ヒッグス粒子発見の盛り上がりの背後に?

 7月4日、欧州原子核研究機構(CERN)が運営する大型ハドロン衝突型加速器LHC)で実験を行っている2つの研究チームが、“神の粒子”とも呼ばれるヒッグス粒子を、あるいは、ヒッグス粒子であることが有力な未知の粒子を、それぞれ99%以上の確実さで発見したという発表し、ちょっとした騒ぎになっている。http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120705001&expand&source=gnews 
 そして、同じようなタイミングで、東北に、ヒッグス粒子の研究をする最先端の実験施設を誘致するというニュースが出ている。しかし、粒子加速器は、大量の電気を必要とする。筑波にあるKEK高エネルギー加速器研究所の場合、一般の家庭で使う年間の電気量の約14万戸にも相当する。ヒッグス粒子に便乗した、復興予算狙いでなければいいのだが・・・。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120705/k10013347161000.html

 しかし、そもそも、粒子間および宇宙に働いている力について、LHCの研究者をはじめ、最先端の研究者が根拠としている「重力をもとにした物理」の標準理論だけで解明できるのだろうか。
 現在では標準とされていない、「プラズマ物理物理学の基本である電磁流体力学の上に立脚した理論」は、考慮しなくてもいいのだろうか。
 現在の標準理論だと、暗黒物質ヒッグス粒子という仮定の物質を持ちださねばならず、その発見をめぐって激しい競争が繰り広げられている。
 そして、”計算上”、宇宙の中は、目に見える物質の割合がどんどん減って、大半が、ダークマターという人間に認知できない物質が占めているというふうになってきている。
 そして、「重力をもとにした物理」の正しさを証明するためには、動きまわる粒子に抵抗を与えて質量を生じさせる場というか粒子(素粒子論では場も粒子も同じ)であるヒッグス粒子(ヒッグス場)というものがなければならない。その発見が、今年には可能だと、欧州のCERNアメリカのフェルミが宣言していて、欧州の情勢が揺れ動く今(7月4日)、CERNが、99%発見したことは間違いないと発表した。

 しかし、2010年に大阪大学の細谷裕教授が興味深い理論を発表している。
 暗黒物質と、ヒッグス粒子は同じものでないかと。しかし、現在の「標準理論」だと、暗黒物質は壊れず、ヒッグス粒子はすぐに壊れるものとされるので、細谷教授の説は、標準理論と食い違っている。そして、ヒッグス粒子が不安定なら崩壊時に観測可能だが、そうでなければ、観測できない。
 しかし、そもそも、仮定のヒッグス粒子ダークマターを想定しなければならないのかという疑問もある。
 この宇宙は、99%、プラズマが満たしているということが、近年の観測でわかっている。暗黒物質とか暗黒エネルギーとかヒッグス粒子云々で説明するのではなく、プラズマ物理の電磁流体力学を考慮に入れれば、仮定の暗黒物質ヒッグス粒子は持ち出す必要がない。
 プラズマの電磁流体力学を中心に研究していけば、ヒッグス粒子暗黒物質もろとも、否定される可能性がある。
 現在、仮定されている「ヒッグス粒子」は、物質に重量を与えるものとみなされている。言いかえれば、物質の持つ質量の大きさを重量として表面化させている、つまり、重力として働いているのがヒッグス粒子という事になる。重力は、エネルギーと言い換えてもいい。
 そのエネルギーを「粒子」の存在で証明しようとするのが、ヒッグス粒子の存在を拠り所にする標準理論。
 しかし、プラズマのエネルギーの一定性と波動性で、暗黒物質と仮定されている物質のことも、不安定と仮定されているヒッグス粒子のことも、説明できるのかもしれない。つまり、重力とされているものも、プラズマのエネルギーが正体であるという話になるかもしれない。 そして、プラズマには引力も斥力もあるので、暗黒エネルギーとされているものは、プラズマの斥力かもしれない。
 話がややこしくなったけれど、私が言いたいことは、簡潔にまとめると以下のこと。
 特殊な領域の専門家は、”仮定”を事実のように確信し、だからこそ、その仕事に没頭でき、莫大なお金をそこに投じるわけだが、素人的に考えると、”仮定”のもの(ヒッグス粒子ダークマター)を追い求めるばかりではなく、事実として存在していることが明確になっているもの(プラズマ)も合わせて考えるという、科学として原点に帰るというか、柔軟性を取り戻すというか、結果として、視点の広がりを獲得する研究がなされてもいいのではないかと素朴に思う。
 プラズマをもとにした宇宙論も完全ではないかもしれないが、標準理論もそれだけでは完全ではないかもしれない。現在、科学の世界の権威になっている「標準理論を拠り所にしている専門家が、それ以外の可能性にも視点を広げる余裕を持ってくれた方が、人類の未来に貢献できるのになあと思う。
 しかし、権威の力は強い。本当に、東北の地に、莫大な電気を使う粒子加速器が作られるようなことになってしまうのだろうか。
 国家が税金を使うためにも、権威の力があった方が話が通りやすい。原発再稼働と、莫大な電気を使う粒子加速器の建設が、どれだけ関係あるかわからないが、なぜこのタイミングなのだろうと思ってしまう。
 CERNの発表も、欧州の情勢が揺れ動く今というのが、本当に不思議だ。