庭に植えたコブシの花が咲いた。頼りない枝振りだったので咲かないと思っていた。三日くらい前に、蕾が少し膨らんでいたので、もしかしたらと少し期待してはいたけれど、昨日と今日、急に暖かくなって一挙に花が開いていたので驚いた。花を咲かせるタイミングを知っていることが、とても不思議だ。
そもそも”知っている”とか、”わかっている”というのはどういうことなんだろう。
自分の中の準備と、外の変化がうまく釣合った時に、次のアクションを起こすこと。アクションにつながらなければ知っていたことにならない。外の変化をうまくとらえて、それに反応できなければ、わかっていたことにならない。
アクションを起す前は、静かに待ち続けている。花を咲かせる気色をいっさい見せずに、待ち続けている。
静かに待ち続けることができるのは、全体の大きな流れと今この時の関係を知っていて、わかっているからなのだろう。
間合いを掴んでいるというのは、そういうこと。
知っているとか、わかっているというのは、物事の間合いを掴んでいること。
人間は、自然を利用したり克服したりすることに一生懸命だけど、自然の間合いを掴んでこそ、自然と美しく共存できるのだろうと思う。
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