LIFE ITSELF

VOL.26の表紙です→




「風の旅人」Vol.25(4/1発行)に掲載されている「吉原家の130年」の写真展が、広尾のエモンフォトギャラリーで開催されています。5/28〜6/9(日曜休館)

 →http://www.emoninc.com/test/exhibition/spiral.html

*このページをプリントアウトして持っていくと、入場料無料です。


また、「風の旅人」VOL.26(6/1発行)が、そろそろ書店に並び始めました。

テーマは、”LIFE ITSELF”です。

http://www.kazetabi.com/

 この世に生を受けたものは、何一つ単独で存在せず、常に他の何ものかと作用し合い、「死」も含めた全体の一部として存在しています。

 また、生きることは、自分と世界のあいだの精妙な運動ですから、どの局面も不完全ではあり得ません。その意味で、生まれて間もない頃や、死の直前においても、「生」は、それじたいで厳粛に成立しています。

 現代社会に広く浸透している認識では、赤ん坊や子供は大人になっていく過程とみなされ、老年は、完成したものが衰えていく過程としてみなされる傾向がありますが、そうではなく、子供も成人も老人も、その局面ごとに、それじたいで唯一のものとして完成しています。

 いたいけなもの、あわれなもの、さびれたものが人間の心を捉えるのは、そこから漂う「死」の気配が、「生」の奇跡的なバランスを再認識させるからではないでしょうか。

「生」の運動は極めて精巧であるがゆえに、「生」を全うしているものからは、同時に、「死」の気配も漂っています。そして、「死」の気配が濃厚なものほど、「生」の気配も濃厚になります。「生」あることのかけがえのなさは、宿命的な「死」と深くつながっているように感じられます。

この世の営みの全ての一瞬は、始まりであり、終わりであり、なるべくしてなる均衡のなかで、「死」と背中合わせの「生」そのものとして完成している。

 そうしたことを、誌面を通じて少しでも感じていただければ幸いです。


◎「風の旅人」のオンラインショップを開設しました。定期購読、バックナンバー、最新号の購入が、コンビニ支払いでできます。「ユーラシアの風景」(日野啓三著)も購入可能です。

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