2008-01-01から1年間の記事一覧
昨日の飲み会で、若い写真家が、素朴に、「厳しい状況だから頑張るんです」と言った。 なんでもない言葉だけど、妙に、自分の心のなかに、ストンと落ちた。 「逆境に負けずに頑張る」ではなく、「逆境だから頑張る」。 確かに、順風の時というのは、大した努…
田口ランディの新作『パピヨン』を読む。 標高3500mの仏教聖地ラダックの書き出しから、死までの過程と死後のことを科学的医療世界から異端視されながら深く掘り下げていったエリザベス・キューブラー・ロスの言葉を軸に、そのロスの人生を取材するため…
文京シビックホールに、鼓童の公演を見に行く。 時間が経った今でも、地鳴りのような太鼓の響きが身体に残っている。激しい太鼓によって、身体とか魂がマッサージされたような感じになって、心地よい脱力感がある。力強い表現は、それを見る者を鼓舞する。し…
「風の旅人」第35号、永遠の現在?「時と相」が、そろそろ書店に出ます。 森羅万象は、内も外もない生命流のうねりであり、多種多様な波が絶え間なく揺らぎながら、無限に連続しています。そのなかで、それぞれの波が複雑精妙に関係し合い、その時ならでは…
東京大学で行われた公開シンポジウムを見に行った。「軸の時代/ いかに未来を構想しうるか?」という壮大なテーマだったことと、パネリストのメンバーが、宗教学、哲学、社会学、作家、文芸評論家と多彩で、時間も4時間あるので、濃密な対話や議論があるこ…
♪人と人は言葉と言葉で繋がっている 自分の口から発した言葉はいつか必ず自分に返ってくる ♪ 2004年12月29日、雪がちらつく夜。東京・新宿・ロフトに「THA BLUE HERB」のライブを見に行った。生のライブでBOSSの言葉に触れるのは初め…
11/4(火)に、風の旅人の第36号(2/1発行)の打ち合わせをする。この号で、ちょうど6年間、発行し続けたことになる。 年に6回ずつ、6年にわたり発行し続けてきた。出版界の素人の私が、この雑誌をはじめる直接的な転機は、作家の日野啓三さんの…
週末、写真家の野町和嘉さんとの対談のため、高知まで行ってきた。 現在、高知県立美術館で、野町さんの大規模な展覧会が行われている。来年の4月に、同じものが、東京都の写真美術館で開催される。 高知県は、生まれて初めて行った。海の気配をいっぱいに…
本日、10月24日(金)の東京新聞、あと中日新聞?の夕刊の「あの人に迫る」で、「風の旅人」周辺のことを、かなりのスペースを割いて紹介していただく予定になっております。 インタビューは随分前だったので、話した内容は明確に覚えていませんが、「旅…
休み明けで、ニューヨークの株式市場が、急伸しているようだ。先週だけで1800ドル下げて、休み明けに391ドル上がった。ニュースなどでは各国の金融政策が好意的に受け止められているとか、下がるだけ下がったので値ごろ感が出たとか分析されているが…
昨夜、パパタラフマラ公演のガリバー&スウィフトをグローブ座で見た。→http://pappa-tara.com/gs/top.html その過剰なまでの舞台を、”凄く、楽しく”体験した。 その身体的体験に対して、言葉で簡単に感想を述べることはできないが、社会的通念の狭い枠組み…
風の旅人 第34号(10/1発行)。テーマは、「時と揺」。 新しい段階に発展していく時や、新しい事態に備えたりする時、自然は微妙に揺らいでいる。状況に応じて必要なものを選び取っていく自由を確保するためには、揺れ幅が必要になるのだろう。微妙な…
私たちは、目先のことしか見ていないと、目にしている部分は見えるけれど、まわりにワケのわからないものもたくさんあるので、世界が混沌のようにしか感じられない。そして、常に、それらの動きに心が乱される。 しかし、もう少し長いタイムスケールで見ると…
先週末の深夜、突然、理由もなく高熱が出た。最初、ぶるると肌寒くて体温計で計ったら、37,5度くらいで、1時間前はまったく何ともなかったのに不思議だなあと思って布団に入ったら、熱がどんどんあがって38.3度くらいになり、頭くらくら状態に陥っ…
今日、証券会社の人と会って、話をした。証券商品の組成のことが、興味深かった。 現在、証券会社は、株の取引だけでなく、様々な金融商品をつくって投資家を集めている。建築や造船など巨額の資金が必要とする産業は、銀行からの借り入れだけに頼るのではな…
