風の旅人を創刊してから９年間、書店に流通していましたが、その間に苦しめられたのは返本でした。近年、出版社の発行点数が異常に多く（一日に新刊が２００〜３００と聞きます）、書店によっては、届けられた段ボールを空けることもなく返本すると聞きます。当然です。届いた本を棚に入れようと思えば、棚に入っているものを出さなければなりません。毎日、それを繰り返すことは気の遠くなるような作業です。
しかも、最近は、書店のドル箱だった漫画等が、どんどんデジタル書籍化され、中小書店の経営は益々厳しくなっており、目先の販売に走らざるを得ない状況です。つまり、テレビで話題になると陳列数を増やして目立たせるとか。
そのうえ、この秋、Kindleが上陸するわけで、書店流通の先行きはかなり厳しいです。もちろん紙の本は残る筈ですが、それを取り扱う書店の数が減って行くのは目に見えており、今から別の販売方法を構築していかねば、風の旅人も、発行し続けることができません。
何よりも返本は大きなダメージです。定期刊行物の場合、一度戻ってきたら終わりです。その為に余分のものを大量に印刷しなければならないことは、本当に苦痛でしたし、運営を圧迫しました。それゆえ、今後は書店販売を行わず、直接販売に徹し、事前の申し込みに応じて印刷を行います。
発行は１２月１日ですが、１１月中旬までに、予約数に応じて印刷数を決定します。発行後も少しは在庫を残しますが、倉庫代の負担も大きいですので、在庫ゼロを目指して運営していきたいと思います。
現在、オンライン注文を受付中です。よろしくお願い致します。
