熊本県八代市 現在、有明海の八代に来ている。 鹿児島の隼人町の霧島神宮のすぐそばに宿泊し、北上し、霧島から、えびの高原、そして球磨川上流無に抜け、球磨川にそって八代までやってきた。 有明海と鹿児島湾が地理的にどうつながっているか確認したかった…

第1626回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(5)ー12月4日の日記

ニニギとコノハナサクヤヒメの出逢いの伝承地、延岡の笠沙山から。 旅の途中ではあるけれど、こうして文章化しているのは、鉄は熱いうちに打てと言われるように、現地にて、自分の感覚がリアルに敏感な時に、感じたり考えたことを文章化しておくと、後になっ…

第1625回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(4)ー12月3日の日記

那須与一は栃木の那須氏だが、那須氏が拠点としていた栃木県大田原市の最大の古墳、上侍塚古墳から冬至のラインを西にのばすと、京都の即成院、神戸の碧雲寺宗照院に那須与一の墓があり、さらに九州の大見口にもある。このラインの西の端が、天草の与一ヶ浦…

第1624回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(3)ー12月2日の日記

今日は、菊池渓谷から阿蘇山へ、自然満喫の1日。

第1622回 日本の古層に潜る旅〜南九州編(1)ー11月30日の日記

玉名大神宮 九州の旅の始まりは、熊本県の菊池川流域から。 京都から熊本まで、高速道路を使えば、十分な休憩や昼食タイムを入れても、9時間もかからない。 東京と京都のあいだを高速道路を使わず12時間以上かけて往復を繰り返していたので、楽勝。今日は…