歴史

第1057回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(12)

伊勢神宮の宇治橋と、京都宇治の宇治橋、長岡京が造営された向日山、亀岡の稗田野神社は、冬至の日に太陽が上るライン上にある。比叡山の麓の小野郷、山科の小野郷、宇治の朝日山、木津川のそばの椿井大塚山は、同経度(135.816度)の南北ライン上で…

第1055回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(11)

縦に伸びるラインは、北から、小野郷の岩戸落葉神社、神護寺と高山寺、嵯峨野の天龍寺、長岡の走田神社、大山崎の離宮八幡宮、交野の星田妙見宮、生駒山、二上山の大津皇墓、葛城山。東の縦のラインは、山科の小野郷と宇治上神社。西の縦のラインは、多田銀…

第1054回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(10)

ブラックホールの観測や生命が存在するかもしれない惑星を探すことも、莫大なお金を投じる価値のある探求かもしれないが、もっと身近で私たちの暮らしと関係の深いところ、私たちが住んでいる足元のことで、わからないことが無数にある。 それは歴史のことで…

第1053回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(9)

宝塚の清荒神(北緯34.82度)から真東に、中山寺、天神神社、加茂遺跡がある。中山寺も天神神社も境内に古墳があるので、かなり古い時代のレイラインである。さらに、清荒神(東経135.35)の真南に平林寺、門戸厄神東光寺がある。門戸厄神東光寺から夏至の日…

第1052回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化(8)

丹後、鬼伝説の大江山の近くに鎮座する皇大神社。伊勢神宮の内宮と外宮に対応するように、豊受大神社が近くに鎮座している。 (日本の古層(6)の続き) 亀岡の佐伯郷にある御霊神社には、吉備津彦命が祀られている。日本の古層(6)の記事で書いたように、…

1051回 日本の古層 相反するものを調和させる歴史文化(7)

和歌山市の日前神宮・国懸神宮は、現在は、一つの境内の中に二つの神社が鎮座し、ともに、伊勢神宮内宮の神宝である八咫鏡と同等のものとされる鏡を御神体としている。この二つの鏡は、アマテラスが岩戸に隠れてしまった時、誘い出すために作られた鏡である…

第1050回 日本の古層 相反するものを調和させる歴史文化(6)

京都太秦の蚕ノ社の三本の鳥居 京都の太秦に鎮座する蚕ノ社には、謎の三本の鳥居がある。蚕ノ社は秦氏と関係が深いので、この三本の鳥居は、秦氏の聖域を指していると考えられている。真北が、秦氏関係の古墳のある双ヶ丘と、鴨川源流の雲ヶ畑、南西の方向が…

第1048回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化〜(5)

紀国(和歌山)は”木国”であり、五十猛神の土地である。五十猛神は、木と船の神なので、船木氏のイメージが重なる。また、紀国は、中央構造線上にあり、水銀の産地である”丹”という地名が多い。五十猛神は、もともと、現在の日前神宮・国懸神宮のところに祀…

第1047回 日本の古層 〜相反するものを調和させる歴史文化〜(4)

明石海峡 私は、兵庫県明石市で生まれ育った。家の近くの古墳周辺を探検したり、明石原人の発掘場所で地面をさぐってみたり、子供ながらに秘められた歴史には興味があった。 また、源氏物語の中で、明石が大事な舞台になっていることは知っていた。にもかか…

第1045回 日本の古層〜相反するものを調和させる歴史文化(3)

京都の南、宇治は、『源氏物語』の「宇治十帖」の舞台で、平安時代、貴族の別荘が営まれていた。宇治平等院の地は、9世紀末頃、光源氏のモデルともいわれる源融の別荘だったものが宇多天皇に渡り、その後、紫式部が仕えた藤原道長の別荘「宇治殿」となった後…

第1044回 日本の古層 〜相反するものを調和させる歴史文化〜(2)

古代からの聖地、ヤマトの三輪山の麓にある巨大な前方後円墳。箸墓古墳(古墳時代初期、3世紀末から4世紀初頭) 第125代天皇の譲位の日が近づいている。 地上の権力者が誰になろうが関係なく、古代から連綿と続いてきた天皇制という日本特有の権威システ…

第1043回 日本の古層〜相対するものを調和させる歴史文化〜(1)

梅宮大社 天気の良い暖かな日が続くので、桂川の東岸にある梅宮大社に梅を見に行く。この神社は、同じ松尾エリアの松尾大社ほど有名ではないが、立派な名神大社だ。 かつては桂川のすぐ近くまで広大な神域を誇り、川をはさんで西の松尾大社と並び立っていた…

第1042回 能面に伝わる人類のタマシイ

ニューヨークに活動の起点を置く写真家、井津建郎さんが京都に来て、数日間、一緒に過ごすことになった。 井津さんは、7、8年ほどかけて一つのテーマをじっくりと追っているが、現在のテーマは、日本の能面。彼が撮った能面の凄みのある写真を見せてもらい…

第1037回 天と地と人間を貫く不可思議な力!?

