2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

出版不況と、シンギュラリティ

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150126000042 出版不況ということが言われて久しいけれど、昨日の京都新聞に出ていたこのグラフを見たらわかるように、取り次ぎ流通を通すこれまでの出版流通の方法だと、もはや立ち行かないということが明らかに思…

自由の敵は自分(後半)

セレンディピティという言葉がもてはやされ、計画通りにやるのではなく他者との出会いという偶然性を自分のより良き人生に生かしていくという発想があるが、まったくの偶然というものはなく、偶然の機会を捉えるための準備が自分の中にできていることが大事…

自由の敵は自分(前半)

昨日のテレビで見た「プロフェッショナル」で紹介していた「かけつぎ職人」の松本孝夫さん、素晴らしかった。安価な化学繊維による大量生産の衣服を少し着ては使い捨てることが当たり前の風潮のなかで、たくさんの思いが詰まっていて捨てることのできない衣…

「表現の自由」をしつこく考え続ける自由。

「表現の自由を守らなければならない」という言葉が飛び交う。しかし、その表現は、一体誰に向けて行なわれているものか。 顔の見えない広く一般的な人びとか(発行部数などのように数字で表される)、それとも、特定の、どうしてもそのメッセージを送り届け…

偶像化とは、物事を一緒くたにして、本質を見誤ること。

「表現の自由か冒涜か」という議論がある。自由の為に他者を冒涜してもいいのかどうかという議論だ。しかし、そういう議論に覆われてしまうと、あの風刺画が、その内容を吟味することなく「表現の自由」のイコンになってしまい、殺害された人達が、表現の自…

預言者風刺画と、表現の自由について

フランスのテロ事件で銃撃された週刊誌シャルリエブドが、今日、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を掲載した最新号を発行した。銃撃テロのすぐ後から準備に入り、国内外のメディや団体から資金援助を受け、通常は5万部前後の発行なのに、国内外からの…

自由の闘いというより、権利の防衛。

昨日のブログに書いたフランスの週刊誌シャルリエブドは、その後、瞬く間に売り切れて300万部から500万部に増刷することになった。 もともと5万部程度を発行する週刊誌が、今回のテロの標的になったわけだから、私のようなちっぽけな媒体を運営してい…

”モノノケ”と”色好み”の哲学

昨日、京都の下京区にある名勝 渉成園で源氏物語に関する催しが行なわれた。素晴らしい庭園を背景に、千年の時空を超えて魂を遊ばせながら、近代社会の様々な問題を乗りこえるための哲学が、最新の社会学や西欧からの輸入思想ではなく、この日本の根元にある…

地獄極楽この胸の中 仏心で物を観よ

今年の書き初めと、高野山の伽藍に再建された中門の前 5年連続で新年に訪れた高野山。前日、京都は大雪だったが、高野山も氷点下7度と聞いて、覚悟して出かけた。4年前の2011年の正月も、高野山は大雪だった。あの時は、寒さと雪のすごさもあって、初…

波乱の年は試練の年、そして転換の年

あけましておめでとうございます。 初めてすごす京都の正月です。昨年まで四年連続で高野山で年越しをしていて、その間、本当に激動が続きました。最初の年は下山後に津波と原発事故があり、風の旅人の休刊があり、翌年は新しく会社を設立して風の旅人を復刊…