社会

第1278回 In all chaos there is a cosmos,in all disorder a secret order.

4年前に私が撮ったピンホール写真。 (最近、井津建郎さんが撮った写真) 井津建郎さんにも許可をいただいて、井津さんが撮った写真と、私が撮ったピンホール写真を並べてアップしました。 ここにアップしている2枚の写真は、奈良の柳生の天石立神社ですが、…

第1277回 ドイツ対日本の試合で、日本チームの修正力に感心しきり。

ワールドカップが始まっていることや、日本対ドイツ戦があるということも、まるで意識しておらず、たまたま映画を見ようと思ってプライムビデオをつけたら、冒頭に試合放映の告知があったので観ただけなのだが、ドイツ対日本の試合は面白かった。 歴史的勝利…

第1276回 量子コンピューターの時代の思考特性とは?

花背の三本杉。(京都府京都市左京区) 3日前のイベントの後の懇親会で、「花背(京都市左京区)の三本杉のところに白鷹竜王の碑がありますが、あれは何ですか?」という質問を受けた。この偶発的で、ローカルで、普通の人にとってはどうでもよい問いから、…

第1274回 学校教育の問題と、教育に携わる教師の問題 

北海道の中学校が実施した修学旅行で、全ての生徒に配る必要がある「全国旅行支援」のクーポンを、生活保護受給世帯の生徒らに配っていなかったことが判明した。修学旅行を担当した旅行会社が「公的支援を二重に受けることはできない」と制度を誤解していた…

第1272回 文字が変えた日本人の思考特性!?

ヴァルカモニカ渓谷の岩絵。約1万年前からローマ時代までの8000年間に描かれた14万点にもおよぶ精巧な線刻画が残っている。 ジュリアン・ジェインズは、『神々の沈黙』という著書のなかで、人間がアルファベットを使い始めた時から言語野が左脳になり、それ…

第1271回 わかることと、わからないことの間

わかることと、わからないことの間の在り方について、色々と思うことがある。 先週、スタンフォード大学の学生に対する講義を行った。スタンフォード大学の学生は、自分が選ぶ海外の国において、一定期間、授業を受けるプログラムに参加できる。 私が関わっ…

第1269回 ロシアとウクライナの戦争で巨額の利益をあげているのは!?

「ウクライナが史上初めてアメリカから原油の輸入開始」。 現在のことではなく、2019年のニュースだ。 www.jetro.go.jp 現在、世界的な原油高の状況が、とてつもなく深刻になってきているのだが、この引き金になったのは、もちろん、ロシアとウクライナの戦…

第1265回 人間の流儀

昨日の夜遅く、テレビをつけたら、京大総長でゴリラ研究で知られる山極壽一さんが出ていて、人間の暴力性の起源と理由についての話を展開していたので、しばらく聞き入っていた。 山極さんは、ゴリラという生物は暴力的だと思われているけれど実際は平和を望…

第1263回 日本文化の根本原理

香取神宮 旅の記録メモのつもりでも、他の場所との関係で考えていくと、どうしても長くなってしまう。 このたび、茨城県の鹿島神宮と千葉県の香取神宮を訪問した。 現在、神社が国家の管理から離れているため、「神宮」を称するかどうかは各神社の判断に任せ…

第1261回 シベリア収容所を通して見るロシアとウクライナの現実

昨日、新宿のオリンパスギャラリーで行われている野町和嘉さんの「シベリア収容所」の写真展において、野町さんとトークをさせていただいた。 野町さんは、報道写真を撮っているわけではないので政治的な話になるのは嫌そうだったが、私なりに気になることが…

第1255回 じっと見入ることと、目に見えない波動のこと。

先週、愛媛の今治でピンホール写真について講演を行なった時、会場で法螺貝を吹いた。 私が法螺貝を始めたのは、写真家のエバレット・ブラウンが、私のそばで法螺貝を吹いた時に、私の心身が強く共鳴したことがきっかけだが、エバレットもまた、私と同じく日…

第1254回 中央構造線上に古代の重要な聖域が並ぶ理由!?

中央構造線上の中郷流宮岩。 日本列島を南北に分断する中央構造線は、東の端の鹿島神宮(茨城県)から、秩父を経て長野県の諏訪、愛知県の豊川稲荷、三重県の伊勢神宮、吉野から高野山、四国山地、九州の高千穂まで、古代からの重要な聖域がズラリと並んでい…

第1253回 鬼伝説が今日に伝えているもの!?

鬼岩にある「蓮華岩」。上から見ると蓮の花に見える。また、縦7mの亀裂が、鬼が一刀両断で切ったように見えることから「鬼の一刀岩」の別名がある。 恐ろしや 次月の奥の 鬼すすき 次月というのは、古代の東山道、現在は国道21号線の岐阜県土岐市にある「次…

第1252回 野町和嘉さんの写真展「シベリア収容所1992」

野町和嘉さんの写真展が、東京のOM SYSTEM GALLERYで開催されます。(10月13日〜10月24日)。 そして、展覧会中の10月15日(土)14:00~15:00に、野町さんと私でトークを行います。 fotopus.com いつも思いますが、野町さんの写真力は、ずば抜けています。他…

第1251回 EntranceでありExitな、われわれの生

門前仲町まで、小池博史さん演出の新作舞台「ふたつのE」を観てきた。 kikh.org 小池さんという人は、止まるところを知らない。本質は変わらないのだけれど、同じことを繰り返さない。今回の舞台も、見事なまでに斬新で、美しく、ユーモアに満ちていた。 身…