昨日の夜、突然、若い友人が電話してきた。 彼は、世間では心の病気とされる症状があり、とても感度が高く、繊細なセンサーを持っていて、そのため、現代社会では非常に生きづらい状態で生きている。しかし、幸いなことに、彼は、自分の状況を客観視する眼差…

第1034回 一千年前の文化が、今を超える。

京都東山の泉湧寺塔頭の即成院で行われた山下智子の「京ことば源氏物語」、第20帖『朝顔』を聞いてきた。 即成院には、1094年に造られたという阿弥陀如来と二十五の菩薩像がある。それらの仏様を背後に語られた源氏物語の『朝顔』の帖は、とても素晴ら…

第1033回 古代と現代のシンクロニシティ

(亀岡、御霊神社) 最近、シンクロニシティが頻繁に起こる。シンクロが起きる時は、自分が行なっていることが正しい方向に向かっている証拠と、以前、誰かから聞いた記憶があるが、今、起こっているシンクロは、少し薄気味悪いくらいだ。 ここ数年、日本の…

第1032回  亀岡と近江を結ぶ磐座のネットワーク

(上:亀岡 出雲大神宮。下:東近江 三上山山頂) 桂川の松尾大社と嵐山のあいだあたりから北を見ると、美しい山々の連なりが見られます。 左の端に愛宕山があり、右の端に比叡山。そのあいだ、西から高雄山の麓の神護寺や、神山の麓の上賀茂神社、大文字山…

第1029回 もののあはれ源流への旅。玉石の力と言霊の力

兵庫県北部の出石に行ってきた。 山の中での水晶拾いに誘われたからだが、個人的には、もう一つの関心事項があった。 それは、出石には出石神社という但馬を代表する古社があるからだ。この神社の祭神は、天日槍命(あめのひぼこのみこと)という渡来系の神…

第1025回 琵琶湖の周りに点在する聖なる岩山

琵琶湖の湖東、近江八幡から東近江、そして栗東にかけて、裾野が広がった美しい姿の岩山が数多く点在している。 それらの山々の多くは、頂きに巨大な磐座が鎮座し、古代から聖なる山、神が宿る神体山として崇められてきた。 こうした地勢ができたのは、日本…

1024回 近代文明の本質と、その行方〜私たちは何を捨て、何を守るべきか。

4月1日(日)、午後1時から、第3回 この惑星に生きる作法〜レジリエンスダイアローグを開催します。 https://kazesaeki.wixsite.com/resilience/blank-1 テーマは、「近代文明の本質と、その行方〜私たちは何を捨て、何を守るべきか。」です。ゲストは、…

1022回 いにしへの近江をめぐる。

九頭弁財天八大龍王 馬見岡綿向神社 昔を思い出すことが忘れていた今を思い出すことであるような、そういう想い出しかたがありそうな気がする。 西郷信綱『古代人と夢』 近江は、京都より古い歴史がある。高島や伊吹山周辺も記紀以前の史跡が数多くあるが、…

第1018回 核と鎮魂(2)

昨日、参加してきたイベントは、「核と鎮魂」であり、決して、「核の鎮魂ではない。 「と」と「の」の違いだけれど、この違いは目が眩むほど大きい。イベントの途中、この違いの大きさをわかっていない登壇者もいたが、この違いが行き渡るような場でなければ…

第1017回 核と鎮魂(1)

京都に移住してから何かとお世話になっている信頼資本財団の熊野理事長と、風の旅人において、連載を続けてくれた作家の田口ランディさんが協働して、「核と鎮魂」というイベントを開いた。原発問題、とりわけ高レベル放射性廃棄物の最終処理の問題を軸に、…

第1015回 進化とは?

12月1日(金)、京都の風伝館で、「進化とは?」という内容で、信頼資本財団の熊野理事長と、そもそも談義を行います。 環境を生き抜く遺伝子が後世に伝えられていくのか、もしくは、環境に応じて遺伝子は自らを変えていくのか。 これからの人類は、ダー…

*第1014回 時代や地域が変わっても変わらないもの

11月2日に、スタンフォード大学京都プログラムで来日している学生達に、編集と日本的な時空間の関係などを講義する機会をいただいた。もちろん、『風の旅人』をベースにしての話だ。 2003年4月から50冊の『風の旅人』を作ってきたが、対談や講演で…

第998回 もののあはれと幽玄

第7回 風天塾開催 もののあはれと幽玄〜近代合理主義を超えて〜「源氏物語と日本文化の秘めた力」 お申し込みはこちら➡︎https://www.kazetabi.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/ (和蝋燭の灯りに照らされた空間で) 日時 2017年4月28日(金…

第995回 人間の尊厳とは 

映画「この世界の片隅に」(監督:片渕須直、原作:こうの史代)がとてもよかった。 ごく普通のことを積み重ねていくことが、こんなに愛しく、そしてそれを失うことが、こんなにも哀しいのだと、胸にしみた。 http://konosekai.jp/ 嫁入り前のすずが暮らして…

第993回 末法の世

2011年3月11日から6年経った。 このサイトには1000本を超える動画が、位置情報を特定して記録されている。 http://311movie.irides.tohoku.ac.jp/SearchPage?8 このうちの1本を見るだけでも、自分の中の何かが崩れていくような気持ちになる。この震災…

第992回 1000年前よりも遥か以前と現代の紐帯になる源氏物語

私は源氏物語の研究者でもなんでもないが、なぜかその私が、同志社大学で源氏物語関係のイベントを企画しているので、最近、これまでよりも源氏物語を身近に引きつけて考える癖がついている。 1,000年前に書かれた源氏物語は、欧米世界では近代小説の傑作と…

第977回 競争から共創へ、利己から利他へ⑦ 日本の歴史や伝統!?

山頂に巨石が祀られている六甲の比売神社を訪れた。最近、神社を頻繁に訪れているが、神社の建物そのものより、その場所に長い年月を超えて存在し続けている大木や巨石に心惹かれる。 原生林の中の巨木も素晴らしいが、人間の傍で人間の営みの影響を受けなが…