新聞とかテレビって

 新聞とかテレビって、相変わらずだなあ。
 フィリピンから違法で入国していた両親がフィリピンに帰ることになり、その娘さんが、日本のおばさんのところに残るとか(詳しくは知らない)とかで、空港で涙の別れをしている場面を、新聞やテレビで大きく報道していた。報道ステーションでは古館キャスターが、深刻な顔で、このケースが自分の親戚で起こったと思って自分ごととして考えてください、などと言っていた。
 しかし、子供が日本に残る理由は、「教育のため」とか、「友人たちとの関係のため」とか、「語学の問題?」とかなんとか言っているわけだが、企業で働いている人で海外転勤を経験している人にとっては、こんなこと普通に起こっている問題。
 海外で子供が産まれたり、幼少の時に海外に行って、日本に戻る時や、突然の海外転勤で、子供を日本の親戚に残して親だけ海外に行くケースだってたくさんある。
 もちろん、その時、親と子の別れがあって悲しいわけだけど、お互いに生きていて、夏休みとか冬休みにだって会える。
 「毎日、会えないのが辛い」なんてことを、テレビや新聞で伝えてもしかたがない。
 もう二度と会えない、死に別れた親子だって無数にある。
 それとも、テレビや新聞は、法律を変えたいという強い思いがあってそうしているのかというと、まあそんなことはありえない。

 もしそういう気が少しでもあるなら、お涙ちょうだいの場面ばかり流すのではなく、きちんとこのケースの「法」について、テレビで議論すればいい。

 大騒ぎをして、子供の顔を露出させるような演出は、何にもならないどころか、逆にまずいのではないかと思わざるを得ない。
 しょせん、テレビや新聞って、そんなもので、こんなことは、わざわざ書く必要もなく、もはや誰にとっても共有されている感覚なんだろうけど、それでもちょっと酷すぎる気がする。