欧州宇宙機関が、無人探査機「ロゼッタ」がとらえた小惑星2867「シュテインス」の姿を公開している。 灰色がかった逆四角錐形で、表面には大きな2つのクレーターや小さな7つのクレーターの連なりが見える。→ http://www.afpbb.com/article/environment-scien…
藤原新也さんの新著「日本浄土」が発売された。 最初、本屋で見かけた時、気になったが、敢えて手に取らなかった。 それでも次の日、やはり気になって、けっきょくは購入した。購入して編集部に戻ると、藤原さんから本が届いていた。なんというタイミングか…
哀しいものは美しく、美しいものは哀しい。 人は誰でも自らの心のなかに時を刻んでいくが、その刻みは、他者や物事との関係で変化していく。 この地球上には様々なことが起こり、生きているあいだに様々な出会いがあるが、それらの一つ一つが自分のなかにど…
今朝の新聞で、日米の大学が、コンピューターで計算して、最初の星の誕生を解明したと発表していた。ビッグバンから三億年後だそうだが、ちょっと信じがたい。 その解説では、ビックバンの後、目に目えない暗黒物質(ダークマター)というものがあり、それと…
風の旅人26号で『浅草善哉』を紹介した写真家の古賀絵里子さんの展覧会が、広尾のエモンフォトギャラリーにて開催されている。 http://www.emoninc.com/test/exhibition/kogaeriko.html 2003年に出会った浅草に住む高齢の夫婦の日常へ6年間通い撮り続けた…
陸の森(作/名嘉睦稔) 海の森(作/名嘉睦稔)名嘉睦稔 大展覧会 第一部/陸の森 7月12日(土)〜8月17日(日) 第二部/海の森 8月23日(土)〜9月28日(日) 9:00〜17:30 (入館は閉館の30分前まで)会 場:明治神宮文化館 宝物展示室詳細→http://www.bokunen.com/m…
昨日、コローの「真珠の女」のことを書いていると、あの表情が脳裏に焼きついてしまい、地下鉄に乗っている時も、街を歩いている時も、すれ違う女性の表情を自然と眺めることになった。 東京という環境の問題もあるのだろうが、「真珠の女」のような澄んだ表…
日曜日、国立西洋美術館で開催されているコロー展に行く。 コローの風景画は大して好きではないが、人物画はとても好きだ。今回の展覧会の目玉として、「真珠の女」を見ることができるが、他にも数多くの人物画が紹介されている。コローの風景画を見る機会は…
今のこの時期は、多少は暑いけれど風は心地よく吹いており、家でも窓を開けていれば冷房などいらない。しかし、オフィスに出社すると、コンクリートなので朝から熱がこもっている。だから、風を通そうと思い、窓とドアを開ける。そうすると、同じフロアで働…
庭に枇杷がたくさん実ったので、カラスに食い散らかされる前に収穫をした。スーパーに行くと、庭で採れるものと同じくらいの大きさで一つ80円もする。去年、人からいただいた特大の枇杷は、12個入りで、4000円ほどだ。形が綺麗で傷一つなかったが、…
風の旅人 第32号(2008年6月1日発行)が、書店に出ています。 テーマは、永遠の現在? 時と廻 です。 時は、過去の源流から未来の大海に向かって一直線に流れて終わるのではない。時は、万物の営みと無関係に淡々と等間隔で針を刻み続けているのでは…
現在、新宿の 損保ジャパン東郷青児美術館で開かれているモーリス・ド・ブラマンク展に行った。 ブラマンクは好きな画家の一人だ。ブラマンクの絵は、時代の潮流に流されることなく、アート産業の動向になびくことなく、アカデミズムの評論・批判に惑わされ…
先週末、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス)で開催されている森山大道さんの写真展を見た。過去の軌跡を追った「.レトロスペクティヴ1965-2005」と、近作の「.ハワイ」が、二階と三階に別れて展示されている。 森山さんは、現在、写真界ではステイ…
「他人の評価が欲しいのではなく、自分の表現したいことを表現しているんです。」 というようなことを言って、写真などを売り込んでくる人がいる。 にもかかわらず、私が、つまらなそうな顔をして、その作品に関心を持てないということを言ったりすると、す…
これまで「風の旅人」に協賛してくれていた会社のうち二社が、業績不振でしばらく協賛を降りることになった。 広告に頼った運営をするつもりはないが、三社〜四社ほど協賛していただくことで何とか収支トントンだったこともあり、手痛い打撃で、もはやこれま…