第1246回 「いのちの居場所」について

「未来も過去も、無限に小さくしていくと現在となり、無限に大きくしていくと時の流れそのものになります。ズームインとズームアウトの振り子のような視点は、時間という概念に束縛されずに「わたしたちは現在をどう生きるかと考えるには大事なことだと思い…

第1245回 事物を記録することと、時間や場を記憶化することの違い

私は、ピンホール写真は、中判フィルムを使っている。 ピンホールカメラは、ファインダーもシャッターもないので、構図とか露光時間は、経験によって、だいたいこのくらいだろうと、あたりをつけて行なっている。 最初は、どの場所が写っているのか、どのく…

第1244回 多くの人は、耳を傾けないだろう話

京都市太秦 蛇塚古墳 おそらく、多くの人は、耳を傾けないだろう話。 しかし、多くの人が、自分には関係ないと思っていても、最後には自分と深く関係してくることがある。 おとといから、長男が彼女と京都観光に来ており、いわゆる名所は既に行ったことがあ…

第1240回 退行していく社会の行く末。

ちょうど「愛国」ということを考えていた時に、安倍元首相が銃撃されたというニュースが飛び込んできた。 アメリカやインドではなく、現代の平和ボケと言われるこの日本で、選挙運動中にこういう事件が起きるなどと、いったい誰が想像できただろう。 15年以…

第1234回 和を以て貴しとすること。

聖徳太子が制定したとされる「十七条憲法」の第一条の冒頭。 「和を以て貴しとし、忤(サカフル)ことは無いように。人には皆、党(タムラ)があり、悟っているものは少ない。よって君父(キミカゾ)に従わない。また、隣の里とも違うだろう。しかし、上と和…

第1233回 古代から人間は同じことを繰り返している。

ロシアとウクライナの戦争が、このまま続けば世界はどうなってしまうのか? 単純化してしまうことに慎重でなければならないと思うけれど、こうした戦争は、けっきょくのところ男性原理が突出した形で現れた結果ではないだろうか。 強い方が偉くて立派だと思…

第1232回 折鶴を非難する人の偏狭 

京都の家でテレビは見られないのだけれど、ネットニュースで流れてくる情報では、ウクライナの戦争に心を痛めている人が折鶴をウクライナ大使館に送ろうという活動に対して、現地の人が望んでいるものではないとか、自己満足だとか、だったらお金を送った方…

第1231回 一元化の思考を知の巨人と持ち上げる知の衰退

web.kawade.co.jp ユヴァル・ノア・ハラリ氏のことを、現代における「知の巨人」と持ち上げる論調が多いのだけれど、ベストセラーになっている彼の「サピエンス全史」にしても、とくに新しい視点はなくて、他の誰かが書いているようなことを(膨大なウィキペ…

第1229回 思考停止の正義よりも大事な自らの眼差し

河瀬直美氏の東大入学式での祝辞に噛み付いている人々の意見って、テレビの芸能人コメンテーターの意見とさほど大きな違いがあるわけでなく、東大生にとって、とくに頭を使って考えさせられるような内容ではない。 河瀨直美監督の東大入学式での祝辞、国際政…

第1228回 パンデミックの後にくるもの

松尾大社のそばの桂川の河岸では、バーベキューをする若者たちが群れている。 さすがに自粛生活も2年になると、我慢の限界であり、人との接触は増える。そのため新型コロナの感染者数が減らず、専門家が、また警鐘を鳴らしている。 新型コロナについて語る時…

第1227回 奈良時代のパンデミックと、衆生救済の思想

宝山寺の背後の岩壁にある般若窟は、捕らえた前鬼・後鬼を閉じ込めて改心させた場所だという。 生駒山は、修験の祖、役小角ゆかりの地。7世紀の中ごろ、山中に鬼が住み良民を苦しめていた。これを役小角(えんのおづぬ)が捕らえて改心させ、その後は、役小角…

第1225回 思考特性と、時代との関係

日本は、この20年か30年、経済的に止まっているとよく言われる。経済だけでなく、学問においてもそう感じる。その原因は色々あるだろうが、根っこの部分に思考方法の問題が横たわっているのではないだろうか。 学問の場でも、ビジネスの場でも、かなり前から…

第1223回 ウクライナのことと、政治家の白痴化に対する不安。

ウクライナとロシアの戦争について、歴史文化も国の置かれている状況も異なる日本に安住している自分が、何かの考えを持ったところで、それは浅いものにしかならないという自覚があった。 今もその感覚は変わらないが、昨日、ウクライナのゼレンスキー大統領…

第1217回 「土偶を読む」を絶賛する人たちの心理って?

縄文時代のことが気になっている一人として、「土偶を読む」という本がベストセラーになっていると知って立ち読みしたが、あまりにも独断的で、答えを最初に決めてから、それにそった裏付けだけを集めているという姿勢が目に余ったので、どうでもいいと思っ…

第1216回 危険と背中合わせだった諏訪の御柱祭さえ歪めるコロナパニック。

ショックな出来事。 4月上旬に行われる予定の諏訪の御柱祭。 申年と寅年に行われる奇祭、1200年も続いてきた伝統の祭りが、コロナ禍の影響によって、山出しの曳行(えいこう)や木落としが行われないのだという。 https://www.shinmai.co.jp/news/article/CN…