2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「心」は機械的に説明できない

撮影/石元泰博→ 「風の旅人」第21号より 明日、全国書店で「風の旅人』第21号、”LIFE AND BEYOND”〜永遠の現在〜が発売されます。 → http://www.kazetabi.com/ 8月というのは、お盆があり、原爆が投下され太平洋戦争が終わった時でもあり…

自分の言葉

ある種の”ナーバスさ”について考えたい。 たとえば自分が所属するA社などで不祥事が発生した場合、自分が直接その責任をとる役員でなく一社員である場合の心情についてだ。 その不祥事に対して、A社の経営手法や内部管理体制などに対する様々な批判が生じ…

実証主義の呪縛を超えたい

先日及び、今年の一月に科学のことについて対話を行い、神楽坂で一度、お食事をともにしたアクエリアンさんのブログで、下記のようなお医者様に関する記述があった。 「長年内科医を務められ、今でも先生を頼り診察を受けたいという患者さんを診ておられます…

合理と不合理

人間に限らず、自然界のモノゴトは、最終的に合理的にできているように見える。数億年もの歳月を生き抜いてきた昆虫などを見ても、極めてシンプルで合理的な生存戦略を持っているように感じられる。省エネでなくては、生存競争の激しいなかで、長く生きてい…

国立科学博物館、そしてワーキングプアー

東京の上野の国立科学博物館で南極展が開催されていたので、五歳の息子と行く。 息子は、最近、どこに行っても難しい質問を突きつけてくるが、南極展でもそうだった。 剥製のペンギンとかアザラシが作り物の氷の上に置いてあって、それを見て、「これ、誰が…

戦争とメディアと魂と、8月のこと

7/19の記事に対するコメントを下記のようにいただいた。 『暫らく続いたkazetabiさんとM. F.さんの論争を読んでいて、ドストエフスキーの「地下室の手記」を思い出したのは単なる偶然でしょうか。なるほど、M. F.さんがいくら「2x2は4」と説いても、…

真理は常に”次の一手”のなか

「相対主義」というのは、広辞苑によると、 「一切の認識は、主体と客体との様々な関係によって制約され、単に相対的妥当性しかもたないと考える立場。倫理学では、価値の普遍妥当性を否認し、価値は時空空間の差異により変化すると考える立場。」ということ…

OWN LIFE

お陰様で、「風の旅人」、Vol.23(12/1発行)の構想が整った。 テーマは、「OWN LIFE」。その趣旨は、下記のようなものだ。 「自分の現実、自分が触れられる現実、自分が自分で責任をもっていく現実、自分に特有の現実、自分が触れる現実に…

ブログと、相対的な視点

7/16の科学に関する話し合いのなかで、 私の書くことが、「相対主義者の論法の典型例」と批判された。 しかし、もともと私はこのブログで、相対的なモノの見方を書いている。つまり、世界は関係性で成り立っていて、その関係性は常に流動的であると。流…

江戸絵画と、現代の知性

東京の国立博物館で開催されている「若冲と江戸絵画」を見てくる。とてもいいものを見た。若い人が大勢来ていて、少し驚いた。 江戸時代に既に日本人が達していた「豊かな知性」に触れると、「私たちが西洋から輸入して勤しんで作り上げてきた近代とは何だっ…

なぜ、「編集便り」を書くのか

7/9のエントリーに対するM.Fさんのコメントに対する返事が長くなるので、こちらに書きます。 その前に、私がこの「編集便り」に書いているのは、M.Fさんの指摘するように、何か(たとえば科学)に対する反動からではなく、「風の旅人」の読者に対し…

本当の「科学的態度」とは!?

7/13のエントリーに対して、『本当の「科学的な態度」というものを誤解されているのではないでしょうか?貴誌でも連載されていらっしゃる養老さんや茂木さんは真に「科学的な態度」というものを知っていると思いますよ。』 というコメントを頂いたので、…

対話の固有性が損なわれている

マスメディアに限らず、ネット上のブログや掲示板の書き込みなどでもそうだし、写真の売り込みや履歴書などにおいても、広告会社が相手かまわず使いまわしをする企画書のように、誰に向けられているのかさっぱりわからないという状況が、今日の情報伝達の一…

科学が未来を作るのではない

科学技術は、未来を作り出しているように思われているが、実際には、未来を奪っているのではないだろうか。 科学技術は、人間の実際の生活に役立つものを作り出しているかのように言われる。でも、それは、あくまでも今一瞬の便利さと解決に関してであり、少…

風の旅人と「書」の呼応(後半の部開催)

6月上旬より、東京の銀座、松屋のすぐ傍のギャラリーで開催されている「風の旅人」と書道のコラボレーションが、7月より、後半の部に入りました。 ギャラリーNAGO→http://gallery-nago.com/ 前半が、「幽」とか「寂」をテーマにしたものでしたが、後半…

”永遠”とは

「風の旅人」の10月号で紹介する伊勢神宮に、7/1〜3日まで、前田英樹さんと行ってきた。 伊勢神宮の内宮のすぐ近くに宿をとり、内宮参りを三度行い、神に供えられる米を生産する神田から内宮までの道を歩いたり、古代の杜と、その周りの世界の空気を身…