2005-01-01から1年間の記事一覧

生きていく力の分配

最近の企業の仕事現場などにおいて気になることは、量とスピードと正確さに対応できる能力を社員に過剰に求めていることだ。そうなる理由として、?変化が激しく、作業量が増えていること。?短期的に結果を求められてしまうこと。?苦情に対して極端にナーバス…

筋立てとは関係なく

日曜の午後、吉祥寺のバウスシアターまで行って、テオアンゲロプロスの「旅芸人の記録」を見てきた。 10/29〜11/11まで、新作の「エレニの旅」をはじめ、これまでの代表作を特集している。アンゲロプロスの作品は、ほとんど全て見てきたが、いつも…

「畏敬」と「解体」

茂木健一郎さんの、クオリア日記(http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/11/post_0883.html)の10/31の記事に、下記のような記述があった。 << 相模女子大学で、日本文学協会のシンポジウム。青嶋康文さん、高木信さん、それに私で、それぞれ…

相互理解への願いと「表現」

一昨日の立教大学のイベントにおいて、石牟礼さんのビデオ講演の後を受けたのが、田口ランディさんだった。 会場には、ランディさんの人気もあって、大勢の若者がいた。 ランディさんのファンの若者は多くいるのだが、ランディさんに対する評価に関して、文…

曖昧と論理

昨日、立教大学で行われた「環境と文学のあいだ」を聴講する。 プログラムは、石牟礼道子さんのビデオ講演+朗読、田口ランディさん、川村湊さんの講演。 石牟礼さんの講演と朗読は、時折何を言っているのかわからないのだけど、終始不気味な気配がたちこめ…

100年前の蓄音機とシンクロ

昨日、下北沢の骨董屋さんで、100年前の蓄音機で音楽を聞く機会に恵まれた。 蓄音機の音楽を生で聞いたのは初めてだった。聞く前のイメージとして、蓄音機の音はしみじみと味わい深いだろうくらいの先入観は持っていた。その先入観としての”味わい”という…

昨日の続き

昨日の日記で、 「・・・・・そういう人の一部は、現在の「言葉」(大脳新皮質の産物)にほとんど期待していない。彼らは、音楽を愛好している。音楽によって、「言うに言われぬ気分」のなかに確かに在るものを満たしている。それは昔の人が、大脳新皮質に寄…

自分のやりたいこと?(続き)

そもそも、「自分のやりたいこと」とか、「自分のレール」を最初からイメージできる人って、ごく稀にいるのかもしれないけれど、ほとんどいないと思う。 誰にとっても修業期間というか潜伏期間があるのだけれど、その期間にいったい何をするべきなのかと悩む…

自分のやりたいこと?

「自分のやりたいことがある。でもそれをやる為には困難が多い。そして、生活は苦しくなる。こうなる理由は、大人が作った社会が悪いから。だから、社会的にこの問題を解決していかなければならない。または、自分の務めている会社では、自分のやりたいこと…

若者と大人と社会って?

昨日、NHKの番組で、「日本のこれから 知っていますか?若者たちのこと」と題する番組があった。泉谷しげるが言っていたように、VTRが多すぎて、議論が中途半端だった。NHKも番組の体裁をつくろうとして特定の若者の生活とかをダラダラを取材してV…

HEAVEN’S WILL

「風の旅人」Vol.17(12月1日発行)の巻頭の写真部分の初校が出る。同時に、Vol.18(2006年2月1日発行)の企画がほぼまとまったので、これから少しずつ、関係者に連絡をしていく。 VOL.18のテーマは、HEAVEN’S WILL〜…

さらなる旅

「風の旅人」の16号を見て、執筆者の一人、管啓次郎さんが、「旅にあって、旅を否定しつつ、さらなる旅をめざす」という現在に生きる全ての人にとって必要なスタンスを、「風の旅人」が実現していると評価してくださった。 すなわち、旅という探求の路にあ…

世界と呼応する力

今日の午後、錦糸町の現代美術館で開催中のイサム・ノグチ展を見た後、東京駅の大丸美術館で開催中のキリコ展を見る。 ギュスタブ・モローもそうだった(http://blog.livedoor.jp/kazetabi55/)けど、キリコ展もあまりいいと感じない。どうも私は、幻視美術…

「風の旅人」と世代論(続き)

「風の旅人」と世代論について、もう少し考えてみる。 20代、30代といった厳密な年齢で括ることはできないけれど、人間が成長していく段階において、ある種の規則性があることは間違いないと思う。 若い頃の本能として、「 大勢の人が正しいと思っている…

