芸術
"> "> 東京と京都で交互に行なってきた31回目のワークショップセミナーを終えました。毎回土と日の二日間行うので、延べ日数では62日。フィールドワークを雨の中でやったことがない。 さすがに今回は梅雨本番の時期に設定しているから雨は覚悟していたし、…
岩樟神社(兵庫県淡路市岩屋)。 オノゴロ島の候補地、絵島の近くに鎮座する。イザナミとイザナギが産んだ不具の子とされる蛭子命を祀る。蛭子は、生まれた後に葦舟にのせて流されてしまう神であるが、伝承によると、この岩屋から蛭児命は流され、西宮神社に…
江戸時代、古事記の研究を通して、日本人の心を捉え直そうとして本居宣長が、30歳の時、桜の木を植える際に詠んだ歌。「わするなよ わがおいらくの 春迄も わかぎの桜 うへし契を」 西行は、桜の下で死にたいと詠んだが、本居宣長は、桜を、人生の拠り所にし…
空海は、「真理というものは言葉で言い表せないものだけれども、けっきょく言葉で表現して伝えようと努力するしかない」と言った。だから空海の密教は、真言密教。 密教というのは、本当は、経典の言葉では伝えられない真理への道のはずだけれど、真言密教は…
下北沢のスズナリ劇場で、小池博史さん演出の「Soul of ODYSSEY」を体感した。 これは、約2700年前に創造されたホメロス神話の「オデュッセイア」をもとにした舞台だ。 同じホメロス神話でも、約2800年前に創造された「イリアス」では、ゼウスやポセイドンな…
今年最後のワークショップセミナーが終わった。これまで24回、東京と京都で交互に規則正しく行なってきた。 この規則性が、自分にとって、とても良いリズムになった。 この期に及んで、あれこれやりたいことは、あまりない。 あちこち行きたいところは、この…
大山崎山荘美術館で開催中のアンドリューワイエス展に行った。 久しぶりにワイエスの絵画世界に触れて、若い頃のことを思いだした。 写真家のことをよく知らなかった20代の頃、その精神世界に憧れていた表現者は、作家の日野啓三さん、画家のアンドリューワ…
">(新刊の「かんながらの道」より "> 東京の写真を撮っている人は、とても多い。 そして、それらの写真を持ち上げる際に、「独自の視点で東京と切り取った!」という言葉が使われることが、とても多い。 気鋭の写真家とか、重鎮の写真家とか、なんでもいい…
10,000人の感想よりも、その人の一言が、自分の方向性を決めることがある。 私が、ずっと長い間、自分がアウトプットするものが果たしてうまくいっているかどうか、確認するための指針としている方から、このたびの「かんながらの道」に対するお言葉をいただ…
"> 恋愛において、どんなに異性にもてる人でも、自分の意中の人に振り向いてもらえないと、心の中は辛く悲しいはずで、それは、物づくりでも同じ。 100人の感想よりも、あの人の心に届くかどうかが気になるという存在がいる。 なので、新しく本ができれば、…
2018年、鬼海さんと小栗さんと一緒に、神護寺や亀岡の紅葉を楽しんだ。 "> 人生において、明確に自分の意思や計画だけで始めて、続けていることが、どれだけあるだろうか。 私の場合、何かしらの縁をきっかけにして始めて、やっているうちに天命だという気持…
">このたび発行する「かんながらの道」〜日本人の心の成り立ち〜の制作において、空海の思想を、頭の片隅に置いていました。 今日の思想世界の混迷のなかで、日本から生まれた空海の叡智を、再発見する必要があると私は思っているからです。 空海の思想の核…
「 かんながらの道〜日本人の心の成り立ち〜」の納品日が、10月26日と決まりました。 ワークショップ の日と重なってしまうので、受け取りのタイミングが問題。 それはともかく、オンラインでの販売サイトを立ち上げました。 詳しくは、次のアドレスからホー…
"> 今年中に出版するつもりで取り組んできた日本の古層Vol.5「かんながらの道」の入稿が終わった。 完成は、来週末(10月25日、26日)に行うワークショップに、ぎりぎり間に合うタイミングか。 今回は、日本人の心の成り立ちに焦点をあてて、仮名文字が日本…
伏見稲荷大社は、外国人旅行客の人気ナンバーワンの場所だそうで、連日、ものすごい人だかり。 境内には、「伏見稲荷は祈りの場です」という言葉が掲示されているが、果たして、どれだけの人が、祈るために、この場所に来ているのか? しかし、聖所というの…
