2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第1340回 ピンホールカメラで世界と向き合う時に見えてくる古くて新しいコスモロジー。

夏至を境に、今日から1日ずつ日が短くなっていく。 私は、ピンホールカメラで写真を撮っているので、日没時間はとても気になる。 日が短くなると、取材中もゆっくりと昼食をとっていられない。だから、夏至になると、少し切ないものを感じ、冬至になると、翌…

第1339回 文字と人間の精神文化の関係

人間の精神活動は、少しずつ時間をかけて右肩上がりで成長変化を遂げてきたわけではない。 人間は、文字を使っていない時と、文字を使うようになってからでは、精神活動に大きな変化が起きる。そして、文字を使い始めた人間の精神活動には、地域差に関係なく…

第1338回 人間の意図を超えた力と、磐座。

山梨県北杜市小淵沢町に大滝神社があり、この場所は八ヶ岳南麓高原湧水群の一つ。「日本名水百選」に選ばれているが、日量22000立方メートルと豊富な水量を誇り、一年を通して水温は12度。 東京の武蔵野台地でもそうだが、井の頭公園や石神井公園、等々力渓…

第1337回  見えないものをみるために

「見えないものを見るためにカミオカンデを作った。」 これは、自らが設計を指導・監督したカミオカンデによって史上初めて太陽系外で発生したニュートリノの観測に成功し、ノーベル物理学賞を受賞した小柴 昌俊さんの言葉。 スーパーカミオカンデは、カミオ…

第1336回 ヤマタノオロチとは何か?(2)

出雲大社の隣に鎮座する命主社(いのちのぬしのやしろ)。出雲大社が築かれる前の聖域だったと考えられる。古代の磐座だと思われる巨岩の前に建てられているが、この巨岩を石材として切り出した時、下から銅戈(どうか)と硬玉製勾玉が発見された。ともに古…

第1335回 ヤマタノオロチとは何か?(1)

八岐大蛇について(1) 古事記や日本書紀に描かれている「スサノオの八岐大蛇退治」の物語は、誰でも知っているが、いったい何を意味するのか、江戸時代の国学者も含めて様々な解釈を試みているが、これが正解だと明確に言いきれる解答は見当たらない。 こ…

第1334回 飛騨に残る日本の歴史文化の古層

古代の天文観測所とも言われる飛騨の金山巨石群 飛騨 背後の山がピラミッドなどとも言われる日輪宮。 飛騨地方には、縄文遺跡が多く残り、縄文時代の祭祀道具と考えられる石棒に関しては日本で最も数多く見つかっているが、飛騨人の顔は沖縄や東北の人たちの…

第1333回 出雲の国譲りと諏訪

出雲の国譲りのことを考えるうえで、諏訪のことも考えておかなければならない。 諏訪大社というのは、諏訪湖の南に鎮座する前宮と上宮、北に鎮座する下社の春宮と秋宮の4社で構成されるという得意な形をとっており、これが、全国に25000社存在する諏訪神社…

第1332回 出雲の国譲りとは何か? (4)

八雲山のスサノオの磐座。八雲山の西麓に鎮座する須賀神社の奥宮。 島根の出雲地方は、大きく分けて三つの領域に分かれる。 一つは、出雲の西側、斐伊川の流域で、もう一つの地域が、鳥取との県境の大山の周辺、日野川の流域。 これらの地域のことは、(1)…

第1331回 過酷極まりないサハラに生きる自由。

写真家の野町和嘉さんが激賞していた、ハッサン水谷さんの写真集「サハラ蒼氓」を拝見した。 サハラの写真と言えば、野町さんの写真を思い浮かべるが、その野町さんが高く評価するサハラ世界の写真はどんなものだろうと期待していたが、野町さんが言っていた…