書籍

第1453回 『生成と消滅の精神史』下西風澄著について。

先週の21日(日)に行ったワークショップセミナーに、昔、風の旅人の編集部で働いていた中山慶が参加してくれて、会が終わった後、ノンアルコールビールを何本も飲みながら夜遅くまで話し込んだ。 その時、彼が、最近読んだ本として、「生成と消滅の精神史』…

第1421回 源氏物語のハリウッド的味付け!?

源氏物語の後半の舞台は宇治。宇治平等院は、藤原道長の息子、藤原頼通が、末法の時代を反映させて、別荘を寺に改めた。 大河ドラマの「紫式部」は、セクシー&バイオレンス路線なのだそうだ。そうしないと視聴率を稼げないのだそう。 テレビ番組については…

第1414回 源氏物語と、宇治の謎。

宇治の宇治橋と、伊勢の宇治橋は、冬至のラインで結ばれており、冬至の日、伊勢の宇治橋の真ん中から、太陽が上るが、宇治と同じく橋姫を祀る伊勢の饗土橋姫神社の位置は、この冬至のライン上にある。 ネットニュースを流し読みしていると、HNK大河ドラマへ…

第1410回 今こそ知るべき源氏物語に秘められた真相(3)

二日間にわたった源氏物語と紫式部の背後に秘められたことについて長文を書いてきたが、これがまとめ。 ここに添付した地図に、その全てが凝縮しており、これを見ると、紫式部や藤原道長と同時代の陰陽師である安倍晴明すら、ここに関わっているかもしれない…

第1409回 今こそ知るべき源氏物語に秘められた真相(2)

昨日、紫式部を主人公にしたNHK「大河ドラマの」への違和感から、源氏物語が書かれた背景について長文を投稿したが、本題はここからである。 さらに、2日前の投稿において、「”もののあはれ”という日本のコスモロジーは、古代ギリシャでは無知の知、古代イン…

第1400回 ものづくりや表現の羅針盤。

自分が作ったものに対する人の評価というのは、気にならないというと嘘になる。 でも、その評価が自分に影響を与えるかというと、まったく関係ない。 「テレビや雑誌に取り上げられました!」みたいなことも、テレビとか新聞といった記号的な組織の評価基軸…

第1397回 つながる縁の力に支えられて。

私の事務所にある鈴鹿芳康さんと鬼海弘雄さんの写真 鬼海弘雄さんに背中を押されなければ、私は、日本の古層の書籍化を考えなかったけれど、鈴鹿芳康さんとの出会いがなかったら、私はピンホール写真を始めていなかった。 不思議なことに、鈴鹿さんとは、テ…

第1388回 電子書籍ではなく本にすることの意義。

まもなく「始原のコスモロジー 日本の古層Vol.4」を印刷会社に入稿します。 本という物体は、在庫が悩みの種なので、先行予約をいただいて、印刷数量を決定する予定です。 始原のコスモロジー 日本の古層Vol.4 まもなく発売。予約受付中。 www.kazetabi.jp …

第1374回 始原のコスモロジー

年に一冊を目標に制作している日本の古層シリーズ、昨年までに3冊作ってきて、今年は4冊目だけれど、今回は、2016年10月から始めたこのプロジェクトの集大成。 「始原のコスモロジー」というテーマに凝縮させている。 この一年の間に、ブログなどでも膨大な…

第1310回 大江健三郎氏に対する複雑で捻れた心情

大江健三郎氏が亡くなった。 ノーベル文学賞作家の死なので、各界から、品のいい賞賛や哀悼のメッセージが色々と発せられるだろうが、私の人生のなかで、この人の存在は捻れていて、とても複雑である。 私は、20歳までは彼の熱心な読者だった。『飼育』と…

第1293回  The Creation Vol.2 天と地の曼荼羅

年が明けてから集中的に取り組んできた「 The Creation Vol.2 天と地の曼荼羅 大山行男写真集」の全体構成とレイアウトとデザインが、ほぼできあがった。あとは、少し熟成させて、若干、写真を差し替えたり、整えたりの作業だけが残る。 この本は、富士山の…

第1265回 人間の流儀

昨日の夜遅く、テレビをつけたら、京大総長でゴリラ研究で知られる山極壽一さんが出ていて、人間の暴力性の起源と理由についての話を展開していたので、しばらく聞き入っていた。 山極さんは、ゴリラという生物は暴力的だと思われているけれど実際は平和を望…

第1203回 生命の曼荼羅

富士山の写真で知られている大山行男さんの新しい写真集「The Creation 生命の曼荼羅 vol.1」 。 これから印刷をする前に、先行予約を行い、部数を決定したいと思います。 このたびの写真集は、富士山だけでなく、富士山周辺の生命の万華鏡世界を表したもの…

第1196回 熱のない時代を生きる自分の寄る辺

作家の梨木香歩さんが、新著のエッセイ集「ここに物語が」を送ってくださった。 www.shinchosha.co.jp ガルシア・マルケスをはじめ、梨木さんのこれまでの読書体験をもとに、どんな本をどんなふうに読んできたかが綴られている。 この本のなかに、15年くらい…

第1171回 『水俣 天地への祈り』 田口ランディ著 を読み終えて 

『水俣 天地への祈り』 田口ランディ著 河出書房新社発行 https://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B4%E4%BF%A3-%E5%A4%A9%E5%9C%B0%E3%81%B8%E3%81%AE%E7%A5%88%E3%82%8A-%E7%94%B0%E5%8F%A3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3/dp/4309029922 久しぶりに、深い…

第1157回 Sacred world 日本の古層Vol.2の完成

新型コロナウィルスによって、この1年以上ものあいだ、世界中の人々が、これまで経験したことのない時間の中を生きています。 天災や疫病は、人間の「理」を超えたものであり、古代から人間は、こうした人間の「理」を超えた試練に直面するたびに、世界観や…

第1091回 デジタル社会における写真集の可能性!?

「Sacred world 日本の古層 Vol.1」を発表してから1ヶ月となり、いくつかのご意見をいただいている。 https://www.kaz www.kazetabi.jp このデジタル全盛の時代に、なんでまたピンホール写真なのと違和感を抱く人もいるかもしれないが(今のところそういう…

セバスチャン・サルガドの新作「GENESIS」

セバスチャン・サルガドの新しい写真集「GENESIS」は、驚くべき写真集だ。まずはそのボリュームに圧倒される。サイズが巨大 (7.6 x 25.4 x 38.1 cm)で、517ページもあるのだが、よくもまあ、これだけのものを、この価格で販売できるものだ。日本国内向…

いのちを映す、すなわち、いのちを移す仕事

(撮影:広川泰士 蒔絵:小原好喬) 今日、NHKの番組、染織家の志村ふくみさんが出ていた。88歳という年齢が信じられない若さ、快活さ。自然の中から色を取り出す仕事に一生を賭け、自然の命を いただきながら生きている。 志村さんは、大切なものをいただ…

田口ランディの新著 サンカーラ〜この世の断片をたぐり寄せて〜

田口ランディの新著、「サンカーラ:。この本は、ほんと素晴らしい。友人だから言うのではなく、この本には、今まさに必要な言葉凝縮していると思う。 昨年の震災後、色々な言葉が社会に泡のように現れては消えていったが、この本の言葉は、そういう類のもの…

田口ランディの新作「キュア」を読む

田口ランディさんの新作「キュア」は、凄い作品だった。 言葉の力を、改めて強く認識させられた。これは、小説だが、純文学とか、エンターテイメントといったカテゴリー分けを無意味化して、田口ランディというジャンルを一つ確立しているとさえ思った。 様…