連日、京都市内をピンホールカメラで撮影し続けている。 京都の観光名所に群がる人たちは、いろいろな会話をかわしながら、人とぶつからないように巧みに左右に進路を変えながら歩いていて、その場にはすごいエネルギーが渦巻いている。 私は、その場に三脚…
写真/細江英公 風の旅人39号より 「薔薇刑」、「鎌鼬」、「胡蝶の夢」、「抱擁」、「男と女」、自分の書棚にこれらの写真集が置かれている幸運な人は、今、改めて見つめ直しているかもしれない。 戦後日本の写真表現界が生んだ大きな大きな星、細江英公さん…
東京に何かしらの用事で出かける時は、必ず、ピンホールカメラと三脚を持って、用事の前後、歩き回って撮影するようにしている。 ダラダラと歩くのではなく、撮影する意思を持って歩いていると、暑い中、重い荷物を持っていても、あまり疲れを感じない。 ピ…
今思えば、東京の中に潜む古代性や懐かしさに対して、小説作品にまで昇華させていたのは日野啓三さんだった。 1970年代から80年代にかけて、日野さんは半蔵門近くに住み、深夜、皇居周辺を歩き回りながらコンクリートの冷え冷えとした感覚の向こうに、何かし…
先日、中藤毅彦の新作写真集「「DOWN ON THE STREET」について文章を書いたが、彼は、2018年に「White Noise」という自らの思い入れの強さが特に反映された写真集を作っている。 この本は、彼が尊敬する写真家の川田 喜久治さんの歴史的傑作である『地図』と…
クラゲの話から広がって、さらなる続きを。 地域ごとに異なる神々を信仰していた古代日本において、一つの国としてまとまる時代的必然性が生じた時、普遍的宗教の仏教の理念が取り入れられた。 古事記の冒頭、アメツチはじめの時に登場するアメノミナカヌシ…
八景島シーパラダイスに行った。意外と強く心を惹かれたのは、クラゲたち。 海でクラゲを見つけると、気持ち悪くて逃げてしまい、じっくりと観察することはないけれど、水族館では、色々な種類のクラゲをじっくりと見ることができる。この原始の生物は、5億…
私は40歳になるまで写真界とは無関係だったのに、2003年、突然、風の旅人というグラフィック雑誌の制作を始め、2015年10月まで50冊を制作した。 創刊当時の執筆者は、白川静さん、川田順造さん、河合雅雄さん、日高敏隆さん、養老孟司、松井孝典さんといった…
「彼岸に目を向けることなく、すべてを、神に関することも、死も、すべてこの地上のこととして考え、すべてをこの地上の生のうちに見ること。 すべてのものを、神秘的なものも、死も、すべて生のうちに見ること。 すべてのものを価値に上下のないものとして…
ペルセウス座流星群が極大を迎えた8月12日深夜、北海道では低緯度オーロラが観測され、流星群とオーロラの共演が見られたと話題になった。 確かに美しいのだが、なんだか不吉な気配もある。 測量工学の世界的権威としても知られる村井俊治(東京大学名誉教授…
photo by 許方于 感想を書いているうちに長くなる。複合的で多面的で多層的に大事なことなので手短に書くことは不可能。だから仕方がない。 一昨日、小池博史の脚本・構成・演出による舞台、「Breath Triple」を体験するために、猛暑のなか、木場まで行った…
昨日書いたことに通じる問題だけれど、現在は、映像の加工ソフトの技術進化が著しくて、富士山の写真に無数の星々が煌く天体写真を合成したり、日頃は敵対する動物同士を仲良くさせたり、フェイク画像を簡単に作り出すことができる。 いわゆる社会問題や政治…
7月19日、「過去最大のIT障害」とされる世界的なシステム障害が起きた。 空港や銀行がストップ…医療システムや緊急通報まで大混乱。 このシステム障害は、ウィンドウズパソコンに搭載したセキュリティソフトが原因で、ソフトが自動でアップデートされた際…
さきほど書いた問題にも通じることなのだが、アメリカで、トランプ前大統領が銃撃された。それを伝えるTBSの報道番組で、膳場貴子アナと、元外務省事務次官で立命館大学客員教授の藪中三十二氏のやりとりで、この事件が、「大統領選挙に有利になる可能性があ…
「KYOTOGRAPHIE」を京都の春の風物詩にまで育て上げた主催者の努力への敬意とは別に、この記事で、ダニエル・アビー氏が批評していることは、非常に大事なことを含んでいる。 www.tokyoartbeat.com 特に今日の写真表現の有様について深く考えるべき立場にい…