保苅実と「風の旅人」と世代論

ソーシャル・ネットワーキングの「MIXI」の中の、「風の旅人」読者会というコミュニティに、以下のような書き込みがありました。 「リニュアール第一号を見て、思わず、あれ?って思ったっていうか、新鮮な感じもしたのですが、保苅実さんのテキストが紹…

2005-10-05

写真の売り込み

「風の旅人」に写真を掲載してもらいたい、という売り込みの電話とかメールをよくいただく。最近、写真をメインに扱う雑誌が少ないということもあって、たまたま書店で目にした「風の旅人」(最近、表紙を写真に変えたことで、写真をやっている人の目に留ま…

リニューアル第一号

「風の旅人」の第16号が10月1日より書店で発売されています。 → http://www.kazetabi.com/ 今月号より、リニューアルしました。 表紙デザインも中身に合わせて変えました。 今まで、写真の強さを強調する作りをしていましたが、写真だけでなく文章も素…

共感とズレ

土曜日に中村征夫さん、日曜日に関野吉晴さん、月曜日に野町和嘉さん、火曜日(今日)に浅井慎平さんと会い、リニューアルされた10月号を見せたりして、いろいろ感想を聞いたり、意見を言い合ったりした。浅井さん曰く、「昔は編集者と会って、飲みながら…

多様性と可能性

午前中、東京都庭園美術館で開催されている「庭園植物記展」を見てくる。この美術館は、アールデコの建物の雰囲気がよく、特に今日のような雨の日に、館内から庭園の濡れた緑を眺めていると、とてもくつろいだ気分になる。 館内でやっている展覧会は、幕末期…

「風の旅人」バックナンバーフェア

10月1日からリニューアルされる「風の旅人」16号の発売に合わせて、書店でバックナンバーフェアが開催されます。今回は関東以外の地域でも開催を予定しています。是非、足を運んでみてください。 日程、開催店舗はこちらをご覧下さい →http://www.kazetabi.c…

写真と「美」と世界

エルンスト・ハースが絶賛した水越武さんの写真(解像度が低いため、氷の先端部分から水滴の氷が成長していく様子が伝わらないのが残念)→ 北海道の水越武さんの所に行ったのは、「風の旅人」のVol.18(2月1日発行)で、「自然の摂理」をテーマに特…

星を目指す

9/17〜19、北海道の屈斜路湖畔に住む写真家の水越武さんを訪ねて、打ち合わせを終えた後、一緒に知床半島をまわる。 水越さんの写真に真剣に向き合うと、自然の法理のようなものが目に焼き付き、自然を見る目が変わる。 水越さんは、写真家にもっとも…

芸術と、新しい回路

日曜日に、世田谷美術館で行われている若林奮展に行った。2003年に亡くなった若林氏は鉄など金属を使った彫刻家として知られているが、この展覧会で彫刻は数点に限られ、主に版画作品を見ることになった。 若林氏の彫刻作品や版画を形容するならば、「ク…

民意とは!?

Koseki様 コメント有り難うございます。長くなりますので、こちらに書きます。 昨日の選挙の結果で”空しい気持ち”に支配されていましたが、Kosekiさんのコメントで、少し、気持ちが立ってきました。 私が感じた”空しい気持ち”というのは、やはり…

自民党圧勝

衆議院の総選挙で、自民党が圧勝。 8/8の解散時に書いた憂いは、そのまま続くことになる。 →http://blog.livedoor.jp/kazetabi55/archives/29982509.html

プロの真剣勝負

「風の旅人」Vol.16(10月1日発行)の巻頭を飾るEMMET GOWINの写真の色調整がうまくいかなくて、今日の夜、6回目の校正を出す。明日、下版なので、これが最後だ。 標準レベルはクリアしているので、どこかで妥協しようと思えばできたの…

自己決定権!?

今朝の朝日新聞で、出産直後に長男を亡くした両親が「帝王切開を強く希望したのに医師に拒まれ、自己決定権が侵害された」として、医師らに8千万円の損害賠償を求めた訴訟の件が掲載されていた。この件で、朝日新聞は、患者の自己決定権と医師の裁量をどう…

コメント覧設定ミス

昨日まで、コメント覧の設定が間違っていて、「はてな」ユーザー以外、コメントに書き込めない設定になっていました。ライブドアからこちらに移した理由の一つがコメントの文字数制限だったのですが、設定が間違っていて、失礼致しました。本日、掲示板で御…

見る呪力

野町和嘉さんの所に写真を見に行く。 まだ先の企画だけれど、少し考えていることがある。 それはイスラムのことだ。最近のテロのことで、イスラムというと血なまぐさく過激なイメージが広まってしまっている。しかし、旅行などをする際、イスラム諸国ほど安…