校了直前に全体をもう一度読み直したのだが、今回、改めて言葉の力というものを、すごく感じた。私なんぞより遥かに読書量の多い若い人二人にも手伝ったもらったのだけど、一人は、「本当に鳥肌もののコンテンツが多くて、息をするのも忘れて読んでました。校正どころではありませんでした(笑)」と言い、もう一人は、北スペインの巡礼の旅の途中、Dropboxに入れたPDFで読んで、「文章、どれもすごい迫力でした。自分が一気に深みに連れていかれる感じでした。そして、明確に、書き手同士
の文章が呼応していると感じます。今回の文章は、読んでる時の衝撃も強いですが、それが身体に残る感じもすごいですね。スペインを歩きながら、沈黙を抱え、言葉の残響を噛み締めています。」と、感想を述べてくれた。
今回の書き手は、管啓次郎さん、今福龍太さん、茂木健一郎さん、田口ランディさん、姜信子さん、蛭川立さん,小池博史さんなど、特に意識したわけではないが私と同年代の人が多い。この世代は、上の世代のことも下の世代のこともわかる世代だが、とくにこの書き手達は、世代を越えた人々と常に交流しており、世代やジャンルの壁の中に閉じていない。そして、思いは強烈だけど、とても柔軟な頭を持っている人達ということで共通しているのだ。このことは、これからの時代を生きて行くうえでとても重要なことだと思う。思いが弱くて柔軟だと、周りに流されやすいし、思いが強いけれど柔軟性に欠けると、視野狭窄に陥ってしまう。思いが強いけれど頭は柔軟というのは、風の旅人を作っていくうえでも重要な鍵だ。文章も、写真も。
風の旅人 復刊第一号 オンライン注文受付中です。
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