2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

第998回 もののあはれと幽玄

第7回 風天塾開催 もののあはれと幽玄〜近代合理主義を超えて〜「源氏物語と日本文化の秘めた力」 お申し込みはこちら➡︎https://www.kazetabi.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/ (和蝋燭の灯りに照らされた空間で) 日時 2017年4月28日(金…

第997回 格安旅行の旅行会社の倒産の裏側

東芝の1兆円近い負債のことで大騒ぎになったので、てるみくらぶという旅行会社の倒産で発生した150億円の負債は、一般の人にはとても小さくみえるだろう。 そして、このことについて、「資本主義経済をとる以上、企業の倒産は避けられない。自由競争、規…

第996回 脱中央集権的な社会という夢

PHOTOGRAPH BY ROBERTA RIDOLFI 出典『WIRED』 ルイス・アイヴァン・クエンデ|LUIS IVÁN CUENDE 1995年、スペイン・アストゥリアス州オヴィエド生まれのシリアルアントレプレナー、エンジニア、ハッカー、クリプトアナキスト。 この21歳の天才青年の考え…

第995回 人間の尊厳とは 

映画「この世界の片隅に」(監督:片渕須直、原作:こうの史代)がとてもよかった。 ごく普通のことを積み重ねていくことが、こんなに愛しく、そしてそれを失うことが、こんなにも哀しいのだと、胸にしみた。 http://konosekai.jp/ 嫁入り前のすずが暮らして…

第994回 写真に言葉は必要か否か

写真も、言葉も、それを作り出した人間も、それ単独では不完全なもの。それが存在するだけで、知らず知らず世界を損なっている。それは、大脳を発達させてしまった人間の宿業。生命の生存に直接に結びついた小脳と違い、大脳は、経験を応用的に処理し、より…

第993回 末法の世

2011年3月11日から6年経った。 このサイトには1000本を超える動画が、位置情報を特定して記録されている。 http://311movie.irides.tohoku.ac.jp/SearchPage?8 このうちの1本を見るだけでも、自分の中の何かが崩れていくような気持ちになる。この震災…

第992回 1000年前よりも遥か以前と現代の紐帯になる源氏物語

私は源氏物語の研究者でもなんでもないが、なぜかその私が、同志社大学で源氏物語関係のイベントを企画しているので、最近、これまでよりも源氏物語を身近に引きつけて考える癖がついている。 1,000年前に書かれた源氏物語は、欧米世界では近代小説の傑作と…

第991回 根源と全体を受容すること②

小栗さんと京都の清水あたりを歩いている時、小栗さんがデビュー映画「泥の河」を作ってまもなく、若狭と東大寺のお水送りとお水取りのリポーターをやった時の話をされた。 この時のことは、1987年に発行された「哀切と痛切」という本の中に書かれている…

第990回  根源と全体を受容すること①

20歳の頃、2年間の諸国放浪の前後、計り知れない影響を受けた人物が二人いた。一人は小説家、もう一人は映画監督。 世界に対する視点、世界への向き合い方、掘り下げ方は、この二人の作品世界に触れたことで、かなり方向付けられた。それまで試行錯誤しな…