自民党が強いというより、野党に対して、あまり信頼に値しないというイメージが選挙前からあった。
とくに自民党への対抗一番手であるはずの「中道」。
今回の立憲民主党であれ、小池旋風が吹いていた時の民主党であれ、選挙対策のためだけに他の勢力に擦り寄っている姿を見て、この人たちの何を信じればいいのか? 国民の多くがそう感じていたことだろう。
自民党がこれだけの支持を集めてしまうことの不思議さよりも、野党が、なにゆえにこれほどまでチグハグなのかを考えた方がいいのかもしれない。
それは、野党であっても、けっきょく与党になった瞬間、自民党とあまり変わらない政策を行うだけで、だから、ただ選挙に勝つための手段しか考えないからではないか。
民主党の前に社会党が連立で与党になった時もそうだった。
現在の社会党の没落は、あの時から始まっている。あれが、社会党の信用を失墜させた。
ならば、自民党においても、誰が首相であっても変わらないということなのか。それとも、高市首相の場合は、何かが大きく変わる可能性があるのか?
高市首相の言動に不吉なものを感じる人は多い。とりわけ、進退をかけた選挙で圧勝したということになると、自信満々に事を進める可能性が高いわけだから、なおさらだ。
でも、そういうことが事前に感じられていたのに、日本人の大勢が、高市自民党を支持した。
こうなってくると、多くの日本人は、政府にいったい何を期待しているのかという問題を考えざるを得ない。
多くの日本人は、いったいどこに向かうことを望んでいるのだろう。
そして日本人は、いったいどういう状態を健やかな人生だとみなしているのだろう?
給与は安い、物価は高い、税金も高い、外国人が増えることが不安といった具合に、多くの日本人が、不満や不安を抱えていて、それらの不満や不安は、政治が変わることで減少すると考えているのだろうか?
汚職や利権がなくて、戦争がなくて、自由が確保されていれば、あとは、集めた税金を、きちんとした審議によってフェアに使っていただくこと。その上で、自分の不満や不安は、自分でなんとかするという覚悟を持たなければ、人々の不満や不安に付け込んで利用しようとする輩が必ず出てくる。
これは政治に限らず、経済界でも同じで、人々の不満や不安を煽ることで商品の販売につなげようとするビジネスは、いくらでもある。
政治家よりも恐ろしいのは、同調圧力で巨大な集団となった、不安や不満の塊の人々。
歴史を振り返ると、そのことは明らかだ。
もはや、選挙結果は変えることができない。
これから、自民党政権がどういうことを行なってくるのかを注視するとともに、国民の空気の変化も、見落とさないようにしなくてはならない。
改革が遅いとか手ぬるいなどと、不安や不満がさらにくすぶるようだと、危険だ。
人間が性急で雑な対応に走る時、必然的に悪循環のサイクルに入ってしまう。
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